ニューヨーク・シティ
1983年10月



【訳者注釈】
OLD HEAVE-HO:(恋人を)捨てること;(使用人などを)追い出すこと,追放,解雇;(保護者・パトロンを)袖にすること

RAPPORT:関係、接触

REEL:(目まい・酔いなどのため)ふらふらする:周囲の物がぐるぐる回るような感じがする
 

解説
アートとポール・サイモンのデュオとしての関係の終わりの、心痛むあらましが書かれている。1983年の秋のS&G野球スタジアム・コンサート・ツアーの終了後すぐに書かれたものである。

アートは失ったものを悔やむあまり、吐きそうになっている。この吐き気はアルコールの飲み過ぎによるものと思われるが、酔っていない時も彼はふさぎこんでいて、それも影響していると思う。

なんて悲しい、描写だろう。ポールとアーティー("2 Champs"「二人のチャンピオン」―かつて頂点を極めたが、今は成功しようともがいているふたり)はコンサートが終わった後、深夜まで飲んでいた。ポールはギターを弾き、二人とも歌を歌っていた。"Waves of nausea filling the songs"「歌を満たす吐き気のするような憎悪の波」― 一緒にコンサートをすることで生じる緊張と、アートが4年前にローリーを失ったこと…"terrible, private pain"「最悪の、個人的な傷」。この2つが二人の友情に、確実に重くのしかかった。"point of no return"「後戻りできなくなる地点」は、もう一緒に歌わないと決心するときである。

"old heave-ho?"「追い払う?」 彼らはなんとかして、この重苦しい気分を捨てることを選択したんだろうか?さっぱりと新しくスタートしようと?いや、彼らは怒りをためつづけた。(またも、世間の目にさらされて、友情に緊張が走っていた。)"to ride that coil of agony"「あの苦悩の輪に乗るために」。緊張と強烈な痛みの、強いイメージである。

ファンはポールとアーティーに歓声を上げ、常に完璧であってほしいと願う。しかし、ふたりは"hangover stage"…二日酔いでステージにあがろうとやっきになる。酔って問題や違いを忘れたいと。
 

備考
"Tequila"『テキーラ』は1958年にThe Champsというグループによるヒット曲である。

この分析への質問は作者のMary K Rhinehartさん<MARY-JERRY@prodigy.net>に英語で直接お聞きになるか、日本語で訳者<chie_mc@hotmail.com>まで、お問合せ下さい。感想も熱烈歓迎です。
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