レーダー探知機

 さて、前回のレポートでカーステとHLCを取り付けたが、「付けました」で終わってしまったので、今回はそのフォローも踏まえ続きの「レーダー探知機」についてレポートする。


● その後

 カーステの方はその後の進捗なし。何せ外は熱く、とても人の活動する温度ではない。体温より高い日もあって、これでは熱射病になってしまう。例のリモコンは思った以上に使い易く、スピーカーの方もフルレンジとトゥイーターのバランスもまずまずで、とりあえずはGood! Good!。ただし、出来ればもう少し定位を上にあげた方がいいみたいだ。
 このスピーカー・セットは、ネットワークが熱収縮チューブで保護されているので正確なスペックは分からないが、やはりクロスオーバーは低めにとっているようだ。これなら、トゥイーターの位置と向きを調整するだけで何とかなりそうだ。現在はインパネとドアにちょうど良い隙間があったのでそこにセットしたが、Aピラーにセットするか、同じ物をオーバーヘッドにセットしてパラレルに接続するか、はたまたフロントガラスで反射させるか、何とか方法はありそう。

 ここでの注意点としては、高音は指向性が強いので出来るだけ耳の高さに、人の方を向けてセットした方が良い。できれば、左右の位置や距離も合わせられればベストだ。車の場合、回りには薄いプラスチックや鉄板が多いので位置(向き)が悪いと共振した反射波が音を濁す。ま、リヤスピーカー、ウーファーの製作と併せて涼しくなったらやることにしよう。
 HLCの方についてもちょっと補足。HLCは減光の機能が前面に出てしまうが、本来は突入電流の防止が目的の製品。電球やモーターは定格の何倍もの突入電流が発生するので、ハイワッテージのバルブなどは著しく製品寿命を縮める(ノーマルバルブの場合は費用対効果はあまりないようだ)。今まで使ってきた感じでは、100Wのバルブで2倍とまではいかないがそれ近く長持ちするようになった。


● レーダー探知機

 さて本題のレーダー探知機の方だが、以前使っていた物は車上荒らしにあって盗まれてしまった。数ある探知機の中でも高価な部類の製品で性能もまずまず。マイコン内蔵で誤動作もほとんどなく、なかなか実用的だった。新しいのを買うのも高いので(安物はダメ。使い物にならない)そのままにしていたら、今年の1月仕事の帰りにねずみ取りに引っかかってしまった。

 場所は125号線。広い4車線道路でな〜んにもない道。ましてや深夜。FMからは「じぇっとすとり〜む・・・」と、例の調子で条 達也が眠りを誘っていた。
 家路を急ぐ。と、前方で何か赤い物がチラチラ。 ・・・32キロオーバー、一発免停、罰金6万円。財布の中身はカラになった。買っときゃ良かった! 6万円あったら一番高いのを買ってもお釣りがくる。湯麺だったら171杯食べられる。一年分の湯麺代だ!
 しかし、人間、誰にでも間違いはある。失敗を糧にしてより大きくなる事が大事だ。
「レーダー探知機を買おう!」
 おっと! チッ!チッ!チッ! ここでいきなりオートバックスに走るのは素人のあかさかさ・・・? 浅はかさ? 対策を打つには敵をよく知る必要がある。ここはひとつ、最新状況を調査する事にしよう。


 ● 追尾方式

 白バイやパトカーで対象車両を追尾し速度をスピードメータで計測する方式。当然、レーダー探知機では分からないので注意するしかない。最近はパトカーにレーダーシステムを搭載している物もあるが、見かける事はほとんどない。


 ● 光電管・赤外線方式

 道路の一定区間にセンサーを設置し、車がセンサーを横切った始点と終点の時間から速度を算出方式。通常、K察官がセンサーを設置し、センサー、計測、違反車の誘導、反則切符係りなどに人を配置するため大人数で取り締まりが行なわれる。センサーは赤外線や光電管、ループワイヤー等なのでレーダーでの検出は不可。
 連絡用のK察無線をワッチして知る方法もあるが(実際そう言う製品が売られている)、ほとんどがデジタルに移行しているんじゃないかなぁ? 2車線以上の道路の場合単独で先頭に出なければ、測定区間内に複数台の車が入るので車が特定できない。最近はセンサーの間隔を短くする傾向にあるそうだ。


 ● レーダー方式

 光電管の替わりに三脚の上にアンテナを設置し、アンテナから車に向けて電波を発射し、車からの反射波と自分が発射した電波の周波数の差を元に速度を計算する方式。車からの反射波はドップラ効果によって、速度に比例して周波数が高い方にシフトする。救急車のサイレンでお馴染みだ。よく見かけるタイプ。
 使用する電波は10.525MHzと24.2GHz。俗にXバンド、Kバンドと呼ばれている。こいつはレーダー探知機で察知することができる。但し、自動ドアなども同じ周波数を使用しているので誤動作する場合も多い。レーダー探知機がポピュラーになったせいか、最近はステルスタイプも登場した。こいつも基本的な原理は一緒だが、待機時は電波の放射回路をOFFにしておき、狙いをつけた車が来たら放射回路をONにし計測する。常時電波を流していないためレーダー探知機で事前に察知しにくい。


 ● オービス(ループコイル)方式

 みなさんお馴染みの道路脇や中央分離帯に設置されている無人取り締まり装置。古くからあるタイプで、地面に3つのループ状のコイルを埋め込み、このコイルの上を通過したときの速度を計測する方式。計測結果は写真として残される。
 無人取り締まり装置のことを一般的に「オービス」と呼ばれているが、これは、1976年に輸入されたループコイル式の無人カメラ「オービスII」からきているらしい。センサーを地面に埋め込むため、北国や年中道路をほじくり返している所には使われないようだ。作動速度は過去の判例から、制限速度+30Km/h以上らしい。
 事前に察知する事は難しい。撮られた写真に顔が写っていなければ呼び出しが来ないという噂もあるが、いちいちナンバーを外し、覆面をして運転するってワケにもいかない。以前、取り締まりに腹を立てて、ナンバーを隠し覆面をして何回もオービスの前を行ったり来たりした人がいるが、結局、車種から特定されしっかり捕まってしまった。・・・K察も意地になるんだねぇ。
 大型車なんかだと運転席が切れてしまって大丈夫らしい。オービスのフラッシュに反応して逆にフラッシュをたいてナンバーを隠す装置が売られていたが、販売業者が捕まったのは記憶に新しい。売ること自体は問題ないが、それが使用された時点で犯人隠匿のほう助になるとか。


 ● オービス(レーダー)方式

 上記オービスをレーダー式にしたもの。これも街中や高速でよく見かける。常時電波が出ているのでレーダー探知機で察知することができる。ちなみに、首都高のオービスは、ほとんどがループコイル式。そう言えば、センサーの埋め込まれているところに、短い白線や小さな目印のプレートが打ってある。メンテナンスや工事用かなぁ?


 ● 半固定レーダー方式

 ワンボックスの後ろにレーダー式取り締まり装置を積み、路肩に駐車して速度を計測する方式。「密着、K察24時・・・」などのテレビの特版でよく出てくるヤツ。ワンボックスのガラスにはスモークが貼ってあるので外から見えない。計測結果は高感度カメラ(CCD?)とビデオプリンター記録される。(フィルム切れがない!) 
 首都高の走り屋くんにはオービスの位置が既に知れ渡ってしまっているのでよく出没するようだ。当然むこうもバカじゃないから(かもしれないが)ストレートじゃ見つかっちゃうので高速コーナーの立ち上がりなどが狙われ易いと思う。


 ● Hシステム

wpe6.jpg (5559 バイト)

 最近よく見かけるようになったタイプ。計測方式は不明。誰か知っていたら教えてください。
 外観に特徴があって、中央に白い四角いアンテナがあり両側にCCDカメラと赤外線ストロボがついている。装置が大がかりなため、道路の上に大きな支柱が建っているので昼間だったら直ぐに分かる。通常、こいつのの前に「スピード落とせ」の電光掲示版があり、警告を無視して走ると計測・撮影される。
 カメラは高感度のCCDカメラ(だと思う)。撮影した映像はデジタル回線を使ってセンターに送られる。当然、オービスのようにフォルム切れはないから限りなく撮影可能。レーダー探知機には反応するが、幾分反応が鈍いようである。但し、Hシステム対応型じゃないと反応しないらしい。


● 対策

 一番確実なのは飛ばさないこと(あたり前か)。それ以外では、ナンバーを見えなくすること。最近は後ろも撮影される事があるらしいので、前と後ろを見えなくすればカンペキだ! それにバカボンパパのお面をつければ怖いものなし! ・・・もう少し前向きに考えよう。
 赤外線吸収シートをナンバーに貼ったらダメかなぁ? 今度実験してみよう。やはり、現実的なところを考えるとレーダー探知機だ! レーダー探知機もメーカー数こそ少ないものの、機種が数多くあってどれが良いか判断に迷う。

 レーダー探知機は大きく分けてハードロジックタイプとマイコン制御タイプに分けられると思う。ハードロジックタイプは電気回路が組まれていて、レーダー波の検出 → アラームの鳴動を機械的に行う。価格は安いが自動ドアの判断やステルス波の判断がつかないため誤動作が多い。
 マイコン制御タイプはレーダー波の検出やアラームの鳴動といった回路が各機能毎に組まれており、入力波の判断(本物かどうか)やアラームの鳴動タイミングをソフトで制御する。価格は高いがソフトで制御しているためきめ細かい制御ができ誤動作が比較的少ない。ちなみに、ボクが最初に買ったのは2万5千円くらいのハードロジックタイプ。受信性能はまあまあだったがコンビニの自動ドアなどの誤動作でうるく実用的ではなかった。この前盗まれたヤツは4万円くらいのマイコン制御タイプ。電界強度の立ち上がり方(だと思う)で本物かどうかを判断しているため、コンビニの前を通ってもあまり鳴らない。(無条件でアラームを遅らせている製品もあるので要注意) LSCも付いていてなかなか実用的だった。メーカーはサンヨーテクニカだったかな?

 ここで、LSCの話が出たのでちょっと触れておこう。LSCとは車のオルタネータノイズや車速パルスを検出して、設定値以下であればアラームを鳴らさないようにする機能。Low Speed Cancelerの略(だと思う)。オールタネータノイズを拾って動作するタイプが多いが、この場合、エンジン回転数と車速は一致しないのであくまでも補足的な機能。コンビニの前で止まった時などはすごく役に立つ。ちなみに、ボクのレーダー探知機を盗んでいったヤツはLSCユニットを忘れて(知らなかった?)いったので、使用することはできないだろう。最近になって、車速センサのパルスで動作する製品も出てきた。


● 当研究所のオススメ

 ハッキリ言って好みの問題だろう。デザイン重視か機能重視か、どこにポイントを置くかだ。
 現在カーショップで店頭に売られている製品は、Kバンド、Xバンド、ステルス、Hシステムなど、基本的な機能はカバーしている(ディスカウン
トショップはかなり注意が必要だよ)。ボクが選んだのは、実用性重視でセルスターのALPHA955XK。価格は1万5千円前後(だったと思う)。
 主な機能は、Xバンド、Kバンド、ステルス、Hシステム対応。プリセット式の車速パルスSLC、アラームのオートミュート機能など。受信感度はノーマルL → ノーマルH → スーパー → ウルトラ → エクストラの5段階。車速によって自動的に変えてくれる。マイコン制御タイプだ。
 車速パルスに対応した製品は、未だ、ほとんど出ていない。技術的に誤動作は避けられないから、車速パルス対応SLCは基本機能だとおもうんだけどねぇ。価格が安いのがちょっと気になるが、最近は高いレーダー探知機が店頭から姿を消した。普及した結果コストダウンが可能になったのか、単に高いのは売れないから作らないのか???。よく見ると中身はほとんど一緒で型番や値段が違うようなものもあるので要注意!


● 取り付け

 取り付けの方だが特に難しい所はない。シガーソケットからの電源はダサイので、インパネを外しアクセサリ電源からギボシ端子を分岐させ屋根の裏側を通し、ルームミラーの上にセットした。車速パルスの取り出しは、前回HLCを取り付けたときに取り出した信号線に接続する。こいつはエレクトロ・タップでOKだ。
 エレクトロ・タップを使う場合の注意点としては、線の太さによって専用のタップが用意されているので正しいサイズの物を使用すること。でないと、接触不良が起こる。また、車速パルスの様にいくつかの線を取り出す場合、車両の信号線に何本ものエレクトロ・タップを割り込ませるのではなく、車両の信号線から1本だけ分岐させ、そこに各装置のエレクトロ・タップを接続する。こうする事により、接触不良や誤動作が発生した場合のトラブル・シューティングがやり易くなる。


● インプレッション

 さて、一番気になる性能だが全体的には、まずまずといったところ。コンビニの誤動作は避けられないが、車速センサ式SLCのおかげで普通に街中を走っている分には、LEDの点灯だけで警告音はほとんどしない。ボクの場合、設定値は60Km/hとした。60Km/hと言うことは、30km/h道路で55Km/hで走っていたら25Km/hオーバーで捕まってしまうが、そういったケースはほとんど無いだろう。
 ちょっと気になる点としては、ステルス対応のためか受信したらとりあえす警告音が出ること(当然、60Km/h以上で走っていた場合場合だよ)。盗まれたヤツは一応、自動ドアかどうか判別していたのになぁ。ステルスかどうかの判断は???。電界強度の上がり方を判断するのかな? ステルスと判断された場合にはステルス用の警告音が鳴動する。
 次に実際のオービスでのテスト。国道122号線、浦和ICから岩槻IC方面下りにあるHシステム。以前N山氏が捕まったところ。SLCを55Km/hに設定し浦和IC横をパス。車速は65km/h。受信感度はノーマルからスパーへ。約800m手前で警告音発生。更にもう一ヶ所。国道17号線大宮市下りにあるレーダー。受信感度はスーパー。約900m手前で警告音発生。まずまずのレベルだ。


 以上色々書いてきたが、本文中「…だろう」という表現が多いのは情報不足のため。レーダー式取り締まり装置のメーカーは三菱電機と松下電器が有名だが、スペックはともかくカタログや技術的な資料なんて一般には出してくれるのかなぁ? 何れにせよ、こういった関係の話はいつの時代も「…らしい」なんだけどね。


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