アート at ドリアン   絵画の主題      ギリシャ神話解説
パンドラ
パンドラが箱を開けると、あらゆる人間の災いが飛び出した。痛風、リュウマチなどの病、貧困、嫉妬、怨恨、復讐などである。あわてて蓋を閉めると、「前兆」だけが中に閉じ込められたままであった。
もし、この「前兆」が外に飛び出していたら、人間はその生涯に起こる不幸をすべて、正確に知ることとなる。そうなると人間はどうなってしまうのか。
希望を抱くことができなくなり、生きていられなくなる。人間は災いから生き残っていくことは可能であるが、希望なしに生きることはできない。(この「前兆」は、文献によって、ときに「希望」となっている。)
パンドラは最初の人間の女性で、その名前の意味は「すべてを与えられた」である。その名の通り、神々から贈り物をもらって創られた女性なのである。
アテナは知恵を、アプロディーテは美しい肉体を、アポロンは美しい歌声を与えた。そしてヘルメスは美しい彫刻を施した金の箱を与え、決して開けてはいけないと言った。そのあと、ヘルメスは彼女に「好奇心」を与えた。
実はこれは、プロメテウスが人間に火を与えたので、人間が神に近づこうとしているのを見たゼウスがたくらんだのである。人間の誇りを制圧する計画なのである。
パンドラは好奇心を与えられたので、金の箱の中を見たくなり、ついに開けてしまったのである。「前兆」までもが残らず、外に飛び出ていたら、人間は希望を失い、滅びていたことだろう。

クーザン
エヴァ・プリマ・パンドラ  1550

ロセッティ
1879

ウォーターハウス
1896


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