『約束の色』


少し髪を切ったね
毛先が軽いよ
会いたくなったらいつでも
遊びにおいで

むせかえる夏草の香り
大きな麦わら帽子の
黄色いリボン

いつの約束だったっけ
もう忘れたね
柱時計に乗せられて
年老いてしまったから

善いことも悪いことも
記憶は全部
流れて行ったから
戦争と一緒に

眠らない休まない強靭な兵士

自意識を抜かれた脳は活動をやめ
鍛え上げられた肉体は活動をやめ
いまこときれる最期の時に

灰色のひとみが憶えていた
大きな麦わら帽子の
うしろに下がった
黄色いリボン


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