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点字と凸絵のついている絵本
カッピーのぼうけん
ぶん わたなべひろこ
ひまたまさみ
てんじ わしみよしえ
てんじ制作 潟vレイルコム
定価2500円(本体2381円+税)
発売:星雲社/発行:創栄出版


推薦の言葉

大阪教育大学名誉教授 教育学博士 弥 吉 菅 一

 カッパのカッピー君は末っ子で弱虫で、一人で遊びにも出られない子どもでした。父も母も兄たちも「何とかして強い子に」と話し合っていたのですが、その結果、兄の背中に乗せてもらって旅に出ることになりました。
 ところがワニの大群.びっくり仰天、必死で逃げるうちに、兄さんとはぐれてしまいました。ワニからは逃げ出せたものの、一人ぼっちになってしまい、心細くしょんぼりしていたカッピーの耳に兄の声が……。「にいさーん」と、勇気100倍、兄の声のする方へ泳ぎ出したカッピーでしたが、今度は大きな口を開けたサメに出くわしてしまいます。もうだめだと喪心自失。ふと目を開け、よくよく見れば、サメと思ったのはサンゴの枝。気を取り直して泳ぎ続けるカッピーに、またまた難問。岩穴に迷い込んでしまい前へ進めなくなってしまいました。カッピーは考え込んだ末に岩に向かって体当たりをはじめました。
 何度も何度もぶつかって、ついには頭からぷつかっていきました。“ドーン”「あっ、われた!にいさーん」。兄に会うことだけを念じて泳ぎ続けるカッピーでしたが、くたくたに泳ぎ疲れた頃、今度は大きな潮流に巻き込まれてしまうのです。
「おかあさーん!カミサマーッ!」
 気がつくと穏やかなカッパ天国。父や母や兄たちが「カッピー、よく一人で来れたね!」「もうこわくなんかないだうう?」と微笑んでいます。それから「強い子」になったというお話。
 カッピー君がどんなに変わってきたかを読んで話し合いましよう。皆さんもきっと「強い子」になれると思います。

 この絵本『カッピーのぼうけん』のもう一つの意義は、点字が添えられている事です。日本で最初の、というわけではありませんが、作者である渡辺先生の熱烈なバリアフリーの悲願(世界的命題)が、この点字絵本を生み出しました。斯界の現状を破り、より豊かにして下さったという意味で、その出現の意義はまさに大だと言うべきでありましょう。
 その確認の為にもこの点字絵本の「あとがき」を読んで下さるよう、ご両親や先生方にお願いいたします。この物語のヒントが病弱な(喘息)二年生の子の作文にあったとか。それを、かつては紙芝居化され、さらに今回は絵本化されていらっしゃる。しかもその絵本を耳や目のハンディを越えて、

 ・親が子ともに読んであげる
 ・子どもが自分で読む
 ・同じ話題で会話を交わし、交流ができる

「そんな絵本は……」と考え抜いたあげく「そうだ!点字をつければ……」とお気づきになっていらっしゃる。なんとすばらしい発見であり、着眼でありましょう。

 渡辺先生には、なお『青春迷図 ―白衣を残したスタートライン― 』『母と!子供と!!先生と!!!』の著書も上梓なさっておられます。この点字絵本『カッピーのぽうけん』の主題に響くものがこざいますので、こちらも一読をお薦めいたします。
1999.9.5

[ ごあんない ]
 
 『カッピーのぼうけん』は最初は自費出版の「つもり」でつくられました。

 「梅田の紀伊国屋に積んであった。次に行ったらもうなかった・・・」「あら、自費出版じゃなかったの?」 おお、けっこうなことではありませんか。

 おかげさまで、市の図書館や小学校でも何冊かまとめて購入していただいて「ひょっとしたら増刷?」なんてうれしい声も聞こえます。「いや、増刷するくらいなら第二弾を!」という勇ましい声も聞こえます。
作者の渡辺先生は、ラジオ番組への出演やテレビ局の取材に大忙し。いずれもローカルですけど。

 さて、この『カッピーのぼうけん』。じゃっかん在庫があります。本屋さんでご注文いただいてもいいのですが、このホームページをごらんになって購入を希望される方は下記宛てにメールをください。

※申しわけありませんが在庫僅少のため
このページからのお申込みには対応できなくなりました。
(Hima)

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