フゴッペ洞窟


周辺地図(mapion)


概要

昭和25年に海水浴に来ていた札幌の中学生(資料によっては高校生との記載もあり)により発見され、その後の発掘調査によりものすごい遺跡であることが明らかになったもので、昭和28年11月14日に国の史跡指定をうけたということです。
左写真は日本初のカプセル保存方式を実施した保存施設です。しかし昭和47年生まれのこの建物は、よりよい見学環境を整えるため改修工事が行われるとのことで、私が見学した2週間後くらい(2002年5月)に工事が始まる予定であると教えていただきました。ぎりぎり滑り込みセーフだったんですよね。実は到着した時間も閉館時間直後で、シャッターが閉まりかけているところを無理矢理頼み込んで見学させていただき、これまたぎりぎりセーフだったのです。しかも職員の方はイヤな顔一つせず、そのうえ熱心な説明までしていただきまして感激しました。おじさんどうもありがとう!
彫刻がほられた時代は今からおよそ2000〜1500年前(続縄文期)で、隣町の手宮洞窟とほぼ同じ時代の作品と推定されております。

陰刻がいっぱい!

これはすごいですね。日本国内には手宮洞窟とここだけということで、一日に両方見てしまいました。とくにフゴッペの陰刻は非常にはっきりしている上に陰刻画の種類、数、雰囲気、どれをとってもこっちが横綱ですな。手宮は大関くらいかな。
それにしてもこんなの見たのは、はじめてです。遺跡ファン必見です。
写真がいまいちですが、現場が暗かったのに加えて、いささかコーフン気味で鼻息をあらげていたもので。。。

陰刻0
有翼人とか言われるタイプの代表格が右奥にいらっしゃいますね。
でもって左下は船+人、右下は後光を背負った人?
陰刻2陰刻1
陰刻3陰刻4
上写真はどちらもいまひとつ判然としませんが、なんらかの陰刻がありますね。
陰刻5
イカ男?

現場 ここが一番奥まったところで、管理人のおじさんの話によれば、まさにここが遺跡の核心ではないかということです。ここにくると敏感な人ならぞぞっとくるんだとか。
調査員の人が髪の毛をなでられるような感じに襲われたり、ここでひれ伏して祈りを捧げたひとまでいたりしまして、ものすごい「いわくあり」の現場なのです。
そんな話を聞くと、一番奥の人型がなんかきになりますね。写真を見てなんか感じませんか?

土器

こちらで出土した土器も展示されておりますので是非ご覧ください。
土器1土器2

フゴッペってっどういう意味?

北海道の地名はアイヌ語を語源として漢字で当て字をした地名が多いようです。しかし、ここフゴッペはさらに訛ってしまったのではないかということで、諸説入り乱れているようです。
たとえば「フムコイベ(浪声高き所)」・「フンキオベ(番をする所)」・「フンコベ(トカゲ)」などが候補に挙がっているようですが、どれももっともらしいけど「ずばりそのもの!」というやつはありませんね。
とかげっぽい陰刻もあるし、海が近いので波音は聞こえます。しかしここは神聖な場所で番をするシャーマンがいたんじゃないかな?ということで個人的には「フンキオベ(番をする所)」が語源だということで納得しちゃいます。