BLまんがを知るまでは、ボーイズラブといったら、リアルな男性同士のゲイの絡みというイメージが先行して、あまり良い印象を持っていませんでした。
決してゲイに対して偏見を持っているわけではないのですが、私は女性でゲイではなくノーマルなので、どうしても同性同士の恋愛というのは抵抗を感じます。
そんな私がBLまんがを読んだのは、電子コミックの無料の立ち読みがきっかけでした。単純に少女コミックと間違えて読んでしまったのですが、率直な感想はBLまんがは私が想像していたよりも別世界という感じのものではなく、違和感なしで入っていける普通の恋愛モノのコミックでした。
どちらかというと、恋愛対象が同性というだけで、普通の少女コミックに近い感じ。とはいっても、やはり異なるジャンルのためか、少女コミックや女性コミックにはない雰囲気があります。
恋愛ものではありがちなHなシーンも多く登場しますが、男同士の絡みは好まない私でも、登場人物は美形そろいのメンツばかりなので、そのせいなのか違和感なく見られます。そのためあまり生々しい感じがしないところが私にはちょうどいいのかもしれません。
私がこのBLというジャンルを好きになったきっかけは友人から借りたまんがでした。かれこれ15年位前になりますが、当時耽美の世界はとてつもなく刺激的で一気に傾倒しました
大人になっても相変わらず隠れた趣味として様々なジャンルのBLまんがを読みふけっています。
このジャンルの魅力のひとつとして多彩で多様な趣向がいえると思います。現代に密着するような話からファンタジー、時代物、ポップな作品からダーティとも言えるジャンルなどとにかく様々です。あぶれてしまうジャンルはないのではと思わせるほど多いのがとても魅力だと思います。
絵も作品も少女まんがほどキラキラしてなくて、青年漫画ほど地に足つき過ぎていないなど、読み手、書き手の趣向の違いや、多さが魅力を引き立てるような気がします。
もうひとつあげるとすると男同士というファンタジーの中で味わう友情と愛情と多少の後ろめたさではないでしょうか。男女の恋愛では中々味わえない友情を愛情と紙一重で表現するというのは魅力のひとつだと思います。あとはやはり耽美という世界の何ともいえない美しさではないでしょうか。
男同士との恋愛と友情。何だかいけない世界を覗いているような少しの後ろめたさと怖いもの見たさが入り混じって美しい男同士が愛し合う、そこに一番の魅力があると思います。
高校生になるまで、私はBLというジャンルを知りませんでした。だからもちろんそういうジャンルのまんがや小説があることも知りませんでした。初めてそういったものがあるのを知ったのは高校1年の時です。
友達が貸し借りをしていたのがBLまんがだったのです。たまたま目に入ったその本は何やら普通の少女漫画や少年漫画とは異なる感じでした。興味本位でどんな本なのかと聞いたのが始まりです。友達に借りて読んだあの日がいまだに忘れられません。
パラパラと開いただけで驚き、家に持って帰るのをためらったほどです。
もちろん、家では誰にも見つからないようにこっそり読みました。バレたらどうしようというドキドキと、BL独特の過激な描写やセリフのドキドキで、私はその日なかなか眠れませんでした。
そしてその日を境に私はどっぷりBLの世界にハマッてしまったのです。
BLにはBL独特の世界観があり、少女漫画では考えられないような非現実的なストーリーもたくさんあります。でもBLはそこがいいんです。
ちょっとした刺激が欲しい、現実から少し離れたい、そう思った時に読むとなんだか癒されます。そして読むたび、初めて読んだあの日を思い出すのです。