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西洋美術史 年表 
サンドロ・ボッティチェリ
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(1445-1510)
イタリア  初期ルネサンス、フレンツェ派
ロレンツォ・デ・メディチの時代を代表する画家。

それまで、あまり知られていなかったボッティチェリを発見したのは、19世紀、イギリスのラファエル前派のメンバーである。

金細工師のところで徒弟生活を送り、後にフラ・フィリッポ・リッピの弟子となった。

1481-82年にローマに行き、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂のフレスコ画を描いた以外は、生涯フレンツェで過ごした。

マザッチョの後に続くフィレンツェ美術の代表的な画家である。しかし、マザッチョの正確な遠近法などは無視した、新しい輪郭、外形、細やかな姿、さざなみのような曲がりくねったラインはボッティチェリ特有のものである。


Madonna and Child with an Angel
1465-67  Tempera on panel, 87 x 60 cm  Spedale degli Innocenti, Florence

聖母子と天使
1466  テンペラ 、110x70p  アジャクシオ(コルス島)、フェシェ美術館

聖母子(バラ園の聖母)
1469-70 Tempera on panel, 124 x 65 cm  ウフィツィ美術館

剛毅(フォルテッツィア)
1470 , Tempera on panel、167 x 87 cm  ウフィツィ美術館

東方三博士の礼拝
1470-75  Tempera on panel, 直径 131,5 cm  ロンドン・ナショナル・ギャラリー

東方三博士の礼拝      
1475頃、Tempera on panel、111 x 134 cm , フィレンツェ ウフィツィ美術館 Uffizi, Florence

聖セバスティアヌス
1474  Tempera on panel, 195 x 75 cm  ベルリン国立美術館

春(プリマベーラ)
1477-78    315 x 205 cm    フィレンツェ ウフィツィ美術館
ボッティチェリの『春』は、テーマは「愛」である。

中央に、位置を高くして君臨しているのは、愛の女神ヴィーナス(アプロディテ)である。

『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスと比べると、衣装を身に着け、慎み深い姿である。このヴィーナスは理想的な「人間性」のシンボルである、という説もある。

20世紀に生きる我々は、容易に理解できるかもしれない。
どんなに科学が発展しても、遺伝子を操作できようとも、宇宙へ行けようとも、その高度な技術を繰るのは人間である。

その人間に「愛」がなければ、どんなに優れた技術であろうとも、悪魔の道具と化してしまう。20世紀の戦いの歴史の中で、我々が学んだことではないか。

ボッティチェリの描く、この優しげではかないヴィーナスほど、広い意味での「愛」を表現しているものはないかもしれない。


この寓意画には、ギリシャ神話の神々が登場している。

右端には西風のゼフュロスがいる。頬をふくらませ、青い顔をして、西風を吹かせ、春を運ぶ神である。

ゼフュロスが抱きつこうとしているのはニンフのクロリスである。ゼフュロスはクロリスに恋してしまったのである。二人は結婚する。

クロリスの口元から、花があふれ出てきている。クロリスは、ゼフュロスの手が触れると、フローラという花の女神に変身する。

フローラへの変身の途中である。そして、クロリスの左隣には、変身し終わった女神フローラが、今にも足を踏み出そうとしている。

ゼフュロスはフローラに花園を与える。「春」の到来である。

左側の三人の女性は「三美神」である。左の女神は「愛欲」、中央は「純潔」、右が「愛」の女神である。

左の「愛欲」と中央の「純潔」は、互いに見つめあい、対立しあっている。右の「愛」が二人の仲を取り持っているのである。

「愛欲」と「純潔」のあい反する性質を、「愛」で統一しているのである。

キューピッド(エロス)は目隠しをしているが、狙いを定めている場所は、「純潔」の頭上である。この目隠しが、愛の不確かさや、愛の負の部分を暗示している。



左端には神の使いであるマーキュリー(ヘルメス)がいる。右端のゼフュロスが暖かな愛の風を吹かし、神の世界に春をもたらすのに対し、マーキュリーがいることで人間と神の間に道を作ってくれて、人間界にも春の訪れを告げてくれる。

ヘルメスは上を向いて、頭上の霧を杖で払っている。理性の神でもあるヘルメスは、霊魂を曇らせる情念の闇を取り払っている、とも考えられる。

作品の題名は『春』であるが、内容は「愛の賛歌」的である。

聖アウグスティヌス    主題解説:聖書の物語へ行く
1480  Fresco (transferred to canvas)  185 x 123 cm  オニサンティ聖堂 フィレンツェ
主題解説 ≪聖アウグスティヌス≫

354-430  キリスト教の聖人。神学者。ラテン教会四教父の一人。タガステ(北アフリカ)の生まれ。アンプロシウスの導きによりミラノでキリスト教に改宗。

395年、ヒッポ ( ヒッポレギウス  古代 Numidia の都市。今のアルジェリアの Annaba に隣接した位置 )に赴任し、そこで司教を務める。430年に亡くなった。

主著は 『神の国』 『告白』 などがある。神学者と印刷業の守護聖人。

絵画では、子供や天使と共に描かれたりする。15世紀からは、持ち物は燃える心臓。司教服、司教冠、司教杖を身につける。

ヴァティカン宮システィナ礼拝堂 
聖シクストゥス2世像
1481  Fresco, 210 x 80 cm

モーセの試練  (モーセ伝より)  
1481-82  Fresco, 348,5 x 558 cm  ヴァティカン宮システィナ礼拝堂

パラスとケンタウロス
1482 Tempera on canvas, 205 x 147,5 cm ウィフィッツィ美術館

マニフィカトの聖母
1483-85頃、Tempera on panel、diameter 118 cm ウフィツィ美術館
マニフィカトとは「マリア頌歌」(マリアを讃える賛美歌)を意味する。
本が開かれているが、これにその文字が見える。

二人の羽のない天使が、聖母に冠をかぶせている。これは天の女王を意味する。
冠には無数の星が散りばめてある。これは「明けの明星」を意味している。
j明けの明星(金星)は、マリア頌歌の中で、天上のマリアを示すものである。

天使たちはインク瓶を持ってる。赤ん坊のイエスに促され、マリアはマニフィカトの最後の言葉を書こうとしている。

聖母と赤ん坊のイエスは、ざくろを持っている。ざくろはキリストの受難を意味する。

ヴィーナスとマルス        主題解説:ギリシャ神話へ行く
1483, Egg tempera and oil on popla、69 x 173.5 cm , ロンドン・ナショナル・ギャラリー

ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 (第1〜第4の挿話)  (典拠・デカメロン)

第1の挿話

1483
Tempera on panel, 83 x 138 cm
プラド美術館 マドリード スペイン
第2の挿話


1483
Tempera on panel, 82 x 138 cm
プラド美術館 マドリード スペイン
第3の挿話

c. 1483
Tempera on panel, 83 x 142 cm
プラド美術館 マドリード スペイン
第4の挿話


c. 1483
Tempera on panel, 83 x 142 cm
Private collection

レンミ荘の壁画  (1873年、レンミ荘(フィレンツエ郊外)から発見された壁画。)
三美神を伴うヴィーナスから贈り物を授かる若い婦人 
1484  Fresco transferred to canvas, 211 x 284 cm  ルーヴル美術館
学芸たちの集いに導かれる青年
1484  Fresco transferred to canvas, 238 x 284 cm   ルーヴル美術館

ヴィーナスの誕生 
1485-86 Tempera on canvas, 172.5 x 278.5 cm, フィレンツェ ウフィツィ美術館
ルネサンス期、イタリア人をとらえたのは、古代ギリシャ・ローマの栄光であり、その神話であった。

イタリア人たちは、古代ギリシャ・ローマの神話の中に、何か深い、神秘的な真実があると信じた。

海から現れるというヴィーナスの物語は、美の神聖なシンボルとなったのである。

彼の描くヴィーナスは、首が長かったり、肩が極端に落ちていたり、左腕が不自然だったりと、マザッチョが到達した正確さに欠ける。

しかし、全体では全く不自然さを感じさせない。それほど美しい絵なのである。

ボッティチェリが大切にしたかったのは、写実的な、科学的な正確さではなく、どこまでも優美で繊細な愛の女神である。それは科学とは対立する、自然の姿なのである。


『ビーナスの誕生』は、天の国から「愛」という贈り物を持ってきたヴィーナスが、我々の国の岸辺へと漂い着いた姿なのである。



以下は登場する神々である。

ヴィーナスは貝に乗って、バラの花に囲まれている風の神ゼフュロスとクロリスが、岸辺へと運んでいる。

岸へ上がろうとするヴィーナスに、妖精が彼女に赤いローブを渡している。

左端にいるのは、西風の神ゼピュロスとニンフのクロリスである。西風は強く息を吹き、クロリスは柔らかなため息で、ヴィーナスを岸辺へと運ぶ。

右端は果樹園のある岸辺である。ギリシャの理想郷ヘスペリデス、黄金のりんごの園である。そこでは4人の姉妹がいて、この果樹園を守っている。

ニンフはギリシャ神話では、ヴィーナスに仕える三人のホーラーたち(季節と盛衰と秩序の女神)の一人で、季節の女神である。

彼女の華やかなドレスと、ヴィーナスに差し出しているローブには、ヒナギク、桜草、ヤグルマギクなど、「誕生」の主題にふさわしい、春の花が刺繍されている。

季節の女神が付けている花輪は、ヴィーナスの聖木である青みがかった暗い緑の天人花である。腰に巻いているピンクのバラは、ボッティチェリのもうひとつの代表作『春』に出てくるフローラのようでもある。

ざくろの聖母
1487   Tempera on panel, diameter 直径 143,5 cm  フィレンツェ、ウフィツィ美術館
   
ざくろは「キリストの復活」の象徴とされる。古代ギリシャ・ローマでは、プロセルピナ(春の女神)と結びつけられた。世に春をもたらし、大地を復活させる女神である。これが「復活」と結びついたのであろう。

多くの種子を持ち、硬い皮に包まれていることから、権威の下での人々の結束の象徴でもあり、純潔の象徴ともされた。

ちなみにこの時代の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459−1519)は、柘榴を紋章としている。

別の解釈もある。
「キリストの受難」を象徴し、多くの種子はキリストの苦悩を表している。
幼子のキリストは、手を上げて、祝福を与えている。
聖母マリアの表情は、いかにも物悲しい。「神の子」キリストが、将来受けるであろう苦しみを知っているかのようである。

天使たちはマリアの純潔の象徴であるゆりや薔薇を持っている。
ロザリオは15世紀に、祈りのときに使用するようになり、広まった。

左下方の天使の両肩からかかっているレースには、AVE GRAZIA PLENA (気品に満ちているアベマリア)と書かれている。

数年前に描かれた「マニフィカットの聖母」と比較して、天使たちを両側に対象に置き、均衡を持たせている。

受胎告知     主題解説:聖書の物語へ行く
1489 , Tempera on panel、150 x 156 cm , ウフィツィ美術館

誹謗(ひぼう)
1494-1495. Tempera on panel. ウフィツィ美術館
    
紀元前4世紀、ギリシャの画家アペレスが描いた『誹謗』を、ボッティチェリが復元したもの。

無実の罪で、王の前に引きずり出される若者。彼を引きずっているのは、「誹謗」、「悪意」、「欺瞞」の擬人像である。

左側の老婆は「悔恨」の擬人像。「悔恨」は左側の裸体の女性を振り返って見ている。

その左の、裸体の女性は「真理」の擬人像である。裸体であるのは、「真理」は、なにものにも覆われない、ことを意味している。

天を指差しているのは、「真理」が天の裁きを指し示しているのである。

神秘の降誕   主題解説;聖書の物語へ行く
1500 , Tempera on canvas、108.5 x 75 cm , ロンドン・ナショナル・ギャラリー
ボッティチェリ最後の作品。画面上端にギリシャ語で謎めいた銘文が書き込まれている。「私アレッサンドロは、この絵を1500年の末、イタリア混乱の時代、一つの時代と半分の時代の後、すなわち聖ヨハネの第11章でいわれる悪魔が3年半のあいだ解き放たれるという黙示録の第2の災いの時に描いた。やがて悪魔は、第12章に述べられているように鎖につながれ、この絵におけるように[地に落とされる]のを見るであろう。
 (西洋絵画作品名辞典 より)

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