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■  デンマーク代表とトマソン


2002年のあのW杯の時、
和歌山で合宿を行ったデンマーク代表と、デンマーク代表ストライカーのトマソンについての実話だそうです。2ちゃんのをコピペして見やすくしてみました。涙無しでは・・・

434 :名無しさん :02/08/05 16:28 ID:KYd/6DtY

  デンマーク(Denmark)
皆さんはこの国をご存知ですか?
まずは簡単にデンマークという国の紹介をしましょう。


  デンマーク・・・ 正式国名「デンマーク王国」(元首マルグレーテ2世女王)
  _______ 北欧の南端に位置し、約4.3万km2(九州とほぼ同じ)
 |  ||        | 首都はコペンハーゲン、人口は約531万人(99年調査)
 |―┘└――――| いたって小さな国です。
 |―┐┌――――| 人種は北方ゲルマン民族。言語は通常語はデンマーク語
 |  ||        | ながら、英語でもほぼ通用します。
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
デンマークをはじめとした北欧の国々は異様なほどに税金が高いです。
日本でいう消費税(付加価値税)が最低20%。これに『サービス税』なんてものも
含めるとたいてい30%〜40%近くの税金が、買い物の際に課税されます。
 その代わり、これらの国は福祉の充実度が世界トップレベル。
税金が高いのは充実した福祉を支えるためなのでしょう。


デンマークのサッカーの歴史は古い。
しかし、デンマークのサッカーが世界に躍進したのは、
つい最近のことである。

 欧州選手権に84年初出場、ワールドカップ初出場は86年。
この80年代から、デンマークのサッカーは、世界に認められはじめた。

このころから世界のサッカーファンは、彼らのことをその躍進ぶりとスタイルから
ダニッシュ・ダイナマイトと呼びはじめたのである。


              ∧_∧             ∧___∧    | |XXXXXX
      ∧_∧  ( ´_ゝ`)         ∧_∧ (´Д` ;)  | |XXXXXXX
     ( ´_ゝ`) (☆7とノ      (∀・;  ) 8 ,,つ | |XXXXXXX
      と 9  つ /) )、ヾ    (( と 1 ヾ (  (    | |XXXXXXXx
        ((  乂_つ ノ  ≡  ≡  ≡  ≡  ≡  ≡ (⌒) ! !XXXXXXXx
       (/  \★           (__)  。      | |XXXXXXXx

そんな彼らが今大会、2002年日韓ワールドカップに出場することとなった。
2大会連続、3回目の出場を決めた。


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そして、このデンマークが今大会のキャンプ地を和歌山県に決めた。

和歌山県も例に漏れず他の立候補地と同様に誘致に必死であった。
デンマークへ何度も訪れた。この苦労が実りキャンプ地決定の知らせを受けた。
この一報に和歌山県の関係者は涙したという。

デンマークが
和歌山に決めた理由は


   ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ( ´_ゝ`) <  日本のほぼ中心地であり、関空に近いから
   (    ) 0 \____________________

だった。

   (´_`) 。o ○( それだけ・・・?!

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デンマーク、と言っても、どんな国?と普通は思いますよね?
「どこにあるの?」「デンマークのサッカー選手で有名な人は?」と思うでしょう・・・。

デンマークという国の存在自体は知っていても
どんな国民性なのか?どのような人種なのか?って普通は誰も知らないものです。

それは和歌山県民のほとんども同じだった。
だから、和歌山の街中ではこんな会話が交わされたという。


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‐―――――――――――┐  ┌――――――――――――――――――――‐
今度の ワールドカップで   |  |それは知ってるけど・・・誰か有名な人いるの?
デンマークって.国が来る   |  |イングランドのベッカムとかイタリアの男前集団
らしいけど.知ってた?    |  |みたいに有名な人いるの?
‐――――v‐――――――┘  └――v――――――――――――――――――
    ∧_∧             ∧_∧
    ( ・∀・)っ             (´∀` )
    (    ソ            (     )
    | | |                | | |
    (__)_)            (_(__)
______∧_____________
 知らん・・・。                 |
 だけど世界で有名なんやったら  |
 一度は 練習見に行こか?      |

-------------------------------------------------------
デンマークの練習を訪れた人は『この手の会話』がきっかけとなった人たち
ばかりであった。最初はいわゆる『野次馬』的な人が多かったのである。

  ワイワイ  ガヤガヤ  ワイワイ ガヤガヤ
                 ∧_∧   ∧_∧
  ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂
  (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ|
=========================================
この最初の見学者は数百人程度であった。

しかしこの数字が日々増えていった。

-------------------------------------------------------
     ワイワイ  ガヤガヤ  ワイワイ ガヤガヤ  ワイワイ  ガヤガヤ
                 ノノハヾ ((( )))) ∧,,∧  ∧∧  ∧_∧
 ワイワイ ●  ●ガヤガヤ (´∀` ) (´∀` )ミ゚Д゚ 彡(´∀` ) (´Д` )
     ▼        (  ∧_∧,, ∧_∧ トミ)と( ひ つ  >  (
  ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂ ∧∧  ∧∧ ,、__,、`
  (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (゚Д゚ ) (゚ー゚*)(´∀` )
  (    )(    ) |  |)(    )(∧_∧ ∧_∧ ● ● (   )
  ∧,,∧  ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ.
 ミ゚Д゚,,彡’(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )
=========================================================
初日はわずか数百人だった見学者が翌日には2000人、
その翌日には2500人、そのまた翌日には3000人が訪れた。


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この数字が増えた理由には以下のことが一番大きかった。

ワールドカップ出場国のキャンプ地での練習というものは
非公式・非公開が通例なのだ(イングランド、伊、西、ブラジルといった
強豪国はほとんど非公開でした)が、デンマークは違ったのである。

デンマークは、練習初日から全ての練習を公開した。

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さらに練習後には見学に来ていた地元サッカー少年たちを招きいれ
一緒にミニサッカーを行ったりもした。

   ∧_∧              ∧_∧
   ( ´_ゝ`)   ∩_∩       (´ めちゃめちゃフレンドリーで
            |<  気さくな人たちばかりやで!
―――v――――┘ |/∨\_/\/∨\/\_/\/
   ∩_∩           ∧_∧  ∧_∧
  ( ´ー`)        (・∀・ ) (´∀` )
  (   )        と    つと    つ

という評判が口コミで相当広がったともいう。

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ある記者が、デンマークのオルセン監督に聞いた。

     ┌――――――――――――――――――――――‐
     |他国は、練習を公開しないで試合に備えています。
     |デンマークは公開でいいのですか?〔英語〕
     └――――――v――――――――――――――――
       ∧_∧       記者
      (  、´_ゝ     (´Д`;)
      (    )    φ( 筆 )、_,

-------------------------------------------------------
オルセン監督はこう答えた〔英語〕。
‐―――――――――――――――――――――――――┐
  我々の強さは.練習を秘密にしたところで変わらない。   |
 絶対的な自信をもって試合にのぞむだけだ。         |
――――――v―――――――――――――――――――┘
     ∧_∧        記者
    ( ̄ー ̄)ニヤリ    (Д`; ) オー
    (    ) ∧      (筆 レ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  何より、キャンプ地を提供してくれた和歌山の人たちが    |
 喜んでくれることはどんどんすべきなんだ・・・。          |
  試合も大事だが、 この交流も大事にしたいと             |
 選手全員も言っているよ。                     |

-------------------------------------------------------
このオルセン監督には、来日早々にこんなエピソードもあった。

デンマークチームが来日し、
  _             ..::::..::::::::::
                    /||           ..::::..::::::::::::::
            / ̄ヾ___/ :||          ..::::..::::::::::::::::::
            (    ―=,ノ=―       ..::::..:::::::::::::::::::::
     ヾ――――┬’┬‐’、___,,イ┬―――’   ..::::..:::::::::::::::::::::::::::
          (_(0)(0)     (_(0)(0)    キィィン・・・..::::..::::::::::::::.

ホテル入りした初日のこと。

-------------------------------------------------------
ホテルでの歓迎セレモニーを受けた後
再度、宿泊先のホテルの支配人と料理担当のコック長が
監督の部屋へ挨拶に訪れた。


    |          (´⌒⌒`)
 コンコン ∧_∧   |____|
    |(´∀`;,)  (・∀・ ;)
   ((ど〈V〉‐ )、 .( |: ̄ )

-------------------------------------------------------
彼ら、支配人とコック長には一つ聞いておきたいことがあった
彼らには一つ『心配のタネ』があったのである。

   ┌――――――――――――┐
   | How nice of you to come !
   └―――‐v――――――――┘
  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
  (丶´_ゝ`(    )(`    )
  (  つと(    ) (     )

それは食事の問題であった。

-------------------------------------------------------
ホテル側も選手たちには万全の状態で試合に臨んでほしかった。
食事が口に合わない・・・それが原因ということは避けたかった。

しかし他国の宿泊先ホテルに連絡をとったところ、食事でかなりもめ、
文句を言われたらしかった。
――――――――――――――――――――――――――――┐
    口に合わない !  母国の材料で調理してくれ!etc.         |
――v――v――――v――――v―――v――v―――v――――‐┘
 ∩_∩ ∧_∧  88888  ∧_∧ ∩_∩  ∧,,∧  ∧_∧
 (#゚Д゚)( ・≧・ )( #`∀´) (#´ー` ) ミ,,   ゚Д゚ 彡  ( ;・∀・ )

-------------------------------------------------------
そこで、支配人は通訳を介して監督に聞いてみた。
――――――――――――――――――――――――┐
  食事で何かご要望はございませんか?            |
――――――‐v―――――――――――――――――┘
        ∧_∧   ∧_∧
         ( ´∀`;)   (;・∀・ )
        ( 〈V〉- )  ( |: ̄ )

-------------------------------------------------------
オルセン監督は答えた。
――――――――――――――――――――――――┐
一切お任せします。                       |
そちらが用意される料理を我々はご馳走になります。    |
―‐y――――――――――――――――――――――┘
         !    !
  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧
)(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; )
)(     (   / ̄ ̄|  / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|

-------------------------------------------------------
この言葉に驚いた支配人とコック長。
‐―――――――――――――――――――――――┐
  いや・・やはり母国デンマークの食事の方          |
  がいいんじゃないでしょうか?                 |
‐――――――――┬―v――v――――――――――┘
和歌山をキャンプ地. |
に決めたときから.  |
食事もお任せしよう、
と私と選手たちは.  |
.言っていた。       |
―――y―――――┘
∧_∧  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧
  ´∀`)(丶´_ゝ`)(・;   )(`;   )
 通訳) (    ) (   / ̄ ̄|  / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ::::::::::::! ̄ : :::::::::!
__∧________________
選手も理解している。          |
全てをあなたたちにお任せします 。

-------------------------------------------------------
それでも不安が晴れない支配人がこう続けたところ、
――――――――――――――――――――――――――┐
  あの〜〜他の国とかのホテルにお聞きすると・・・         |
 食事はやはり母国のほうが好まれると聞いたものでして・・・。
――――――‐v―――――――――――――――――――┘
        ∧_∧   ∧_∧
         ( ´∀`;)   (;・∀・ )
        ( 〈V〉- )  ( |: ̄ )

オルセン監督はズバリ言った。
‐―――――――――――――――┐
  他国は他国、我々は我々です。   |
―y――――――――――――――┘
                           この言葉に支配人は
  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧         「ホッとした。滞在中は
)(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; )  ホッ・・・。  無事に過ごせていただ
)(     (   / ̄ ̄|  / ̄ ̄|        けると思った。」そうだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|

-------------------------------------------------------
―――――――――――――――――――┐
我々は料理をあなたに全てお任せします。  |
よろしくお願いします。                 |
――‐y――――――――――――――――┘
       コチラコソ
. ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
)(、´_ゝ`,)(・;   )(`;   )
)(     (   / ̄ ̄|  / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|
__∧_________________
                            \
ところで、 和歌山で有名な食材は何ですか ?
‐―――――――――――――――――――┘

-------------------------------------------------------
コック長は質問の意図がわからなかったが、
‐――――――――――――――――――――――――――――┐
 和歌山では魚が有名です。 カツオという魚が特に有名です・・・ 。  |
――――――――――――v――――――――――――――――┘
                 ?
        ∧_∧   ∧_∧
         ( ´∀`;)   (;・∀・ )        と答えた。
        ( 〈V〉- )  ( |: ̄ )

-------------------------------------------------------
するとオルセン監督は微笑みながらコック長に言った。
――――――――――――――――――――――――――――┐
それでは、そのおいしいカツオを我々に食べさせてください。     |
あなたが腕をふるって、おいしいカツオを選手たちに             |
食べさせてやってください。                         |
―――‐y――――――――――――――――――――――――┘
      ハ、ハイ!
. ∧___∧ ∧_∧ ∧_∧
)(、´、ゝ`)(・;   )(`;   )                          ノ
)(    ) (    / ̄ ̄|  / ̄ ̄|                       )
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : ::::::::::| ̄ : :::::::::|                       ノ
ー―――○―――――――――――――――――――――――’’

-------------------------------------------------------

      O    この言葉にコック長は大変感激していた。
      。     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    (´⌒⌒`) .| 世界の代表監督が、あんないい人 |
   |____| |だったからね〜〜。 いっぺんで     |  記者
   ( *・∀・) < デンマークのファンになりましたよ!|(´Д`;) ホゥホゥ
   ( |: ̄ )  \_________________/((φ_ノ)

-------------------------------------------------------
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    (´⌒⌒`)  .|それと                    |
   |____|  | 最初の食事のときにね・・・ 。    |  記者
   ( *・∀・) <                       |(´Д`;) フンフン
  。( |: ̄ )  \_________________/((φ_ノ)
 O | | |                             ハ
‐○ー―――――――――――――――――――――――― 、
                                        ⌒ヽ、_
-------------------------------------------------------
最初の食事を迎えた時、ある選手が通訳に聞いた。
――――――――――――――――――――――――――┐
デンマークでは 食事するとき 神への祈り を する のだが     |
日本では食事始める時に何かするんですか?            |
――――‐v―――――――――――――――――――――┘
   彡彡’ミ      ∧_∧
  ( ´_ゝ`)    (`    )
  (    つ   ( 通訳)

デンマークは国民の9割がプロテスタント†、(゚д゚)である(福音ルーテル教)。
神への祈りを終えてから食事を始める。
この選手は日本ではこれの代わりに何かするのか?と聞きたかったのである。


-------------------------------------------------------
答える通訳。
―――――――――――――――――――――――――┐
日本でもキリスト教の信者は神に祈ってから食べるけど    |
大抵は手を合わせて『いただきます。』と言ってから       |
食べます。                                |
―――――――‐v―――――――――――――――――┘
   彡彡’ミ      ∧_∧
  ( ´_ゝ`)    (`    )
  (    つ   ( 通訳)

すると彼は・・・
―――――――┐
  こうやるの ?
―――‐v―――┘
   彡彡’ミ      ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ( ´_ゝ`)    (`    ) < そうそう!その両手を
  ( ー’゙ー)     ( 通訳)  | もう少し上に上げて。


-------------------------------------------------------
彼はその姿のまま、コック長の方へ向き頭を下げた。

                          (´⌒⌒`)
   彡彡ミ                 |____|
 (((   ´_ゝ∩                 Σ (・∀・ *)
  (      /                  (「: ̄ )

それを見ていた他の選手たちも彼にならい、手を顔の前で合わせた。

この時から、食事のたびに手を合わせる選手たち。


   イタダキマス  イタダキマス イタダキマス イタダキマス イタガキマス イタダキマス
   ∧_∧   ∧_∧   ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧ ∧_∧     ノ
  ( ´_ゝ人  ( ´_ゝ人  ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人  ( ´_ゝ人( ´_ゝ人   ノ
ー―――○――――――――――――――――――――――― ’"

-------------------------------------------------------
ー―――○――――――――――――――――――――――― ’"
      O      コック長は言った。
      。     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    (´⌒⌒`) .| 今の日本人でも『いただきます』を言
   |____| | え 無い奴が多いのに、外国の人にさ |  記者
   ( *・∀・) < れたら…無茶苦茶嬉しかったですよ。 | (´Д`;) ホゥホゥ
   ( |: ̄ )   \_________________/((φ_ノ)

-------------------------------------------------------
この最初に手を合わせた選手の名を・・・

        彡彡’ミ
       ( ´_ゝ`)
       (    )

 ヨン・ダール・トマソンといった。
  /FW。代表では9番。
  1976年8月29日生・182cm・74kg


 このトマソン選手。今大会、デンマークを決勝
トーナメントに進出させた立役者である。


 今大会前まで、オランダのフェイエノールト・ロッテルダム
に所属し(現在ACミラン在籍)、日本代表の小野選手とチームメイトで
あったため日本でもある程度名前を知られていた選手である。

 彼は少し神経質な面を持ちあわせており、実際酷評する向きもあるが、
非常に心優しい青年だ。


-------------------------------------------------------
あるサイン・握手会でのことである。

デンマークというチームは前述したように
練習を公開した。練習後は地元サッカー少年たちとミニサッカーを行い、
握手会、サイン会もたびたび行った。

あの日も、いつものごとくサイン・握手会が行われた。

気さくなデンマークの選手たちを和歌山県民も好きになった。
選手たちのサインを求め長蛇の列が出来上がっていた。
気軽にサインをするデンマーク選手たち。

                                   ∧_∧
  ∧_∧       ∧_∧    ∧_∧∧_∧      //(ハヽ∂∧∧
  ( ´_ゝ`)  ∧_∧’  ´、ゝ (・∀・ )∀`  ) /)/)(`∀´ハ|(゚Д゚,,)
  (っ_φ) ))(´ω`*)  づφとーと  )    )(´∀`)(     ) |  |)

-------------------------------------------------------
もちろんトマソンもその中にいた。
そのトマソンの前にある少年が立った。


  彡彡’ミ     ∧_∧
 ( ´_ゝ`)∧∧ ミ   彡
 (φ   (`*  ) (   )
 | | {{(  U)}} |  | |
 (__)__)し`J (__)__)

彼はトマソンの前に立ちつつも・・・少しモジモジしていた。

後ろに立っていた母親らしき人が彼を促す。
トマソンも通訳を通じ「どうしたの?」と彼に聞いた。

   ?
  彡彡’ミ     ,∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ´_ゝ`)∧∧ミ   彡 <  早くしなさい。
 (φ   (`*  と    )))   \______
  |   |  |と  ) |  | |
 (__)__)し`J (__)__)

-------------------------------------------------------

意を決した少年はポケットから一枚の紙切れを出し、
トマソン選手に渡した。


  彡彡’ミ     ,∧_∧
 ( ´_ゝ`)∧∧ミ   彡
 (φ   (`*  と    )))
  |サッ(( ーと  ) |  | |
 (__)__)し`J (__)__)

-------------------------------------------------------
 その紙切れには英語で・・・
 ┌――――――――――――――――――――――――――┐
 | ボクは小さいころに、病気にかかって               |
 | 口と耳が不自由です・・・耳は聞こえません、話せません・・・。
 | だけど サッカーだけは ずっと見てきました、 大好きです。   |
 | デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです。        |
 | 頑張ってください。                            |
 └――――――――‐‐┬――――――――――――――――┘
 記者 ∧_∧ 彡彡゙ミ |       ∧_∧    と書いてあった
(;´Д`)(;´д`)( ´_ゝ`) | ∧∧ ミ   彡   (英語の先生に
(  筆)(っ通訳)(_,つー←┘(`*  )(    )    書いて貰ったという)。

その手紙に通訳も・・・その場にいた記者も驚いた。
言葉が出なかった・・・。


-------------------------------------------------------
しかし、トマソン選手はニッコリと微笑み少年に
「それなら君は手話はできますか?」と・・・


  彡彡’ミ
 ( ´、ゝ`)       手 話 で 語りかけた。
(((_つ と)))      ~~~~~

      ∧_∧
   ∧_∧´д`彡  その『言葉』に驚く少年と母親。
   ( ゚д゚*)   )

再度聞くトマソン。

  彡彡’ミ
 ( ´、ゝ`)      「手話はわかりませんか?」
(((_つ と)))

-------------------------------------------------------
ミスタートマソン、手話は  |
言語と同じで 各国で   |
違うんですよ〔英語〕.    |
―――y―――――――┘
 記者 ∧_∧  彡彡’ミ        ∧_∧
(;´Д`)( ;´д`)Σ(´ γ⌒ヾ.
 ミ゚Д゚,,彡’(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )
-------------------------------------------------------
後ろで順番を待つ人たちは何も文句を言わなかった・・・一言も・・・。

  ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧   ∧,,∧  ∧ ∧ ノノハヾ、 ○ノハヾ○
 ( ´∀` )( ・∀・ ) (,゚Д゚,) ミ,゚Д゚,彡 (=゚ω゚=) ( ´D` ) ( ‘д‘ )

そして通訳を介し、少年とトマソンの『会話』が始まった。

 記者 ∧_∧ 彡彡’ミ       ∧_∧
(;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`)  ∧∧ミ   彡
(  筆)(っ通訳)(つ と) (`*  )(   )

       「( ´、ゝ`) 君はサッカーが好きですか?」

       「はい。大好きです。 (´д`*)」

       「( ´、ゝ`) そうですか。デンマークを応援してくださいね。」

       「はい。あの聞いていいですか? (´д`*)」

       「( ´、ゝ`) いいですよ。何でも聞いてください。」

       「トマソン選手はどうして手話ができるんですか?
        正直、ビックリしました。 (´д`*)」


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この少年の質問に彼は答える。

  彡彡’ミ   「ボクにも君と同じ試練を持っている姉がいます。
 ( ´、ゝ`)   その彼女のためにボクは手話を覚えたんですよ。」
 (_つ と)
                          ∧∧
その彼の言葉をじっくりと読む少年。 []、(´д`*)

そしてトマソンは少年に言った。

  彡彡’ミ   「君の試練は君にとって辛いことだと思いますが、
 ( ´、ゝ`)   君と同じように君の家族も、その試練を共有しています。
 (_つ と)    君は一人ぼっちじゃないという事を理解していますか?」

                             ∧∧
この言葉に黙ってうなずく少年。    (( (´д`*) コク!

         「わかっているなら、オーケー!
  彡彡’ミ    誰にも辛いことはあります。君にもボクにも
 ( ´、ゝ`)   そして君のお母さんにも辛いことはあるのです。
 (_つ と)    それを乗り越える勇気を持ってください。」

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そして、トマソンは最後に少年にこう言った

  彡彡’ミ    「ボクは今大会で1点は必ず獲ります。
 ( ´、ゝ`)    その姿を見て、君がこれからの人生を
 (_9   )    頑張れるようにボクは祈っておきます。」

この言葉に
            ∧∧
           (´∀`*) ニコ!

この少年は初めて笑顔を浮かべた。

            ∧∧   「はい!応援しますから、
           (´∀`*)   頑張ってください。」

そして、トマソン選手にサインをもらい、

彡彡’ミ
(  ´、ゝ ∧∧
(   づと(∀`*)、

少年と母親は、その場をあとにした。

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母親は目に涙を浮かべ、取材する記者に向かって

     ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 記者 ミ;´∀∩彡 < あんなことされたらデンマークを応援しないわけ
(;´Д`)(    )   | にはいかないですよ。日本と試合することになっても、
(φ筆) |||     ! 私らはデンマークを応援しますよ。

涙を流し、笑いながら言った・・・。

そして、このトマソン・・・少年との約束を守り、
試合での得点を決めた。

1点どころか、彼は4得点という大活躍だった。


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1次リーグ、フランスという前回覇者と同じA組だったデンマーク。
その試合会場が韓国であろうとも
彼ら和歌山県民は
応援に駆けつけた。


\ ガンガレー デンマーク!! ヾ ダニッシュダイナマイト!! ガンガレー !
                 ∧_∧  ∧_∧
  ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧Xノ ハヘ X //(ハヽ ∂ ∧∧   ∧∧ ,、__,、
ヾ (・∀・ ヾ(´∀` ヾ(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ|ヾ(゚Д゚,,)ヾ(゚ー゚*)(´∀` )
  (    )(     |  | (    )(∧_∧ ∧_∧ ● ●  (   )
  ∧,,∧  ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ.
 ミ゚Д゚,,彡’(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )

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オルセン監督は言った。
               / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ∧_∧   / 試合会場が韓国であっても、和歌山の応援
      (、´、ゝ`) <   はわかった。あれが我々の力になった。
      (     )   \____________________

結局デンマークは2勝1分け(勝ち点7)。
見事A組1位通過を決めたのである。


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そして、決勝トーナメント1回戦。
場所は新潟スタジアム・ビッグスワン、
対戦相手はあのベッカム率いるイングランドであった。

スタンドからは「ベッカム!!!!」という声が至るところから響いていた。

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ここでも和歌山県民はデンマークを応援し続けた。

♪♪ダニッシュダイナマイト ♪♪ベカ‐ム何する者ぞ ♪♪俄かEnglandファンを黙らせろ
    記者               記者             記者
    (;´Д`)ノ⌒ ))  (( ⌒ヾ(´Д`;)           (;´Д`)ノ⌒ ))
   ┌( 筆へ) ))      ((  (へ筆 )へ ))    ((  ┌( 筆へ) ))
 ((  く                 > ))       ((  く

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♪♪頼むぞデンマーク    ・・・アア・・・         ・・・もうだめぽ(前半で0-3)。
      記者           記者
(( ⌒ヾ(´Д`;)          (´Д`;)ゞ           記者
  ((  (へ筆 )へ ))      /( 筆 )          ヾ(´Д`;)、
        > ))      (  ハ              ノ Z乙

・・・和歌山県民の想いは通じなかった。
デンマークはイングランドに0−3という予想外のスコアで敗れてしまった。
その日、和歌山県にも雨が降ったという。
 涙雨だったのかもしれない・・・。


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負けはしたが、和歌山県民はデンマークというチームを誇りに思っていた。

「よく頑張った!」「後は快く母国に帰ってもらおう!」と
『デンマークお疲れさま!会』なるものが宿泊先のホテルで行われた。
会場にはあふれんばかりの県民が駆けつけた。

その催しにオルセン監督以下選手たちも全員出席した。
あのトマソンもその場にいた。

そこでトマソンは『あの少年』を見つけた。
例によってトマソンは少年に対し『紙』で語りかけた。


 記者 ∧_∧ 彡彡’ミ       ∧_∧
(;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`)  ∧∧ミ   彡
(  筆)(っ通訳)(つ と) (`*  )(   )

       「( ´、ゝ`) せっかく応援してくれたのに負けてゴメンね。」

       「お疲れ様でした。負けたけどカッコよかったです。
        それに約束どおり点を獲ってくれたからボクは
        嬉しかったです。 (´∀`*) 」

       「( ´、ゝ`) ありがとう。」


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そして、この少年にトマソンは言った

       「( ´、ゝ`) ボクから君に言える言葉はこれが最後です。
        よく聞いてください。」

       「はい。 (´∀`*)」

       「( ´、ゝ`) 君には前にも言ったとおり、試練が与えられている。
        それは神様が決めたことであり、今からは変えられない。
        ボクが言いたいことわかりますか?」

       「はい。 (´∀`*)」

       「( ´、ゝ`) 神様は君に試練を与えたけど、
        君にも必ずゴールを決めるチャンスをくれるはずです・・・。
        そのチャンスを君は逃さず、ちゃんとゴールを決めてください。」


少年はこの言葉に喜色満面の笑みを浮かべて

       ゙  ∧∧  "
      -  (´∀`*)  - 「はい。」
と答えた。

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そして2人は・・・
          「( ´、ゝ`)   「 (´∀`*)
           さようなら」   頑張って」
という言葉を
それぞれ残し別れを告げた。


最後に2人は仲良く写真におさまった。

 ┌――――――――――――┐
 |┌――――――――――┐|
 ||   彡彡’ミ         ||
 ||  ( ´、ゝ` ) ∧ ∧   ゙゙||飛びっきりの笑顔を浮かべ
 ||  (    )( ´∀` )゙  ||ファインダーにおさまる2人。
 ||  | | |(     )   ||
 ||  (__I__) し’’` J   ||
 |└――――――――――┘|
 └――――――――――――┘
この写真は少年の宝物になることだろう。

トマソンに出会ったことによって少年は『前へ進む』に違いない・・・。

小さな少年、心優しきトマソンに
これからも栄光あれ。。。
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