オモチャ                  

2000年10月3日

 娘達が小さい頃使っていたオモチャをそろそろ処分しようと思っていたところ三人目を妊娠。十年前のオモチャが

また部屋中に散乱し始めた。まだ0才の三女は、今のところ口に入れたり放り投げたり別の使い方を楽しんでいるが、

もう少ししたら人形相手にごっこ遊びを始めることだろう。先日、おママごとセットを出してあげたら、

次女の方が喜んで「お姉ちゃんがお料理作ってあげるね!」と0才児相手にママごとを始めた。

 こうやって女の子の遊びを見ていると、葉っぱのお皿や枝の箸が、立派なプラスティックや木製に替わったことを除けば、

私が幼い頃やっいたのと一緒である。ただ、会話が妙〜に現実的で、その子のお母さんの口調とそっくりだったりする。

よくお母さん同士顔を見合わせ、「こんなに小さくても女だね〜」と苦笑した覚えがある。

バーチャルな世界では子供を産み育てることはできない。女のDNAのなせる技、本能なのだろうか?

 遊びに関して言えば、男の子だから、女の子だからと決めつけるつもりはない。

ちなみに次女は、3才頃からウルトラマンの怪獣にはまり、よくバルタン星人やダダを三輪車のカゴに入れて走り回っていたし、

次は、TVの「カクレンジャー」をビデオに録画し何回も見ていた。その冬のクリスマスの朝には、サンタさんからの贈物

「レッドパンチャー」(なんとかレンジャーの電池で動くロボット)が枕元にあった…。誕生日プレゼントはプラレールだったし、

それから「ゲゲゲの鬼太郎」のビデオも借りまくった。

近所に住んでいた男の子は毎日のように娘達のママごとに参加し、お父さん役、お兄さん役をみごとにこなしていた。

 ただ、ゲームにはまっている小学生の男の子を見ると、昔とは違うなーと感じる。広い遊び場もなく、

土地が余ったからとりあえず造りました、って感じの暗い公園には「ボール遊び禁止」の看板が立ってるし、習い事も多い。

発散できないパワーが、自由にリセットできるバーチャルな世界へと向かってしまうのは仕方のないことなんだろうか…。

 女のDNAと言ったけど、やっぱり男のDNAの中には、自分の遺伝子を残したいといいう本能がある。

野生動物はオス同士が戦って勝者が子孫を残す。「人間は理性ある生き物だから、動物と一緒にするな!」と

お叱りを受けるかもしれないけど、私はやっぱり、男の子はオスとしての闘争心、敵を倒すという本能を持っていると思う。

今はそれを発散できない世の中になっちゃってるのだろう。勝ち負けを学ぶ必要があると思う。

 子どもは遊びながら成長していく、友達とケンカし、兄弟でケンカしながらも、どうやったら楽しく仲良く遊べるかを考える。

ルールを作ったり妥協したり主張したりしながら、人間関係の基本的なノウハウを身に付けていく。

「ケンカしないで仲良く遊びなさい!じゃあこうしたら?こうしてああして…」ケンカの途中で親の方が口を出してしまう。

結局子どもは、親が作ったルールで我慢も主張もなく、なんとなく遊んでしまう。私も気を付けないといけないな〜。

 長女はそろそろ思春期にさしかかる。友達関係で悩むこともしばしば…。

最近は、親としてのアドバイスが女としてのアドバイスに変わってきている。 

「大人でさえ生きにくい世の中だからこそ子どものことをもっともっと考えてあげなくちゃ…。」

 末娘がスヤスヤと昼寝をしている、なんとも言えない寝顔である。さんざんお姉ちゃんたちにオモチャにされて、疲れたようだ…。

テレビから流れる10代の悲しいニュースを耳にし、散乱したオモチャを片付けながら

「事件を起こしたこの子も可愛い可愛い赤ちゃんだったんだろうな…。」

ふっと思い、やるせない気持ちになった…。

 

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