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ロンドン
1984年 4月



注釈
BATIK:ろうけつ染の布:溶かしたロウで模様をおおい、染め、その後沸騰したお湯の中でロウを溶かして模様をつけた布。
解説
この非常に私的な詩は、この詩集の中で私のお気に入りのひとつである。また今まで私が読んだ中で、最も美しく、心を打つ恋の詩のひとつでもある。

アートは、ローリーについて書き綴る。彼女を「深く、完全に」("deeply and completely")愛していた。彼は些細なことを思い出す:彼女がどんな風に紅茶を飲んだか、トーストに何をつけるのが好きだったか、彼がどんなにろうけつ染の服の下の体つきを愛していたか、彼女がどんな風に彼を呼んだか、ということを。

しかし彼は、特に彼女のくちびるが大好きだったことを思い出す―あの「キスしたくなる耐えがたい衝動を誘う…彼女の吐息の領域」("unbearably kissable...region of her breath")。あのくちびるが、ずっと彼女を愛していた、彼女が自殺したことの喪失感や罪悪感と闘っていた、本当の理由だった―「僕の存在の根源」("the center of my existence")。

もうこれ以上何も語る必要はないでしょう。


この分析への質問は作者のMary K Rhinehartさん<MARY-JERRY@prodigy.net>に英語で直接お聞きになるか、日本語で訳者<chie_mc@hotmail.com>まで、お問合せ下さい。感想も熱烈歓迎です。 

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