タシュ・ハウリ宮殿の壁面タイル装飾、ウズベキスタン、ヒヴァ、1830-38
19世紀の中央アジア、ヒヴァ・ハーン国の王、アラクリ・ハーンによって建てられた
宮殿のハーレムには、青を基調としたみごとなタイル貼りの壁面が連なっている。
偶像崇拝を禁じたイスラーム建築には 生き物の姿が描かれず、壁面を装飾するには
幾何学紋や植物紋の連続パターンをもってした。 ここではアール・ヌヴォの先駆の
ような蔓草模様をあらかじめ描いて焼いた、大型のタイル板を貼りあわせている。
ヨーロッパ人はこうした装飾パターンを、アラブ風という意味で「アラベスク」と呼んだ。