2012年夏のワンフェスに合わせて製作しました。撮影は後日、あらためてセッティングして行っています。

商売が大きくなるにつれて卓が手狭になり、展示用ディオラマは4畳半を使うことにしました。茶室のようなイメージがありますが、明確に茶室にすることは避け、 ここがどんな存在の部屋なのか、想像の幅がきくようにしました。家具を置く都合を考えてもいます。夏ということで、庭も用意しました。
部屋には丸窓が入っており、大きな見せ場になっております。この丸窓から、部屋の名前は望月にしましたが、名前を出す機会がありませんでした。 丸窓に障子もつけ、床の間の構造も複雑なため、強度の問題を解決せねば、すぐ崩れてしまうものでした。そのため、壁を柱の溝に通すようにし、 要所には釘を打って固定しました。この方法が、後の組み立て式和室を可能とする基本技術になりました。障子まで同じ色で作る関係上、色は普通のエアブラシ塗装です。 縁側を通じて庭に出ますが、縁側に屋根があるよう思わせるため、壁が出ています。縁側は、縁側として作るより、涼みを楽しめるような構成にしました。
庭は小道を設け、構成に面白みを持たせるだけでなく、見えない部分までの空間の広がりを感じさせるようにしました。縁台を置くことも考慮しています。 庭での見せ場は金魚のいる池で、水が実際に入っているかのように演出しました。これは実際に池を水や樹脂で満たすことなく、 水面だけを作っていますが、水を波立たせる演出が水の存在を感じさせてくれます。