ナックルOH

JA11のナックルからグリスが滲んできた。リジット車の場合、IFS車に比べ丈夫でシンプルと言われるが部品点数自体はむしろリジット車の方が多く、こういったトラブルの修理は面倒な位だ。で、しばらくは騙し騙し使っていたが、グリスが漏れだしたので、ナックルをOHすることにした。
右側のホイル。何やら黒い液体が飛び散っている。そう、デフオイルだ。
ナックルの裏側を見ると、モリブデングリスが滲んでいる。

左側の方は、グリスが飛び散っている。デフオイルがナックルに回り、グリスとミックスされて流れ出したためだ。

まずはジャッキアップしキャリパを外す。

バックプレートを外しナックルを裸にする。

ハブシール(ナックルの裏側)のボルトを緩め、張り付いているシールを剥がす。キングピンを抜くとナックルがバラバラになる。

これがフロントのドライブシャフト。写真のボールは、以前CVを壊した時に飛んだベアリングでナックルの中に転がっていた。因みに、これがCVとナックルのケースの間に挟まると、ハンドルの切れ角が少なくなり怖い思いをする。グリスの中でこのボールを探すのは至難の業で、たま〜に、忘れるケースがある・・・。(のは私だけ?)

さて、こちらがキングピンのベアリング。ジムニーの場合、上側のベアリングにトラブルが出易い。たぶん、ナックルがオープンタイプのため、進入した水分がナックルケースの上に溜まって上側のベアリングがサビるのだろう・・・。(それに、飛んだり跳ねたりすると下側にグリスが溜まっちゃうんだよね) 因みに、ジープ(三菱)の場合は、ナックル全体がブーツで覆われている。

さて、左が新品のベアリング。インナー側にゴムシールが付いているが、防水対策だろうか? しかし、キングピンはシーラーでシールして組むから、ここを防水しても意味がないと思うんだけど・・・? (キングピンから水が進入すれば別だけど、もしそうなるようであれば、組み方が悪いと思いません?)

これがナックルのシール。左側はかなりすり減っている。因みに、これはステアリングのダンパーも兼ねている。ジムニー乗りの間では、バネを変えた時などにステアリングがブレる現象が有名でキャスター角が立ち過ぎ等の噂があるが、当研究所の説は、これがヘタったためと考えている。

ナックル回りの部品。これ以外に、上記キングピンのベアリングやナックルのシール、それを押さえるフェルトのようなパッドがある。ついでに、フリーホイルハブもOHしてみた。

こちらがドライブシャフトのシール。これで、デフケースとナックルを分離している。これが減って来ると、デフオイルがナックルに回る。

組む際には、ボルトの穴のゴミをタップでさらってやると良い。

ナックルの中もきれ〜きれ〜にする。因みに、ミミズの這ったような後は、先程のボールの当たった跡。

さて、組み付けの方はバラした逆の手順でやれば良い。キングピンを組む際にはシムを入れて遊びを調整する。シムは幾つかサイズが出ているが、シーラーを塗ってしまうので適当な厚紙でOK!(とするのが当研究所流)

バックプレートを組む

元通りキャリパとフリーホイルハブを組めば完成!

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