アフリカ国境模様
エチオピアからケニアへ

 アフリカを旅行中、荷物と人間、混載のトラック移動はこれまで何度もあったが、明らかにそれとわかる難民の家族との同乗したのは初めてであった。
 彼らの顔立ちからもわかるとおりソマリア系であり、これからケニア、タイと経由してアメリカへ渡るのだという。しかも乳飲み児を含む娘ばかり6、7人を引率するのは父親一人だ。たいへんそうだが、小さい子がもっと小さい子の面倒を本当によくみるのには感心する。かつての日本もそうだったとは聞くが。
 国境や検問所のたび、それとなく見ていると、役人や兵士に難癖を付けられて賄賂を渡している。僕らの旅行は所詮、豊で平和な国から来た能天気な遊びであることを考えると、理不尽な現実に胸の中をひっかきまわされたような気持ちと、恥ずかしいようなきまりが悪い思いにかられた。
 とはいえ、彼らはまだいい方なのかもしれない。いくばくかの現金を持ち自力で行きたい国へ向かっているのだから。

(深川 泰之)


ケニア行きのバス。車内は国境を越えて買い付けに行く行商人が大半だった(エチオピア)