レンブラント・ファン・レイン
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Rembrandt (1606−69)
オランダ   バロック、17世紀オランダ絵画

ルーベンスが古典的で国際的な人間であったのとは対照的に、レンブラントは根っからのオランダ人であった。レンブラントの視線は、古代ではなく、自分自身へと注がれた。
50〜60枚に及ぶ自画像は、レンブラントの人生のあらゆる段階の感情を如実に示すものである。


レンブラントは粉屋の息子であった。中流階級の出身である。
そして中流階級が台頭してきた時代でもあった。
中流階級は肖像画や勤労生活の情景など、リアリズム的が絵画を好んだ。

レンブラントの絵の特徴は、ストーリー・テラー的な絵画である。
肖像画でさえ、何らかの「物語」的要素が入っている。

多くの肖像画の注文でお金を手にすることになるが、レンブラントの洞察は人間の内面に向けられ、かつその執念が強かったので、結局は、成功者という地位から引きずり降ろされていく。

レンブラント 音楽の寓意 |1626 |63,5 x 47,6 cm |アムステルダム国立美術館

レンブラント トビトとアンナ |1626 |39,5 x 30 cm |アムステルダム国立美術館

レンブラント】  バラムのロバ
1626   63 x 46,5 cm  コニャック=ジェ美術館  パリ
主題解説 ≪バラムのロバ≫ (民数期)

イスラエルの人々がヨルダン川の谷に到着した。これを見て恐れをなしたモアブの王バラクは、イスラエル人たちに呪いをかけるため、異邦人バラムを呼び寄せた。

バラムのロバが途中、突然に地に伏してしまう。バラムの目には見えなかったが、天使が道をふさいだのだった。

ロバは言葉を話す能力を授かり、バラムと口論する。そのときバラムの目が開かれた。抜き身の剣を持った天使を見たのだ。バラムは改心した。

このバラムの改心は、使徒トマスの前に現れたキリストの予型と見做され、宗教美術となっていった。

この主題はロマネスクやゴシック装飾に主としてみられる。


レンブラント 自画像 |1628 |22,6 x 18,7 cm |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  サムソンとデリラ
1628   61 x 50 cm   ベルリン国立美術館 
主題解説 ≪サムソンとデリラ≫ (旧約聖書)

ヨシュアの死後、イスラエルは部族を取りまとめる後継者がいなかった。世代が代わっていくごとに、神とともに闘った時代を忘れ、異教の神を崇拝するようになったりして、神を怒らせた。

神は制裁を加えるが、反省と信仰を取り戻すと、士師たち部族の救済者として送った。

サムソン
サムソンは士師記のヒーローである。驚くほどの力を持っていた暴れ者である。この時代、イスラエル人は神の制裁の下、ペリシテ人に支配されていた。

サムソンとライオン
サムソンは襲ってきたライオンを捕らえて、手で引き裂いた。その死骸に蜂が群がり蜜が溜まった。

サムソンを打ち負かそうとした敵は、デリラという美しい女性を彼に送った。彼女はサムソンの弱点を探し出した。それは、彼の髪であった。

サムソンが眠っているときに、彼女はサムソンの髪を切り、敵に渡した。敵は即座にサムソンの目をくり抜いた。しかし、サムソンの髪が伸びてくると力を取り戻し、仇を討った。

レンブラント】  アブラハムと3人の天使
1630年代後半くらいから1640年初頭くらい  121x162 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  預言者エレミア    
1630  Oil on panel 、58.3 x 46.6 cm  アムステルダム国立美術館
*預言者エレミア

四大預言者の一人。エルサレムが廃墟になる。バビロンの王に降伏するようにと預言した。王ゼデキアはエレミアを捕らえて殺そうとしたが、神がエレミアを助けた。

王ゼデキアは預言を聞き入れなかっので、エルサレムははバビロニアに滅ぼされ、ゼデキアはバビロニアの王ネブカドネツァルに捕らえられ、殺される。

絵画では、自分の預言を信じてもらえない、預言者の嘆きを描いている。

【レンブラント】  ラザロの蘇生          
1630   Oil on panel 、96.2 x 81.5 cm    Los Angeles County Museum of Art 、Bredius 538
*ラザロの蘇生
マリアとマルタの兄弟ラザロが、病気であった。姉妹たちはイエスのもとに人をやって、それを知らせた。イエスはマリア、マルタ、ラザロを愛していた。
イエスが行くと、四日前にラザロは亡くなっていた。イエスは涙を流し、どこに葬ったか訊ねた。
墓は洞穴で、石でふさがれていた。イエスはその石を取りのけるよう言った。マリアは「四日もたっていますから、もうにおいます。」と言った。イエスは、信じるなら神の栄光がみられる、と言った。
人々が石を取りのけると、イエスは天をあおいで言った。「父よ、わたしの願いをいつも聞いてくださることを、わたしは知っています。あなたがわたしの願いを聞き入れてくれるのは、周りの人々に信じさせるためです。」こう言ってから、「ラザロ、出てきなさい」と叫んだ。
するとラザロが、手と足を布で巻かれたまま出てきた。顔は覆いで包まれていた。イエスは周りの人々に「ほどいてやって、行かせなさい」と言った。
死から蘇ったラザロを見るため、大勢のユダヤ人が集まってきた。そして、イエスを信じるようになった。しかし、祭司長やファリサイ派の人々は、皆がイエスを信じるようになったら、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまう、と言ってイエスの暗殺計画を進めた。

レンブラント 女預言者アンナ |1631 |60 x 48 cm |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  アンドロメダ
1631 34 x 24 cm マウリッツハイス美術館 ハーグ オランダ

【レンブラント】  学者
1631  Oil on canvas  104.5 x 92 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  Portrait of Nicolaes Ruts
1631  Oil on panel  118.5 x 88.5 cm   The Frick Collection, New York

【レンブラント】  トゥルプ博士のの解剖学講義
1632  169.5 x 216.5 cm  マウリッツハイス美術館  ハーグ オランダ

【レンブラント】  哲学者の瞑想
1632  Oil on wood  28 x 34 cm  Musee du Louvre, Paris

【レンブラント】  東方三博士の礼拝  
1632 45x39 cm エルミタージュ美術館

【レンブラント】  キリスト昇架
1633  Oil on canvas  96.2 x 72.2 cm  アルテピナコテーク、ミュンヘン

レンブラント サスキア |1633 |65 x 48 cm |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  フローラに扮したサスキア
1634  125x101 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  十字架降下
1634  89,5 x 65 cm   アルテ・ピナコテーク  ミュンヘン
ゴルゴタの丘で磔刑を受け、息を引き取ったイエスの遺体を、十字架から降ろす場面である。

アリマタヤのヨセフが、総督ピラトからイエスの屍を引き取り、埋葬した。

イエスを取り巻いている人々は聖母マリヤ、アリマタヤのニコデモ、マグダラのマリヤ、ヨセフの母マリヤ、ガリラヤからイエスに従ってきた婦人たちなどである。

【レンブラント】  十字架降下
1634 Oil on canvas  158 x 117 cm  エルミタージュ美術館 サンクト・ペテルブルク  ロシア

【レンブラント】  聖トマスの懐疑
1634  53 x 51 cm  プーシキン美術館  モスクワ
主題解説 ≪聖トマスの懐疑≫

十二使徒の一人が聖トマス。

キリストが死後、弟子たちの前に現れてその傷痕を見せた時、その場にいなかった。
トマスは実際に見るまで信じなかった。

キリストはトマスと弟子たちの前に再び姿を現した。
ドマスに向かって、手を伸ばして、脇腹の傷に指を差し入れてみなさい、と言った。

絵画ではこの主題は一貫して人気があった。キリスト教義を強く印象ずける役割を成していた。


【レンブラント】  アルテミシア
1634  Oil on canvas  142 x 152 cm プラド美術館、マドリード
主題解説 ≪アルテミシア≫

小アジア、カリアの大守マウソロスの妻。
紀元前353年、夫の死後、ハリカルナッソスに夫を記念して巨大な記念碑を建てた。マウソレウム(霊廟)という言葉はここから来た。

アルテミシアは夫の遺灰を飲み物に混ぜて飲みほして、自らを生ける墓とした。

アルテミシアは亡き夫の記憶に身を捧げる寡婦を象徴する。


【レンブラント】  イサクの犠牲            
1634  Oil on canvas  158 x 117 cm  エルミタージュ美術館
*イサクの犠牲

砂漠の神は非情である。

神は、アブラハムの信仰を試すために、息子のイサクをモリヤの丘の岩で、焼いて神に捧げなさい、というのである。

ついにアブラハムは決心して、イサクを丘へ連れて行った。

アブラハムがイサクを小刀で殺そうとする、その瞬間に、天使が現れその手を止めた。

神は言った。「あなたが神を恐れる者であることが分かった」。

息子は救われた。


レンブラントが描いたアブラハムの手を見てもらいたい。
息子の顔を覆っている。
自分の息子を殺さなければいけない・・この苦しみがとても出ている。

比較としてカラヴァッジョの絵を見ていただきたい。
レンブラントの絵の深さ、ストーリー・テラーと言われる所以である。

【レンブラント】  オリエンタル風に装った男の肖像
1635  72x54.5cm  アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  聖パウロ
1635   135 x 111 cm   ウィーン美術史美術館

【レンブラント】  舅を脅かすサムソン
1635  159 x 131 cm   ベルリン国立美術館

【レンブラント】  居酒屋の放蕩息子(レンブラントとサスキア)
1635  Oil on canvas 161 x 131 cm  ドレスデン国立近代絵画館

【レンブラント】  ベルシャザルの酒宴
1635  Oil on canvas  167 x 209 cm  ロンドン・ナショナル・ギャラリー
*ベルシャザルの酒宴
ダニエル書より

ベルシャザルは、紀元前6世紀、バビロニア王の息子。
エルサレムのソロモン宮殿から盗んだ金銀の酒器で宴会をして、異教の神々に乾杯した。

突然、空中に指が現れ、壁に「メネ、メネ、テケル、ウパルシン」と書かれた。

預言者ダニエルが呼ばれ、この文字の意味を解く。
それは、バビロニア王国が没落して、王は死ぬ、という意味だった。

その夜、ベルシャザルは殺され、ペルシア人ダイオレスが王国を継ぐことになった。

この物語は、紀元前2世紀、ユダヤ人が迫害に苦しんでいたとき、彼らを鼓舞するために書かれたとされる。
ベルシャザルは異教の支持者、反キリストの代表者となっている。

【レンブラント】  目をつぶされるサムソン   
1636    Oil on canvas 206 x 276 cm  シュテーデル美術研究所 、フランクフルト、ドイツ
*サムソン

サムソンは士師記のヒーローである。驚くほどの力を持っていた暴れ者である。この時代、イスラエル人は神の制裁の下、ペリシテ人に支配されていた。

サムソンを打ち負かそうとした敵は、デリラという美しい女性を彼に送った。彼女はサムソンの弱点を探し出した。それは、彼の髪であった。

サムソンが眠っているときに、彼女はサムソンの髪を切り、敵に渡した。敵は即座にサムソンの目をくり抜いた。しかし、サムソンの髪が伸びてくると力を取り戻し、仇を討った。

【レンブラント】  ダナエ 
1636  185x202.5 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  ブドウ作りの譬え
1637 31x42 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  石橋のある風景画
1638  29,5x42.5cm   アムステルダム国立美術館

レンブラント】  トビアスやその家族と別れる天使
1637  Oil on wood  66 x 52 cm  ルーブル美術館
主題解説 ≪トビトとトビア(トビアス)≫旧約聖書外典トビト書

トビトは北イスラエルの王国がアッシリアに滅ぼされたとき、捕囚としてニネベに連れて行かれた一人であった。当時の捕囚は監視下という不自由はあれど、生活は普通にできた。

国王の命令を無視して、トビトは王に暗殺された仲間のユダヤ人たちを墓に葬った。この罪により、財産を全て没収されてしまった。

さらにある日、眠っているとすずめがトビトの目に下りてきて、トビトは目が見えなくなってしまった。

トビトの兄弟ラグエルの娘サラは悪魔に取りつかれ、彼女と結婚する男は次々と殺され、その数は七人にも及んだ。

神はこの不幸な家族を救うために、大天使ラファエルを送った。

ラファエルはトビトの息子トビアを連れ立ちラグエルの元へと旅に出た。

旅の途中、チグリス川で、巨大な魚に襲われた。大天使ラファエルはトビアに、その魚を捕まえて、内臓の胆嚢、心臓、肝臓を取るよう言った。

ラグエルのところに着いたとき、大天使ラファエルはトビアに悪魔につかれたサラを嫁にするよう言った。そうして結婚式に巨大な魚から取った肝臓を焼いた。その匂いで悪魔はサラから離れ出て行った。

彼らはトビトの待つ家に帰った。巨大魚の胆嚢で、トビトの目を治した。

【レンブラント】  ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)
1638  61 x 49,5 cm   バッキンガム宮王室コレクション  ロンドン
主題解説 ≪我に触れるな ノリ・メ・タンゲレ ≫ヨハネ 20

安息日が終わると、マグダラのマリヤ、ヤコブの母マリヤ、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。

そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。

彼女たちは、「誰が墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。

ところが、目を上げて見ると、石はすでにわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。

墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。

若者は言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを探しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。・・・」


復活したキリストは、墓の傍らで嘆き悲しむマグダラのマリアの前に現れ、こう言った。

「私に触らないようにように。私はまだ父の御許に上がっていないのだから」。キリストは、近づこうとするマリアから身をかわすようなしぐさをしている。


【レンブラント】  結婚式の客に謎を出すサムソン
1638  127 x 178 cm   ドレスデン国立絵画館 

レンブラント 少女と孔雀 |1639 |145 x 135,5 |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  自画像
1640 Oil on canvas  102 x 80 cm  ロンドン・ナショナル・ギャラリー

【レンブラント】  聖家族
1640  Oil on wood  41 x 34 cm  ルーブル美術館
主題解説  ≪聖家族≫


礼拝像である。キリストと母マリア、父ヨセフが登場する。他に、祖母アンナ、洗礼者ヨハネ、その母エリザベツが登場する。

15世紀に登場した主題。礼拝像として、あるいは、キリスト伝の始まりとして扱われた。

イエスの父親ヨセフに対する信仰が高まったのが、15世紀後半である。これは、家父長制が浸透していく過程でもある。人々の暮らしが楽になり、「家族」というものに意識が行き始め、さらに、父親の存在が意識され始めたこととに呼応する。

16世紀以降、イエズス会は、三位一体を構成する群像であるという考え方をとった。

時代が下るにつれて、背景は日常生活の場面へと移っていく。

【レンブラント】  メノー派牧師コルネリス・クラースゾーン・アンスロとある女性の肖像
1641 Oil on canvas  176 x 210 cm  ベルリン国立美術館

【レンブラント】  夜警
1642  Oil on canvas 363 x 437 cm   アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  ダヴィデとアブサロムの和解
1642  Oil on panel 73 x 61.5 cm   エルミターシュ美術館
主題解説 ≪ダヴィデとアブロサム≫ 「サムエル記下」

ダヴィデの息子アブサロムには、タマルという妹がいた。

ダヴィデのもう一人の息子アムノンは、母親の違っていた。アブサロム、タマルとアムノンは異母兄弟であった。

ある日、アブサロムの娘タマルが、アムノンに凌辱された。
王ダヴィデはアムノンを罰しなかった。それでアブサロムは密かに妹の復讐を決意したのだ。

アムノンを羊の毛刈りに招き、テントの中で酒盛りをしている最中にアムノンを殺させた。

王ダヴィデは息子アムノンの死を悲しんだ。アブサロムは別の部族のもとに身を寄せていたが、王ダヴィデはアブサロムも愛していたので、2人は和解した。



しかし、アブサロムは王位を奪うため、反乱軍を結集させたのだ。だがダヴィデ軍に捕まり殺された。なんとアブサロムは騾馬に乗って、樫の木の下を通った時、髪が枝にからまり、騾馬は去ってしまい、宙吊りになってしまったところを、ダヴィデの兵士に見つかり、その手にかかった、あっけない最後となってしまった。


【レンブラント】  キリストと姦淫の女
1644   83,8 x 65,4 cm   ロンドン・ナショナル・ギャラリー
主題解説 ≪姦淫の女≫ ヨハネ8

イエスは朝早く神殿に入ると、律法学者やファリサイ派の人々が、女を連れてやってきた。

姦通の現場で捕らえられた女である。

彼らはイエスに言った。「こういう女は石で打ち殺せと、モーセの律法にある。あなたはどう思うか。」

イエスは答えた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」

これを聞いたものは、一人また一人と立ち去り、女が残った。イエスは女に言った。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」


【レンブラント】  聖家族
1645 117x91 cm エルミタージュ美術館

【レンブラント】  ヨセフの夢
1645   20 x 27 cm   ベルリン国立美術館
主題解説 ≪ヨセフの夢≫  外典「ヤコブ福音書」

ヨセフは仕事場でしばしばうたた寝をすることがあった。ある日、ヨセフの夢枕に大天使ガブリエルが立った。マリアの懐妊に疑いを寄せていたヨセフの疑念を晴らすためであった。

レンブラント】  ヤギとトビトの妻
1645  20 x 27 cm   ベルリン国立美術館

【レンブラント】  羊飼いの礼拝
1646  97 x 71,5 cm  アルテ・ピナコテーク  ミュンヘン
主題解説 ≪羊飼いの礼拝≫  ルカ2

羊飼いが、群れの番をするのに、野宿していると、天使が現れた。

「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている赤ん坊を見つけるであろう。」と告げた。

羊飼いたちは、急いでベツレヘムに向かった。そこで、マリアとヨセフ、飼い葉桶に寝ている赤ん坊を探し当てた。

羊飼いたちは、天使の話した通りだったので、神をあがめ、賛美しながら帰った。

【レンブラント】  長老たちに脅かされるスザンナ
1647 Mahogany  76.6 x 92.7 cm  ベルリン国立美術館
主題解説 ≪スザンナの物語≫ 旧約聖書外典


美しい若妻スザンナが沐浴しているときに、長老二人が近寄り、言い寄った。

スザンナは拒絶した。

逆恨みした長老たちは、スザンナを姦通罪で訴えた。死刑になってしまう。

預言者ダニエルは二人の長老を尋問し、矛盾を暴き、スザンナの無実が実証された。二人の長老は死刑となった。

【レンブラント】  百グルテン版画 (病人を癒すキリスト)
1647-49  Etching and drypoint, 1st state  27.8 x 38.8 cm  アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  エマオの晩餐
1648   68 x 65 cm   ルーヴル美術館  パリ
主題解説 ≪エマオの晩餐、エマオのキリスト≫ ルカ24

復活したキリストがエルサレム近郊のエマオの町で、二人の弟子の前に姿を現した場面。

巡礼者は二人の弟子である。エルサレムからエマオの町へ向う途中である。

復活したキリストが彼らと共に歩き、会話の内容を尋ねた。二人はその男がキリストだとは、知らない。彼らは、ナザレのイエスが死んだこと、そのイエスの墓が空になっていたことなどを話した。

二人はキリストを夕食に招待した。男はパンを手に取り、祝福を与え、それを裂いて、彼らに渡したとき、二人は男がキリストだと気づく。

その瞬間、キリストは消え去った。二人は急いでエルサレムへ引き返し、キリストの復活を他の使徒たちに伝えた。


【レンブラント】  ヨセフの夢
1650-55    105 x 83 cm   ブタペスト美術館

レンブラント】  黄金の兜の男
1650  Oil on canvas  67 x 50 cm  ベルリン国立美術館

【レンブラント】  風車
1650   Oil on canvas 87.5 x 105.5 cm   National Gallery of Art, Washington

【レンブラント】  ホメロスの胸像を見つめるアリストテレス
1653  Oil on canvas  143.5 x 136.5 cm  メトロポリタン美術館、ニューヨーク

【レンブラント】  バテシバ       主題解説:聖書の物語へ行く
1654  Oil on canvas   142 x 142 cm  ルーブル美術館
*バテシバ

賢王ダビデのただ一つの罪の話である。

ダビデは多くの妻をめとった。その中にバテシバがいる。

バテシバは人妻であった。ダビデはたまたま彼女の入浴を見て、一目ぼれしてしまった。

ダビデは彼女の夫を殺し、バテシバを妻にした。神の怒りにふれたダビデは、息子を次々と失った。

しかし、バテシバとの間に生まれた第ニ子ソロモンは王の後を継いだ

【レンブラント】  水浴するヘンドリッキュ
1654  Oil on panel  61.8 x 47 cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー

【レンブラント】  ヤン・シックス (レンブラントの友人で、詩人、アムステルダム市長)
1654  Oil on canvas  112 x 102 cm  シックス・コレクション 、アムステルダム

【レンブラント】  ポテパルの妻から訴えられるヨセフ            主題解説:聖書の物語へ行く
1655  Oil on canvas   106 x 98 cm   ワシントン・ナショナル・ギャラリー
『ヨセフを告発するポテパルの妻』は旧約聖書の創世記に出てくる物語の一場面である。ヨセフの物語はとても長いので、かいつまんで話すと、こうである。

エジプトの軍隊長で、年がかなり上のポテパルと、その若い妻、そしてハンサムなユダヤ人の奴隷、ヨセフ。年若い妻がヨセフを誘惑するが、ヨセフはそれを拒否する。怒った若妻が逆にヨセフを訴えるのである。ちょうどこの絵の場面である。

絵を見ただけで、この3人の関係がよく分かるし、性格まで分かってしまう。そこがレンブラントのすごいところである

中央の若い女性の顔は、とてもずるそう、悪賢そうである。表情に悪意がにじみ出ている。
しかし、彼女の指を見てもらいたい。ヨセフを指さしてはいない。おそるおそるヨセフの赤い上着を指さしている。
明らかに彼女は動揺している。
若い男に拒否されたという動揺と、自分の人生そのものに対する動揺。

右側に立っているのは夫であるポテパルである。若妻からの訴えに動揺している。ヨセフの外衣に目がいく。妻を信じていない夫。

左側で静かに立っているヨセフは、どんなことがあろうとも、言い訳をしない。神を信じ、すべてを任せている。

ヨセフはポテパルが彼女の芝居を無視できないことも理解している。犠牲者として、この状況を静かに受け入れている。

【レンブラント】  サウルとダビデ
1655-60    130,5 x 164 cm   マウリッツハイス美術館  ハーグ オランダ
主題解説 ≪サウルとダヴィデ≫ サムエル記


イスラエルの最初の王。
ダビデはユダヤ人の家系、羊飼いであった。

預言者サムエルは、主に選ばれし者の印にダビデに香油を塗った。

その時の王はサウルであったが、主の恵みを断たれ、心が乱れ、悪霊に苦しめられていた。

王サウルの心を慰めるために竪琴の名手ダビデが雇われた

【レンブラント】  ヨセフの息子を祝福するヤコブ
1656  173 x 209 cm   カッセル州立美術館

【レンブラント】  デイマン博士の解剖学講義
1656 100 x 134 cm  アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  自画像
1658  Oil on canvas  133.7 x 103.8 cm  Bredius 50  フリック・コレクション、ニューヨーク

【レンブラント】  サマリアの女
1659   48 x 41 cm   ベルリン国立美術館

【レンブラント】  キリストとサマリアの女
1659  60x75 cm エルミタージュ美術館

レンブラント 修道士に扮するティトゥス |1660 |79,5 x 67,5 cm |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  イーゼルの前の自画像
1660  Oil on canvas  111 x 90 cm  ルーブル美術館

【レンブラント】  ダチョウの羽の扇を持つ女性の肖像
1660  Oil on canvas 99.5 x 82.5 cm  ワシントン・ナショナル・ギャラリー
レンブラントは肖像を描いただけだろうか?

この女性の物悲しい雰囲気と、なにか秘かな小さな楽しみを待っているような表情。
思わず、彼女の人となりに繋がる物語を探したくなる。

【レンブラント】  聖ペテロの否認
1660   154 x 169 cm  アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  聖マタイと天使
1661   96 x 81 cm   ルーヴル美術館
主題解説 ≪聖マタイ≫

使徒の一人。
カペナウムの取税人だった。収税所で座っているところをキリストに召されて、従った。
福音書記者として描かれる場合の聖マタイの持ち物は、天使のような有翼の人物である。「黙示録の生き物」の一つである。

マタイがその人物から口述筆記する姿が絵画に描かれていることも多い。

レンブラント  自画像 |1661 |91 x 77 cm |アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  自画像
1661 Oil on canvas  114 x 94 cm  English Heritage, Kenwood House, London

【レンブラント】  織物商組合の見本調査官たち
1662  Oil on canvas  191.5 x 279 cm  アムステルダム国立美術館

【レンブラント】  放蕩息子の帰還
1662  Oil on canvas  262 x 206 cm  エルミタージュ美術館

【レンブラント】  ユダヤの花嫁
1666  Oil on canvas  アムステルダム国立美術館
衣装の豪華さ、美しさにもかかわらず、雰囲気や感情の純粋さがとても伝わる絵画である。

妻の胸にかかる鎖に、大切そうに手を添える夫。鎖はつなぐものである。

夫の表情は優しく、決して男の勝利を漂わせているわけではない。
にもかかわらず、女性は少し不安そうである。なぜか?
愛の姿に不安になっているのである。

「愛する」「愛される」、「受け取る」「与える」こういったことの責任を推し量っている。

彼女の手がお腹に触れている。結婚の最終的な責任は子供を持つこと。

愛はつなぐもの。愛は重いのである。

こういった深い真理をレンブラントの洞察力は見逃さない。

【レンブラント】  自画像
1669  Oil on canvas  86 x 70.5 cm  ロンドン・ナショナル・ギャラリー

【レンブラント】  キリストの割礼
1669  98 x 79 cm   ストックホルム国立美術館

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