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The Pinnaclesの朝

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ちいさな惑星
〜LITTLE PLANET〜

この ちいさな惑星は
ここのところ 頭痛もちになった
あの人間たちが 神の手にかわり
この惑星を支配して以来だ
緑の血液は 乾き枯れ
海の中で 抹香鯨が 恋の電波おくり
唄う前に 殺されたころからだ

ジェット機というアブが 惑星の頭のまわりを まわるたびに 酸素はなくなり
死相をおびて 惑星は
二十一世紀の方へ ムチウチの
首をたれる
この中で科学の神にトリップした殺し屋どもが 殺人兵器を つくるレースに
大歓声をあげる

ここでは惑星の頭は
うちたたかれ ほりかえされ
注射をうたれ
もはや 回復不能とみえるのに
誰も テレビに夢中で
彼のことを 口にしようとしない

ちいさな惑星ノア号が
宇宙に 沈んでいくのを
みたことがあるかね

もし 未来というタイムカプセルを
きみが 手にいれたとしてだが

LITTLE PLANET

This little planet begins to have a headache
Since humans occupied it and took it out of God's hand
Green blood dries, earth's veins wither
The Whale gets harpooned before he sends singing Telepathy of Love
Big jet-flies circle the planet's head and turn the occident into a skull
Planets break their necks all thru 21'st century
Meanwhile killers get high on the God of Science
& cheer the big Arms race on
Kicking the globe in the head and puncturing its skin
Earth looks like it won't recover, too many humans busy watching T.V.
And no one says anything about saving the planet
Will anyone witness our little Noah's Ark planet drown in the Universe?
Only if they're able to dig up a Time Capsule named the Future

Paris December 9. 1982, translated by Allen Ginsberg




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白石かずこさん
Kazuko SHIRAISHI(詩人 Poet)


1931年カナダ・ヴァンクーヴァーに生れる。早稲田大学文学部卒業。
10代よりモダンニズム詩「VOU」に参加。20才の時に第一詩集『卵のふる街』を出版。以来、数多くの詩集、著作を出版。代表詩集に『聖なる淫者の季節』(H氏賞)『砂族』(歴程賞)『現われるものたちをして』(読売文学賞、高見順賞)など。
1973年、アメリカ・アイオワの国際創作プログラムに招かれて以来、ロッテルダム国際詩祭、パリ・ユネスコ国際詩祭、アデレード(オーストラリア)作家週間、イーストウーエスト・センターによる四十日間に及ぶ環太平洋詩人会議、また、カナダ、イタリア、エルサレム、ワルシャワ、ベオグラード、ベルギー、インド、バングラディシュ、マニラ、韓国、その他数多くの国から招かれ詩の朗読、レクチャアを行ってきた。