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細野晴臣
-仏教伝来!?-

細野さんが作詞した曲からは、「求道精神」を感じます。

それもそのはず、
彼は、相当 仏教に傾倒していました。

彼の著書(下に紹介の「地平線の階段」)には、グル、瞑想だとか(オウムの影響でいいイメージはありませんが)美術家の横尾忠則氏との仏教談義が書かれています。

地平線の階段 細野晴臣 著 八曜社 (昭和56年発行第2刷)

内容は、細野さんが雑誌に掲載した散文と新たに執筆した文で構成されている。
目次
○グルに会える日 ○音楽三昧 ○聖林からの調べ ○クワイエット・ビレッジ 
○ヒンドスタン・サナトリウム ○科学と魔法の交響楽

↓何と裏表紙



地平線の階段 細野晴臣

平野に出ると、そこをひととおり眺めまわす。

するとそこに階段をみつけてしまう。見つけなければ楽なのだが、見つけてしまう。

階段を見つけたら、それを登っていかなくては気が済まなくなる。で、登っていく。

雲を突き破って行くと、そこにはまた新たな平野が拡がる。その平野は見るもの聞くもの新しく、

新鮮で刺激に溢れ、情感を揺り動かされ、このような平野があったのかと驚かされる。

そしてひとわたり眺めると、細部にわたってくまなく何があるか探すのだ。

するとそこに必ず階段を見つけてしまう。見つけなければ楽なのだが、見つけてしまうのだ。

それを見つけたなら、それを登っていかなくては気が済まなくなる。で、登っていく。

それでまた雲を突き破って行くと、そこにまた新たな未知の平野が拡がる。

繰り返し、僕はその地平線への階段を登ってゆく。

?ちょっと、危ない感じがします
人生の一番多感な時期にYMOに出会った私は、

彼が何を言っているのかを理解しようと、家にあった仏教の本を読んでみたり、

彼らに必死についていこうとしていた様に思います。

ユキヒロさんも しきりに

今で言うところの、
積極思考、肯定思考について説いていました。

そういう意味では、彼らは非常にマジメでした。



この「求道精神」は、彼が作詞した作品にも、ストレートに表現されています。

例えば、アルバム「浮気なぼくら」に収録されている
" Wild Ambitions"

Wild Ambitions 作詞:細野晴臣 作曲:細野晴臣・坂本龍一
I'm on my way
to where you are
I'm running through the wild lands

You can't tell
left or right
I'm running through the wild lands

so call my name
Please call my name
I'm running through the wild lands
精神世界の荒野をグルを求めてさまよっている様子を想像させるような歌詞です。



事実上のラストアルバム SERVICE収録の THE MADMEN.。
この詩のプロットは、諸星 大二郎 著のコミック「マッドメン」らしいですが、
THE MADMEN(マッドメン) 作詞:細野晴臣・ピーター・バラカン 作曲:細野晴臣
・・・
I can feel the spirits call.
I look around ,but there's no wall.
Every time I look away.
Every time I look away.
I hear the madmen call.
この曲にも、森、精霊、壁といったスピリチュアル的な詞が出てきます。

1981年に発表されたTECHNODELICに収録の ”GRADATED GREY(灰色の段階)”
は、

GRADATED GREY(灰色の段階)作詞:細野晴臣 作曲:細野晴臣
カー・ラジオから歌が流れる
私は気分がヘンだ
とても遠い所に来ている
グレイ・スケールのグラデーションの中を・・・・・

見たことのない風景が
果てしなく拡がっている
旅の間に
グレイの色々な段階を見てきた

あ、またトンネルだ

 ほんのわずかだけど、
 少しづつ近づいてきている気がする。

グレイと白の境界に向ってつっぱしっている。

これは、求道というより
この人病気かも・・・と思われてもしょうがない歌詞・・・

考えてみれば、彼らはこの時 30歳前半。
人生哲学が完成しているわけもありませんが、
そういう重い一面を持った彼らの影響を受け、成長したことは
幸せだったかもしれません。