GRUMMAN  F-14 TOMCAT
     
 
 

F-14の設計図のダウンロード             F-14の設計図(pdfバージョン)
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F-14 Tomcat はアメリカ海軍の艦載戦闘機で、空母離着艦のための良好な低速特性と超音速までの高速性能、長時間の滞空能力、重装備などを両立させるためVG翼(variable geometry,可変翼)が採用されています。1972年から配備が開始された機体ですが現在でも第1級の戦闘能力を持っています。力強さと優雅さを兼ね備えた機体デザインは20世紀の最高傑作機のひとつと言っても良いのではないでしょうか。映画トップガンでは主演のトム クルーズがF-14トムキャットのパイロットを演じていました。このページの紙飛行機では、構造が複雑になるVG翼機構は省略して、滑空性能の良い後退角最小の位置に固定して設計しました。
Update! 2000.9.9 試験飛行の結果、垂直尾翼の面積を少し小さくしました。このほうが、上昇性能が良くなります。

New!  後退角を最大にした機体を作りました。F-14は主翼の後退角を最大にすると、主翼の後縁と水平尾翼の前縁が一致して全体としてデルタ翼機の形になります。超音速飛行に適した形なので、紙飛行機としての滑空性能はあまり良くありませんが、後退角が小さい機体との飛行特性の違いを味わってください。

F-14(後退角最大)の設計図(pdf)
F-14(sweptwing version) Drawing(pdf)

F-14 Tomcat の作り方
ダウンロードした設計図をケント紙にプリントします。一旦設計図を保存して、JPEG形式の画像が読めるアプリケーション(Photo Shop TM など)で設計図のJPEG画像を開き、印刷すると良いようです。ブラウザから直接印刷する時は、縮尺100%、マージン0、ヘッダーやフッターを印刷しないとの設定にしてください。なおpdfバージョンのほうが線がきれいです。Acrobat Readerをインストールして表示、印刷してください。主に室内で飛ばす場合は、厚手の上質紙(110〜135kg)で作っても十分な強度を持っています。
太い線に沿って、型紙から部品を切り出します。垂直尾翼は、胴体後部の左右のエンジンの中央から立ち上がっているので、そこまで切り込みをいれます。垂直尾翼による胴体の切り欠き部分は水平尾翼部品の内側部が補う形になります。点線、一点鎖線はそれぞれ山折り、谷折り線なので、のり付け前にあらかじめ、定規を当てて折り曲げておいてください。胴体のコックピット(操縦席)部分は内側に折り込む。主翼は点線で山折して、翼下側の補強構造を作ります。主翼には、中央部で上半角をわずかに(5度ぐらい)つける。垂直尾翼は、垂直より外側にわずかに傾けます。水平尾翼は水平胴体の下側から、エンジンの形が一致するように取り付ける。主翼と胴体は後端が一致するように(エンジンノズルも一致)貼り付ける。主翼や空気取り入れ口の前縁に比べ胴体側は1mmほど後ろに貼りあわせになります(抵抗を減らすため)。機首のカバーを機首をおおうようにはる。鉛重りを入れなくても重心はそのままで合うように設計しています。(lead-free policy)
 

仕上げ         
主翼は、上に凸の弓状の丸み(キャンパー)を少しつけ、左右でねじれ方に差がないか確かめる。
屋外で飛ばす場合は、機体の耐水性を増すために、全体に薄くラッカーで塗装してください。透明のスプレーラッカーが薄く均一に塗れるので良いようです。軍用機の雰囲気を出すには、グレーのカラーケント紙を使うか、ブルーグレーに塗装します。薄く塗装したときにベストの重心位置になります。

操縦
この機体は、比較的大きな水平尾翼が、機体の中心線より離れて位置するため水平尾翼の左右の差動により旋回が可能です。(実物のトムキャットもそのようにして操縦していたと思います。)主翼や垂直尾翼がねじれていないのに左右に旋回してしまうときは、水平尾翼の角度に左右差が無いか確認してください。たとえば左に旋回させたいときは、左の水平尾翼の後端を少し上にねじります。

水平尾翼の差動操作による旋回が有効なもう一つの航空力学的理由
この機体は実機に近い側面形をしているためヨー安定(風見安定)が少なめです。実機より垂直尾翼をやや大きくしてはありますが、実機では丸い胴体が紙飛行機では平面であるため胴体前部が翼の働きをして負のヨー安定効果をもつためです。そのため、たとえば左旋回させようとして、右主翼の後縁を下げる(エルロンを下げる)操作を加えると、右の揚力が増して機体を左にロールさせようとする力が働くと同時に右の抗力も増加して、右主翼を後ろに引っ張る力も生じ、機首は右を向こうとして、上反角効果により左右の揚力はほぼ同じになり、結局機体はあまりロールせず、少し右斜めを向いたままほぼ直進することになります。
(このゼロ・ヨー・バランス・ポイントを利用して直進性の良い機体を設計することが可能ですが、(このことは、私が1971年頃に発見しました。)詳しくは後日お話したいと思います。)一方、水平尾翼には、この機体の場合、飛行中やや負の揚力(押し下げる力)がかかっています。そのため左に旋回させようと、左水平尾翼後端を上げると、負の揚力、抗力ともに増加し、機体を左にロールさせ、かつ機体左側を後ろに引っ張る、つまり機首を左に向かせる力も加わり、スムーズに左旋回するようになります。
 
 

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