手                      

2001年3月17日

家事・育児・先生・パソコンと忙しいのに
なぜか荒れない丈夫な手
悪戯ばかりしている悪魔の手? 写真撮る時、どうしてもこうしてしまう
ぷくぷく、赤ちゃんみたいな可愛い手


 1歳を過ぎ、歩き回るようになった三女は悪戯の限りをつくしている。

ゴミ箱をあさり、床に落ちてる物を口に入れ、玄関の靴を持ってうろうろし、携帯のアンテナを折り曲げ、

ガス台のスイッチを押したり、パソコンの電源を入れたり消したり・・・、目が離せない。

いけない事、危ない事をした時、「こら、ダメでしょ!」ペシッ、と手を叩かれる。

それでもメゲずにまた悪戯する。子育てはなんと根気がいる仕事だろう・・・。

小さな手でいろんな事を記憶しようと一生懸命である。


 私の手にも幼い頃の沢山の思い出が記憶されている。

寒い冬、隣に寝ている母の胸にそっと手を伸ばし触れた、柔らかく暖かい母の肌。

真っ赤にして握った雪合戦の雪玉のギュッとした感触。コタツに入って、編物を教わった毛糸のリズム。

父の大きな手を握り、ふきのとうを探しに歩いた、楽しいく幸せなひととき。

木登りして刺さった棘のチクチクした痛み。カエルのの卵のぬるぬるした気持ち悪さ。

オママゴト、花びらや草を摘んだり、泥だんごを作ったり、いろんな色に染まった指先の青臭さ。

大好きなぬり絵、はみ出さないように丁寧にと力が入った指先。

日に何度も頼まれた、かゆがりの祖母の乾いた背中の白さ。

もう戻れない懐かしい記憶たち。


楽器の演奏で指がタコだらけ、
我が家の大黒柱、優しき音楽家の手
触れて触れて、記憶して・・・、毎日がとっても
忙しい、未来を掴もうとしている大切な手
携帯、マニュキア、鉛筆よりもシャーペン、
持つ物が大人に近付いてる反抗期?の手


生活はこれからもどんどん便利になって行くことだろう。

料理は電子レンジ、お皿を洗うのは食器洗浄機、お米は無洗米、買い物も宅配、

それこそ手を使うのはボタンやキーを押す時だけ、

すでにそんな便利な生活になってしまっている。

今の子供たちが大人になった時、その手にはどんな思い出が残っているんだろう。

それ程遠くない未来、人間は進化して昔想像した火星人のようになっているのかも知れない。


 

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