強化タイロッド

強化タイロッドを作成した。タイロッドホルダーがあるのに何故? と思う人も多いと思うが、実はタイロッドが弱いことが発覚した当初は強化タイロッドを作成することを考えていた。しかし、技術的に難しい部分が多くコスト的にも相当高いものになるのは容易に想像できたので、知り合いのネジ屋に技術的に可能かどうかとコスト見合いを相談した程度でそのままとなっていた。結果、強化品を作るより補強しよう話になってタイロッドホルダーができたワケだが、ちょうど端材があったのか工場が暇になったのか、今頃になって何本か試作が上がってきた。
本来はメーカーでタイロッドのシャフトだけの部品を出してくれれば良いのだが、アッシーとなってボールジョイントも付いてきてしまう。(たぶん部品としてはボールジョイントのコストが殆どだろう) タイロッドは消耗品的な感があるし、これが折れると走行不能にななってしまうため、IFS車でのクロカン時にはスペアの携帯は必須だ。(場所も取らないし) 但し、強度が無いと意味がないので早速強度テストをしてみることにした。
●仕様
一応、注文時には「ノーマルよりも強度があって、粘りも同等以上の物」ということで注文した。当然、サイズはノーマルと同等なので、材質をより高級なものにする必要がある。ノーマル品の材質が分からないので、ノーマル品を試験機にかけてもらい、上記条件をクリアする材質で作成してもらった。また、仕上げも錆びるとネジが渋くなるので、最高級のメッキにしてもらった。
流石プロの職人。仕上げは最高。(超高級、硬質クロムメッキ)
ネジの左右の長さが違うのは試作品のため。
試験の結果、ノーマル品はS20C(機械構造用炭素鋼)と思われる。強化品はSCM435(クロムモリブデン鋼)で作成した。
材自体の強度は約2倍。
●強度テスト
さて、強度テストの方だが、専用の試験機があるハズも無いので、プレスで圧力をかけて曲がり具合と戻り具合を見ることにする。
まず、ノーマル品。かけた圧力は1トン。曲がりは6mm。圧力を抜くと3mm戻った。
 
次に強化品。同じ1トンをかけて曲がりは4mm。圧力を抜くと2mm戻った。強度的には50%UPってところか。戻り具合は同率(曲がりに対し50%)なので、粘りも良い。

さて、どの程度の圧力まで耐えられるのか? 更に圧力をかけてみた。
ノーマルの方は1トン以上かけると、どんどん曲がってしまう。1トンが限界のようだ。
強化品の方は1.5トンまで耐えられた。

ところで、この強化タイロッド。TRACの方はタイロッドホルダーがあるし、それ程売れるような部品でもないので、希望者がまとまったら作成ってパターンか。1本単価は作る量によるのだろうが、たぶん3500円位かなぁ。ま、欲しい人はBBSに書き込むかメールでも入れてくれ。
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