切り花の命(2004.4.1)

 先日、駅前の花屋で8本300円のガーベラを買いました。色も5種類くらいあって、好きなのを選べました。とても色がきれいでしたので、2本ずつ4色選んで買いました。ガーベラは茎が痛みやすいと言うことですので、少しの水で瓶に生けました。数日経って、一本がくたっと頭をもたげたので、短く切って小さなコップに生け替えました。一週間くらい花瓶を替えたり置く位置を変えたりして楽しみました。しばらくすると一本ずつしなしなっとしてきてあまりきれいでないので、捨てました。ピンクのと赤の4本が残りました。色によって傷み方が同じでした。2週間くらい経ってまあよく持つなあと思いながらも、どんどん茎を短くしていって飾っていました。と、ある朝、なんか違うぞと思い、花瓶を見たら、ピンクの一本が茎だけになっていました。昨日の晩までしっかり花が咲いていたと思っていたので、少しびっくりしたのですが、もっとびっくりしたのは、何とタンポポと同じような綿毛になって、部屋の中を飛んでいたではありませんか。植物に関しては知識がほとんどないので、ガーベラがこういう植物とは知りませんでした。おしべの一本一本だったところが落下傘になっていて、種が一つ一つついています。思わず拾い集めて、外に持っていって蒔きました。インテリアの一部として「部屋に飾るときれいでかわいい」というノリで飾っていたので、ここでいきなり植物の生命力にはっとさせられました。自然のものは無駄なことはしない、あのメダカは結構人になれてきましたが、基本的に生きていくために、子孫を残すために生きているのです。そして種を残してぱっと散って死んでいく。種もその植物の一部なので、またその生は繰り返される。切り花になってもそれは変わらなかったということにはっとさせられました。