ああ、キャサリン、僕は君にさよならのキスをした。

淡いピンクのサテンのついた白いコットンの服を
.........着ていた君。
30分前にリムジンのすみっこに
.........乗っていた。

車の外、歩道の上、あれは4:40だった、
.........土曜日の午後。
美しい日差しがさんさんとパパと僕の上に降りそそいだ。

5月も盛りの日だった。

一日中僕を楽しませてくれた・・・まるで小川
だった。山間を流れる小川のように
君はまばゆい光をつかまえて
反射した。

君は慎重かつ大胆にやって来た。香りを買いに行って、
風船ガムの香りつき消しゴムと、ルートビア味のリップ・
グロス・ブラシと、コロン一瓶を買ってきた。

―チェスをするの?一瞬の後、君は言った。

エンパイア・ステート・ビルのてっぺんですごい景色を眺
めたね―君は自分の時の中にいた。君はロッホ・ローモ
ンドだった。

君が好きなもの。タイプライター、ジグソーパズル、チョコ
レート、ピアノ、グレープソーダ、電話ボックスに3人、ペッ
ツ、運動場、リムジン。そしてなによりも、運動場がお気
にいりみたいだね―回転木馬(君は内側の馬に乗ったね)
まで馬車に乗ってパパと僕はとても楽しかったけど

運動場は君にとってはねこのひげだった。
僕は君の鼻にサインしようとした・・・キャサリン、
君のくれたもの、本当にありがとう

外で、パパは言ってた。「あの子が5歳に
.........戻ることはもう決してないんだね。」

だから僕のさよならのキスは君の美しい道筋の後に残った、
.........美しい波の跡になんだよ キャサリン。

.........流れから泉に捧ぐ
 
 

ニューヨーク・シティ   1981年5月

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