歩いても歩いても一面の菜の花。
霞む地平線の向こうまでも、風に揺れる黄色い波。
「どこまで続いていくのかしらね」
フェリシエラ は眩しい位の緋色の花に眼を細めた。
甘くはない独特の香りが鼻腔を擽る。
「さぁ、君はどこまで行きたいの?」
彼女が一歩踏み出すと、柔らかく陽光を吸って輝く髪がふわりと流れる。
レゴラスは彼女の手を取ろうとして止めた。
自分には捕まえられないと、知っているから。
「どこまでも…許される限り遠くまで…」
何故、とは聞けない。
聞けば彼女の哀しみが増すから。
「道が続く限り?」
問い返すレゴラスの声は、落ち着いて静か。
ただ分るのは、どれほど打ちのめされていても、世界は美しいという事。
フェリシエラ の想いすら無視するように残酷で変わらない。
「道は人が作り、その命尽きるまで歩み続けるものでしょう?」
目の前の花に手を伸ばすその白い指先が、黄色に染まってしまいそう。
「それなら永遠の命を持つ私達は、どこに進めばいいのかしら?」
ポキリと折った一本の菜の花は、彼女の手を滑り落ちて。
「望むのなら、私達は何処へでも行けるよ」
無造作に地に落ちたそれをレゴラスは拾い、彼女の髪に飾る。
「彼の元へも?」
さざ波のように僅かに震える小さな囁き。
瞳が切なく揺れている。
「行きたいの?彼の傍へ…」
レゴラスが真っ直ぐに見つめ返すと、彼女はそれでも精一杯笑った。
…耐えられない。
壊れそうな細い体を、優しく抱き寄せると。
辺りに満ちる香りとは違った甘い香りが彼を包む。
「行かないわ。私は生きるの…彼が命を賭けて守った平和な世界を」
抵抗する訳でもなく、受け入れるわけでもなく。
フェリシエラ は温かい彼の体温を感じている。
「見届け続けるの、永遠に」
紡がれる言葉は淀みなく何処までも綺麗。
彼女の愛した人への想い、そのままに。
「それなら私は、彼が君の為に残した世界を、君と共に見守るよ」
道がなくても光が差せば。
それに向かって歩き出せるはずだから。
ここではない何処かまで。
哀しみすら届かない、永遠の地まで。
君と共に歩いていきたいと……。
〈あとがき〉
これはハルディア夢のはず。。
なのに本人全く出てこないどころか…既に死…バスッ!
…失礼しましたUu
絡んでいるは王子だし。
という事は王子夢??
書いた本人も分らない微妙さ…糖度はゼロだし。。
でも今日夕飯の玉葱を刻んでいたら思いつきまして、
突発的に書きたくなってvv>まて
アルさん、こんなんで大丈夫でしょうか…?