UK盤:廃盤(Belfry Production Ltd First
Night Records Cast CD24)
Germany盤:廃盤(Epic/EPC 480613 2)
Mike
Batt Official Websiteで発売中!
(ここ以外では市販されていないようです。あとはオークションサイト等に出ることがありますが・・・)
Part One
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Part Two
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ささめごと
Mike Batt
プロデュース・作詞・作曲は、"Bright Eyes"、"Sometimes When I'm Dreaming"のイギリス人作曲家/指揮者のMike
Batt (マイク・バット)です。1950年生まれのMike Batt
は非常に幅広いキャリアの持ち主で、オペラ『オペラ座の怪人』のプロデュースからテレビ・映画音楽の作曲、ロンドン・フィルハーモニーを初めとする有名交響楽団の指揮、はては、舞台やテレビアニメの制作・監督までこなし、さらにシンガーとしてソロアルバムまで発表している、という多才なミュージシャンです。
The Hunting of the Snark
このアルバムは、『不思議な国のアリス』で有名な Lewis Carroll (ルイス・キャロル)のナンセンス詩『スナーク狩り』(The
Hunting of the Snark, 1876)をMike Batt が自身の解釈で、音楽・歌・朗読で表すという企画盤です。一種のミュージカル・アルバムとでも言えばいいのでしょうか。元の詩の『スナーク狩り』は、『原典対照 ルイス・キャロル詩集』(高橋康也・沢崎順之助訳 ちくま文庫 1989年)に載っていますので、アルバムとあわせてご覧になることをおすすめします。
1990年から1994年にかけて、Art は出演しませんでしたが、シドニー・ステート・シアターやロンドン・アルバート・ホールでミュージカル(Mike は "costumed concert"と言っています)として上演され、イギリスでテレビ放映されました。
このアルバムは、1984年にレコーディングされましたので、S&G再結成ワールド・ツアーからソロへと戻る第一弾企画だったと思われます。1980年代、ソロシンガーとしてはあまり活動的でなかったArt
の数少ないレコーディングとしても、非常に貴重です。
Cast
Roger Daltrey as the Barrister
All spoken verse written by Lewis Carroll
Narrated by
Special Guests
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キャストについて
Roger Daltrey (ロジャー・ダルトリー) :バリスター(法廷弁護士)
Julian Lennon(ジュリアン・レノン) :ベイカー(パン焼き職人)
Cliff Richard (クリフ・リチャード):ベルマン(鐘鳴らし役)
Mike Batt (マイク・バット) :ブーツ(靴磨きなどを雑用を行うホテル従業員) Captain Sensible (キャプテン・センシブル):ビリヤード・マーカー(ビリヤードの点付け係)
Deniece Williams (デニース・ウィリアムズ):ビーバー
Sir John Gielgud (ジョン・ギルグッド卿):ナレーター
John Hurt (ジョン・ハート) :ナレーター
Stephane Grapperlli (ステファン・グラッペリ):バイオリン
George Harrison (ジョージ・ハリソン):ギター
Maggie Reilly (マギー・ライリー):「希望」の声
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と、ものすごく豪華なメンバーですね。にもかかわらずなのか、その豪華さが裏目に出たのか、契約問題がこじれて、イギリスでは小さなインディーズのレーベルからしか発売されませんでした。アメリカでは未発売です。
Butcher
Art は、"Butcher"(肉屋・と殺人・残虐者)役です。この"Butcher"は「ビーバーしか殺せない、とんでもないおばかさん」なのですが(^^;)、Mike
の演出とArt の歌声で、原作とはまた一味違った味を出しています。
Art はなぜブッチャーにキャスティングされたのでしょうか?アルバムの中では取り上げられていないのですが、原作の詩では、ブッチャーが「2+1」をとんでもなくややこしい方法で計算するシーンがあります(前述の『ルイス・キャロル詩集 p326参照)。ここを読んで、わたしはArt が学生時代、数学専攻だったことを思い出しました(深読みしすぎですね^^;)。
4曲目の"The Escapade"は出演者の紹介の曲で、Art も顔を見せに歌っています。
Part II の"The Beaver's Lesson" と"A Delicate Combination"はDeniece
Williams とのデュエットが非常に微笑ましく、かわいらしい作品。"As Long As
Moon Can Shine"は、まさしく名曲です。全てのArtieファンに聞いていただきたいですね(^^)。Mike
Batt らしい、美しいメロディラインと歌詞が印象的です。