next one is better one



071127  月白



父が作っている淡い青瓷、好きなこの色がどうやったら出るのだろう。

工業試験場研修時代、自由研究のテーマがこれでした。
「そんなのお父さんに聞いたらいいやん」と周りから言われましたが
今まで父から詳細な釉薬調合を教えてもらったことがない、
自分の色は自分で作るというのが自然とあったんです。

このときの勉強の積み重ねで淡い青瓷を出せるようになりましたが
作品名を付けなくてはいけない、
還元焼成された酸化鉄発色の青い釉薬は青磁(青瓷)とするのが
多いのですが青磁は色んな種類があって意味合いが広すぎるし
ありきたりでいやだなあと思ったんです。
ただ勝手な創作名称はつけたくないと思いがあの頃はあった。

古陶磁の本で目にした「月白鈞窯(月白均窯)」が
僕の青磁釉のカテゴリーに合っていて個性的で気に入り
使うようになりました。

鈞窯は中国北宋時代に栄えた窯の名前です。
ここで焼かれてた青い色の釉薬が
月白釉や鈞窯釉などと呼ばれていました。

月白とは満月の青白い色合いに似ているところから
付けられたそうです。

最近の私の釉調は鈞窯の乳濁系というより粉青に近く
鈞窯の意味合いとは離れてきたので
ただ「月白」とだけ称するようになりました。


先日あるギャラリーさんから「あなたの月白が青瓷とは知らなかった」と
言われたので書いてみました。