マフラー改造


 今回は予定通りマフラー編。マフラーと言っても各メーカーから色々出ているのでどれにするか迷うが、ボクの好みとしてはそこそこ抜けが良ければサウンドの方は多少ウルサくてもOK! ステンにしても速くなるワケではないので材質にはあまり拘らない。既に他の研究員が付けているのを参考にしたり、オートテック晴海店に行ったりしつつ、アレコレ考えてみる。(当然、独断と偏見でね)



● 検討

 マフラーと言えば、まず最初に頭に浮かぶのはJASMA(確かこんなスペルだったよね?)。マフラー・メーカーの業界団体らしいが、ハッキリ言ってど〜でも良い。そもそも、触媒の位置をや取り回しを大幅に変えなければ車検には(当然、音の大きさも引っかかるが)全く関係ないから、規制緩和前の産物。ボクの会社の連中もJASMのマフラを付けている(当然、乗用車)ヤツが多いが、一般ユーザーを対象としているせいか全体的に大人し目。とりあえず「コレを買っておけば当たり外れがない」って感じかな。最近は、ノーマルより音がちょっとだけウルサく出口だけが太いものが流行っている様子。途中のパイプはノーマルより一回り太い程度。
 市販されているマフラーを見ると、真ん中から後ろを交換するタイプと、フロントパイプから全てを交換するタイプに分けられる。当然、価格的には真ん中から交換するタイプの方が安いが、性能的にはフロントパイプから交換するタイプの方が良いと思う。ガソリン車の場合は触媒がネックになるだろうし、69の場合、マフラーの真ん中に排ガスを絞る暖気バルブが入っているので、できればフロントパイプから交換したい。
 フロントパイプから交換するタイプはフジツボ(漢字で書くと冨士壺?)から出ている。隊長が付けているので見せてもらう。パイプの太さは60φ。サウンドはまあまあ。丁寧な作りだ。材質は鉄で、実売価格は8万円前後だろうか。流石、マフラーの老舗メーカー、なかなかお買い得な製品だ。が、しかし、よく見るとノーマルの暖気バルブが付いていて、その為にそこの所が絞り込んである。「オ〜! マイ、ガッ!」。いくらJASMAだからって、そりゃ〜ないぜ、おっかさん! 一応、第一候補に入れとこう。隊長、こいつは外しましょう! 気持ちイ〜ですぜ! 真ん中から交換するタイプは、HKSを初め各メーカーから色々出ている。性能云々より、殆ど好みの問題だろう。興味がないのでパス。

 さて、ちょっと異色なのがNOWのマフラー。メガホンタイプで太鼓がない。バイクの4ストのマフラーと同じ造りだ。太鼓が無く抜けしか考えてないところが「気持ちイ〜!」。価格もお手頃。が、しかし、ボクの69は初期型なので付かない・・・。「Sまさん、何とかしてちょ〜だい!」「大体、同じイスズ車なのに○×△□☆@・・・」と騒いでもど〜にもなるハズもなく、 「ダハハハ… 最〜高だね!」 ・・・ごまかされてしまった。
 残る手だてとしては自作、マフラー自体は大した構造じゃないので自作は可能。最近は通販でパイプや太鼓、フランジ等の部品も売られている。業者によっては、曲げ角度等もオーダーできる。HKSからもこれらパーツが販売されているので、NOWでHKSのパーツカタログを取り寄せてもらい、試算&検討を繰り返し以下のスペックとなった。


● Specifications

 フロントパイプは自作。真ん中から後ろはNOWの「気持ちイ〜!」マフラー。当然太鼓はない。暖気バルブも取っぱらう。69の場合、フロントパイプとタービンの間に短いパイプがあるが、スペースが狭いのとオフロードではエンジンがかなり動くので、こいつはノーマルのまま。HKSの長谷川氏の本によると、フロントパイプはあまり太くしすぎても効果がないとの事。RB26DETTでも60φ程度だ。
 ポイントとしては、マフラー全体の太さを均一にし、できるだけRを大きく蛇腹の内径もパイプと同じ太さにする。フロントパイプの太さはタービンのエクステンションパイプの太さで決まる。エクステンションも独立ボートにすると良いそうだが、工作が難しいので今回はパス。で、結局、メインパイプの太さは60φ。通販モノとHKSモノの造りを比較し、HKSの方が造りが良さそうなのでこれをチョイス。おっと長くなってしまった。後は写真を見てくれ。


● 製作

 フロントパイプの部品一式。


 10mm以上はあろうか、分厚いフランジを見てくれ。これがHKSだ。パイプを注文する時には予め型紙を作って取り回しを考えること。当然、組む時にも型紙を使うとミスが少ない。素人はテクがない分手間をかける。


 現物合わせで仮止めしながら点付けしていく。オフロードでエンジンが動く事を考慮し、特に曲がりの角度に注意しながら付ける。作業はエンジン側から進め、真ん中から後ろはNOWのマフラーなのでフランジを借り止めしストレートの部分で調節。


 仮止めで問題なければ本溶接する。本当はTIG溶接あたりが良いんだろうがMIGしかないのでこれで付ける。


 シルバーの耐熱塗料を塗って完成。


 ここでちょっと問題発生。NOWのマフラーはフランジが薄く、熱による歪みとパイプの末端処理がイマイチで排気漏れする。付いていたボルトもサイズが小さすぎるためトルクがかけられない。バーナーでの修正にかなりの時間を要してしまった。Sま氏、次回は改善しましょう。


 NOWのマフラーと組み合わせると、こんな感じ。お〜! Good! Good!


 フロント周りの取り回し。


 拡大したところ。


 当然、クロスメンバーから下に出ないように出来るだけ上に取り回す。



● 試走

 さて、早速試走してみる。サウンドの方はちょっとウルサ目。抜けが良くなりターボが速く立ち上がるようになった分、下からの加速感は良くなった。なかなか「気持ちイ〜!」 ちょっと期待できそうなので、ついでにボンプに細工。ブルブースト時の燃料のリミッター(正式名称は知らない)を外し、キノコを仮止め。

 「ブオォ〜ン!」 「ブオォ〜ン!」

 なかなかいい感じだ。再度、試走だ。

 「ブオォォォ〜ン!」

 「ブオォォォ〜ン!」

 「ブオォォォ〜ン!」

 ・・・これはおいしい。69のエンジンは40Km/h〜80Km/h位まではそこそこ加速するが、それ以上は全然回らず、スキー等の高速クルージング&長距離はちょっと辛かった。今回のセッティングでは80Km/h以上も十分加速してくれる。空気量が増えたせいか(燃料は上しか増えていない)フル加速でも煙が全く出ない。電子制御エンジンの新車時の様だ。おいしいセッティングだ。
 但し、音は更にウルサくなった。ちょうどFC3S等の走り屋クン仕様の様だ。ディーゼルなのに不思議だ。なかなか「イ〜感じ!」のサウンドだ。(55の時はデロデロいっていて大型車の様だったが・・・) 時間が無くてデータ等は取らなかったが、Boostは0.5kg/cm2アップ。排気温の上がりも速くなり、温度自体も100℃前後上がった。


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