ヨアヒム・パティニール
 Joachim Patinir ( 1480-1525)
フランドル   フランドル絵画

パティニールは、ゴシックとルネサンスをつなぐ橋渡し的な役割を担う画家の一人である。

ヤン・ホッサールトが北方と南方(イタリア)をつないだのと同様、パティニールは過去と未来を結んでいった。
ゴシック的な空想世界、たとえば、神の手の中にある球体である世界、といった中世の世界観をを持った作品を描いた。
しかしながら、、実際の風景の中で起こっているような空間の扱い方など作品は逸品である。
デューラーの影響、ボシュの影響、あるいは中世の装飾写本の影も見える。

ステュクス川を渡るカロン
pa01.jpg (36628 バイト) Oil on panel, 64 x 103 cm
プラド美術館、マドリード、スペイン

神話画『ステュクス川を渡るカロン』は、地獄を戦争として描いている。

ステュルス川とは、ギリシャ神話であるが、「三途の川」のことである。カロンはそこで死者を渡す渡し守である。愛想は悪いし、渡し賃は銀貨一枚。

古代ギリシャで、死者の舌の下に銀貨を入れたのは、このステュクス川(三途の川)を渡るためである。
料金を払えない者は100年間、この川岸を彷徨わなくてはならない。死者はそうしてやっと、タルタロス(黄泉の国)へ行けるのである。

生きた人間は絶対に渡さない。タルタロス(黄泉の国)の支配者ハデスがそれを許さなかったからである。しかし、三人だけ、この渡しを生きて渡った人間がいた。オルペウス、ヘラクレス、オデュッセウスである。

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