新研究サンプル UBS69

だいぶ暖かくなってオフロード日和になりましたネ。この研究も早いもので○回・・・。あっ、そういえば連載回数を数えてない! まっ、とりあえず色々書いて来ましたが、「チューニング」というよりは、「トラブル&DIY教室」という雰囲気になってしまいました。ま、身近にある材料(車)が古いんで仕方ないんだけど。
さて、そんな訳で(どんな訳だ!)、縁あってNEWビッグホーンを購入しました。グレードはイルムシャーのロング。NEWといってもH4年登録の中古車ですが、ちょっと事故っていたのを数十万程かけて復活! 走行距離も30,000Kmに達しておらず、TODやシフトオンザフライ等に興味のない私にとっては、はっきり言って新車と同じ! そのせいかカーステも付いていない・・・。当分は、こいつに手がかかりそうです。そこで今月は、「もうそろそろモデルチェンジかもしれないけど、私のNEWビッグホーン・インプレッション」について書いてみましょう。
●掘っ建て小屋から建て売り住宅へ
さて、あまり興味がなかったので今まで気にしていなかったが自分で乗ることになり改めてよく見てみると、やっぱり「デカイ!」。デザインの善し悪しは好き嫌いがあるのでここでは触れないが(ひねくれ者はここで「古い方が良かった」などと言う)、すぐ気が付くのはドアやガラスの立て付けがしっかりした事だろう。
以前の55の場合、スキーに行くとドアから隙間風がピュ〜ピュ〜入るうえ、空調は熱っいか寒いかで調節がきかず、涙橋の下の丹下段平の掘っ建て小屋状態であった。しかし、69になってからはそれもなくなり「う〜ん、快適!」。内装や快適装備も充実して一気にリッチになった気分! ま、これが世間では普通なのだろうから、やっと建て売りにランクアップしたというところか?
●馬から驢馬(ロバ)へ
本題の走りであるが、はっきり言って遅い! こいつを引き上げに行く時に嫁さんの運転する55に着いていったのだが、信号などのスタートでぜ〜んぜん着いていけない。こっちはガバッとアクセルを踏むんだけど、エンジンくんは「今やってます! 今やってます!」という感じでダラダラと加速していく。車重が重いのか、エンジンが直噴じゃなくなったのが悪いのか、スピードが乗ってくればそこそこ走るが出足はかなり悪い。
「誰か後ろで引っ張ってるんじゃね〜の?」って感じ!(おぉ、夜は怖くて後ろが見れない) 思わず当時のカタログを確認してしまったが、スペック上は10馬力は上がっている(トルクはもっと改善されている)。もしかして、馬力ではなくて驢馬力の間違いではないだろうか?
●これは猿用か?
もう一つ気になった点は、シフトが遠いいという事。と、言うよりも運転姿勢が変だ! そう、シートの座面が高いのだ! その為に全体的に不自然なドライビング・ポジションになっている。
そもそも、このシートがイカサマ臭い。ベースは確かにレカロっぽいのだが、座面のウレタンや生地は「これ、ホンモノ?」という感じ! 開発段階で気にならなかったのだろうか? まさかチンパンくんやオランウータンくんがテストした訳じゃあるまいし・・・。(チンパンくんがヘルメット被ってテストコース走っていたら、ちょっと怖いよね) 後日、電子制御の69に乗ったらちょっと改善されていた。
●やっぱりイスズ
確かに、内装や快適装備などかなり良くなったのだが、ライトやワイパーのスイッチ回りが全く改善されていない。55の時は、バスの様な引くタイプのスイッチで(当時、気の利いたバスは既にこんなスイッチは使っていなかった)、これは使いにくかった。信号待ちなどで、うまく力加減しないとスモールまで消えちゃって、あわてて戻すと、またヘッドライトが点いちゃったりして・・・。
69になってからは、ひねるタイプのスイッチになりメーターパネルの右側に変更された。左側にはワイパーのスイッチが。操作の度にスイッチを探さなくてはならない。55の時は使いにくいのでHLC(停車すると自動的に減光するヤツ。永井電子の製品名)を使っていたが、今回も必要になりそうだ。早速、NOWに注文した。余計な出費だ。この辺がやっぱりイスズ。因みに、これも最近のモデルでは改善されていた。
●脚周りは進化
さて、脚周りについてはかなり進化した。荒れた路面での挙動やジャンプした時の収まりなどレスポンスが早くなった感じだ。脚も長くなった様で(未だオフロードで比べた訳じゃない)、会社に行く時に、55で80Km/hでジャンプしていた所が100Km/hでジャンプできるようになった。(因みに、ジムニーは100Km/h以上でもOKね) これは、画期的だ!
後ろ脚のアバレも良く押さえられている。トレーリングアームも長く取られていて、4リンクだしサス・ストロークをかなり意識した設計だ。最近は乗用車化が進む4×4だが、こういった所がイスズらしい・・・。こいつは期待できそうだ。内装はかなり良くなったが重量がそれ程増えていないところを考えるとフレームの強度がチト気になる。ブレーキも人並みに効くようになった。
●標準装備変更?
このモデルから、水漏れオイル漏れは標準装備じゃなくなったようだ。「ようだ」と付けたのは、未だ自分で確認していないため。この確認には時間がかかる。みんなの意見を総称すると標準装備じゃなくなった。
●エンジンは???
ところで、エンジン周りは色々変わった。一番の変更点は直噴式から渦流室式に変わった点だ。この件については排ガスの規制の絡みがあるので何とも言えないが、ボクは55を買う時、アクセルにリニアに反応するエンジンと燃費の良さ、丈夫なフレームが気に入って買った。69になってひじょぉぉぉ〜に残念だ(これが唯一、55から69に乗り換える気にならなかった点)。VehiCROSSもエンジンがなかなか良さそうなので買おうかな〜? なんて思っていたんだけど、ATしかないんだよね。なに考えてんだろう? 話を元に戻そう。
他には、オイル量が増た。オイルクーラーの容量も倍ぐらいにアップした。タービンも風量が増えて、この辺は後々期待ができる。
●ビックラホ〜ン
ところで69のフレームって、55に比べて弱く(薄く?)なってませんか? リヤ側のメンバーには、ピントルフッックを付ける穴が空いてるんだけど、実際にピントルを付けてしゃくったりするとフレームが曲がっちゃうんだよね。これにはビックリ! 55の時には、ロープが切れることはあっても、フレームは何ともなかった・・・。これじゃあ使いものにならないっていうんで、サポート隊長はバンパーを自作した。(これが、事故ったら「フレームはいっちゃってもバンパーは何ともない」と言うぐらい丈夫なバンパーで、後日紹介しますね)
えっ! 55はどうしたかって? ありますよ、当然。55は嫁さんが仕事で使う傍ら月まで走ってます。69は私の通勤用&今後の研究のネタ用です。
さて、この69、カーステも入れなきゃいけないし、オートハブをマニュアルに交換しなくちゃいけないし、HLCも必要。それとマフラー、エアクリーナー変えて、ブースと上げて、燃料いじって・・・。そうそう、車高も通勤仕様で行くか、3インチぐらい上げてオフロード・・・。なんて考えていた矢先、前回の実験でイギリス研究室のはるぶー氏がタイロッドを折ってしまった。
これが不思議な事に、そんなにきついステージじゃないし無理して走った訳でもない。車高もそんなに上がっている訳じゃないし、ちょっと様子見でトライして、タイヤが空転して前後にゆすったら、いとも簡単に折れてしまった。「え〜っ! こんなんで折れるの〜!!」って感じ。たぶん私だけじゃなく、その場にいたみんなも同感だろう。聞くところによると、当研究所の隊長は既に10本も折っているらしい。そしてオフロードに行くときには、予備のタイロッド2本とプーラー、油圧ジャッキに大きな敷き板と工具一式を常備している。その甲斐?あってか、交換の早いこと、早いこと。あっという間に直してしまった。
さてこの事件、69でオフロード・・・。と考えていた私には、ちょっとショックだった! だって、遅い! 重い! 燃費は悪い! おまけにオフは走れない! じゃ、ほとんど良いとこないもの。55ではこんな事はなかった。しかしよく考えてみると、ホックル氏がロータスに乗っていた時は結構元気に走っていた。ときどき空も飛んでいたし。車重? 足が長くなったせい? もしかしてコストダウンで部品の強度が落ちた? 全く謎である。何れにせよ、何か対策をしないと安心してオフロードに行けない。ま、そんな訳で69はとりあえず通勤専用に決定! 例によって、ちょこまかいじって「月まで走る通勤快速」仕様かな。
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