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アルプス山脈の道路
1983年9月



解説
 
2通りの解釈が考えられる。

文字通りの解釈―年を取ることを、おかしみを込めた目で眺め、時の経過を一風変わった方法で計っている。

アートは、商業的には成功したが、楽しくはなかったSimon&Garfunkelのアメリカツアーを終えて、ヨーロッパをバイクで旅している。4年前に、何年もつきあっていた恋人、ローリー・バードが、ふたりのマンハッタンのマンションで、自ら命を絶った。彼は気持ちを整理し、そのショックから何とか立ち直ろうとしている。("down"という言葉がこの詩の中で3回も使われている。状況だけでなく、おそらく彼の気分も表現されている。)

アートは美しいスイスの風景をじっくり眺めるために、バイクを止めてしばらく休憩を取っている。また旅を続けようとバイクに戻り、バイクのバックミラーで"helmetless hair is unruly"【ヘルメットなしの髪がくしゃくしゃになっていないか】チェックする。アートは、自分のくるくるした髪の毛がくしゃくしゃなのは、長年よく知っているはずなのに。でも…髪の毛の生え際が後退していたので、思っていたよりも深く体を曲げなければ髪の毛が見えなかった。バックミラーは凸レンズなので、びっくりハウスの鏡のように、額の大きさが誇張されたのだ。

隠喩的解釈―アートはこの時期の、多難な人生の旅を、バイク旅行と関連させている。険しい"mountain road curves left"【山道は左にカーブし】、"on the outside two-foot shoulder"【幅2フィート(約60cm)の路肩に出て】がけっぷちに立つ。今いる所から目的地までの移動手段の"motorcycle"【バイク】は"heavy"【重い】。つまり、彼の行く道は厳しく孤独なものだろう。しかし、彼は将来を直視しない事を選ばず、"to continue"【進むこと】を決心した。彼は時が経過したことを認め、過去を、"I must bend down to time…"【時間に屈服しなければ…】と言う表現で見つめなおしている。
 

備考
アートのお気に入りのバイクのメーカーはって?BMWです!

この分析への質問は作者のMary K Rhinehartさん<MARY-JERRY@prodigy.net>に英語で直接お聞きになるか、日本語で訳者<chie_mc@hotmail.com>まで、お問合せ下さい。感想も熱烈歓迎です。 

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