TERA LOW その2

一応それなりに機能はしているものの、Lレンジに固定できないという問題が発生してしまったTERA
LOW。今回は、その対策編。
さて、シフトがLレンジに固定できない原因はこれ。製品に付いてきたHLシフトロッドである。
UBS69ATノーマル
TERA LOW
当研究所対策品
裏返してみると…。そう、ロッドを止めるボールの入る凹みの位置が違〜う! どうやら、UBS73用ではなくて、UBS55/69系のものが入ってきてしまったようだ。(^^;;)

実は、これには組んだ際に既に気が付いていたのだが、『噛み合わせが良くなるようになってるんじゃん!』とか言う噂もあって、気にも止めず組んでしまったぁ〜!

で、どう対処するかよ〜く考えた。
一番簡単なのは、TERA LOWに付いてきた物にベルトサンダーで凹みを作る方法。これだと直ぐに対処可能だが、UBS73系以前のものは凹みと凹みの間の山が面取りしてあるためシフト感覚がカチッとしなくなるし抜け易くなると思われる。因みに、UBS73の山は節度あるシフト感覚を得られるように(たぶん)山の角度が二段階になっている。
そこで考えたのが、最初に溶接を盛って山を作った後にフライスで凹みを作る方法。これだと比較的簡単にできるのでローコストではあるが熱による歪みが発生する可能性がある。また、TERA
LOWとノーマルをよ〜く比較するとTELA LOWの方が材質が軟らかいし(加工コストをケチったのかな? ボールが当たって減り易いじゃん!)、穴の加工方法もTERA
LOWは単にドリルを横に当てて削っただけだが、ノーマルはちゃんとフライスで取っている(単なる半円形ではな〜い!)。
ここは、頻繁に開ける所でもないので(やろ〜と思えばできるけど、やりたくない!)ちゃんとした対策を打ちたい。と言うことで、ノーマルをベースにギアの歯を逃げる面取り加工を行い、熱による歪みを避けるためシフトフォークが刺さるブロックをボルト+ナットで補強することにした。
対策部の拡大写真。TELA LOWはデカイドリルで一気に削ったためか端の方は焼きが入っている…。(アメリカン・クォリティーだ!) ついでに面取りの角度もズレていたので修正してみた。

以上、文章で書くと簡単だが、補正する角度を正確に出す必要があるしNCで削るので図面を起こすハメになった。図面はこれ。因みに、今回の加工でロッドの端と端で100分の3mm反った。ま、これ位なら全く問題ないだろう。
早速、組み込みを行う。本日は、おっさんのUCSもTERA
LOWを組み込むので2台同時の作業になった。

今回はHLシフトロッドの交換だけなので、トランスファをの載せたまま作業することにした。

トランスファ・ケースのボルトを緩めると、トランスファを割ることができる。

ギアとご対面!

スプリング・ピンを抜いてHLシフトロッドを引き抜く…。と、思ったが、TERA
LOWはロッドとブロックが一体物なのでロッドだけ抜けな〜い!

で、よ〜く考えたが、やはりカウンタギアを外さないとHLシフトロッドは抜けないようなので、トランスファを降ろした方が作業性が良さそうだ。

後は前回同様の手順でHLシフトロッドを組み替える。

交換後は、ちゃんど動作確認を行うベシ! う〜ん、エエ感じや〜!

さて、TERA LOWの効果だが、はっきり言って素晴らしい! の一言。
参考までに、これがアイドリングの早さ(RealMedia File
- 292KB)
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