Ddビッグホーンホーン


 みなさ〜ん! 車いじってますか〜! 今回はNEWビッグホーンの試乗車が納車されたので、お店の方に調査に行って来ます。今回のエンジンは、直噴、DOHC、コモンレール等、なかなか楽しそうなエンジンです。69になっておとなしい感じのエンジンになってしまいましたが(ま、世間一般にはこの方が良いのですが)、55の時のようにトルクに乗る感じが戻ってくるのでしょうか? ちょっと期待させてくれるエンジンです。それではまた。




  ・・・ハイ、行って来ました。なかなか良さそうな車でした。話が盛り上がった上、晩飯を食べて帰ってきたので、現在の時刻は12時過ぎになってしまいました。サービスニュース等の詳細な資料がないのでサッと見た感じの概要程度ですが、それでは早速、忘れないうちに詳細をお知らせしましょう。


● バリエーションは整理

 車種が整理され、今回から「イルムシャー」と「RS」の設定が無くなった。装備関係は全体的にグレードアップし、「プレジール」「プレジールII」「ロータス」「ロータスSE」「LS」となった。プレジールIIとロータスSEにはTODとABSが標準装備されている。RSは無くなったが、LSを除く各グレードにV6 3.5L DOHCエンジンの設定が残っている。
 イルムシャーも69からは、レカロシートがおまけのようなモデルになってしまったし、足回りも最終的にはチューニング(改悪と呼ぶ人もいるが・・・)と称し取り替えられてしまうので、四駆乗りにとってはあまり意味がないのかも。レカロシートは「スポーツパッケージ」と称するオプション設定になっていて、ビークロスの例のショックもオプション設定にある。その他、装備関係はあまり興味がないので良く見て来なかった。

 フロントマスクが変わりました。


● やっぱり直噴DOHC

 何と言っても今回のマイナーチェンジの目玉は直噴DOCHディーゼルエンジン。特に今回は「コモンレール」が採用され、高圧燃料噴射が可能になっている。コモンレールという言葉は知らない方が多いかも知れない。実は最近までボクも知らず、詳細のしくみはSまさんに教えてもらった。


● コモンレール

 コモンレールとは、言葉の通り、高圧化したエンジンオイルまたは燃料を蓄え各インジェクターへ均一に送る為のレールのことで、今回のエンジン(4JX1)ではエンジンオイルを利用したヒューイ方式(HEUI=Hydraulic Electric Injector)を利用した高圧燃料噴射システムを採用している。(USキャタピラー社との共同開発との事)
 動作原理としては、コモンレールにエンジンオイルを高圧(200気圧程度)でかけておき、この高圧オイルがインジェクター内のフランジャーを押し下げ、インジェクター内に満たされた燃料を高圧で噴射するしくみ。燃料の噴射圧力は、何と、最大で1400気圧だそうでパスカルの原理で増圧される。(ブレーキやクラッチのしくみを想像すると分かりやすいかも知れません)
 今までのように燃料を直接加圧するのではなく、オイルを加圧するのがミソで大変良く出来たシステムです。インジェクターの噴射タイミングや噴射量はガソリンエンジンと同様、コンピュータで制御され、従って、今までの電子式噴射ポンプとは全くの別物で、高圧噴射により必要とする量の燃料が短時間で噴射でき、きめ細かい噴射制御が可能になる。

 これがECUユニット。センサーは12もある。手前がエアクリーナー


● ここがポイント 噴射ノズル

 ここで注意しなければならないのは、きめ細かい噴霧状の燃料を遠くに均一に飛ばす為には高圧噴射と併せてノズルの径とポート数が問題で、カタログの写真によれば小径マルチポート(5ポート)になっているようで、これもなかなか良さそう。
wpe7.jpg (7416 バイト)


● ハイポート

 インタークーラーは容量が増えたようで、取り回しも変わっている。カタログのカット図を見ると吸気ポートはかなりハイポート化していて、吸気効率が良さそう。



● ベルト周り

 カタログではカットされているが、パワステポンプは下の方に移動されギヤ駆動になったようだ。オルタネーターのベルトは二重になり、ベルト切れで負圧が無くなりブレーキが利かなくなる可能性もほとんど無くなった。以前、高速を全開で走っていてシフトダウンしたらベルトが切れて、ウォーターポンプは回らないし、ブレーキは利かないし、夜でバッテリーは不安だし、そりゃ〜恐ろしい思いをした。
名称未設定 2.GIF (121525 バイト)


● 冷却系はトヨタ車並に

 オイルクーラーはブロックが従来と同じなので、今までと同様の水冷タイプ。容量は資料がないので不明。ラジエーターは、何と、アルミ(と思う)に変わった。ホンダ車みたい・・・。クーリング・エアのショートカットが無くチムニー効果が最大限になるようにシールが完璧にされていて、このへんはトヨタ車並みになった。バッテリーは相変わらず剥き出しで、ここもトヨタを見習ってほしい。


● 玉がデカくなったデフ

 エンジンのパワーアップに伴ってデフが一回り大きくなった。下側が水平にカットされていて。最低地上高を意識した設計になっている。ミッションも変更されたようだが、詳細の資料が無いので不明。

 センターリンクの所に付いているのはPCV?


● 騒音は大幅に改善

 エンジンやミッションからの騒音対策も大幅に行われた。エンジン本体も色々と手を入れたようでカタログデータによれば、60km/hの騒音レベルで4JG2 ATは64.5db、4JX1 ATは61db。平均すると、その差は約3db。体感的には騒音レベルは半分になった計算だ。外見的には、エンジンやミッションからの騒音対策用の遮音板(と思われる)が追加された。


 リフトが使えなかったのでちょっと見にくいが、こちらがエンジン側の遮音板。


 こちらはミッション側の遮音板。マフラーはエキマニから後ろに向かって出た後、一端、ミッションの前に戻り、ミッションを回り込む形で後ろに抜ける。手前の筒が(たぶん)触媒です。この辺は、オフロードに行ったらヤバイかも!

 これら遮音板はエンジンの排熱には不利だと思われるが、道路から反射するエンジンやミッションの騒音を押さえるのには効果的。時々、四駆雑誌などでこれら遮音板を指して「使いものにならないガードだ!」などと言っている記事を見かけるが、「雑誌の記者ってけっこうアテになんね〜な」という感じ。これらの車でエンジンやミッションのフルガードを必要とするユーザーはごく一部の特殊なユーザーな訳だから、ちょっと考えれば設計者の意図ぐらい分かりそうなものだ(当然、ボクは特殊な人ね)。

 それ以外のメリットとしては、オルタネーターなどの回転駆動系の保護には良いみたいだ。オルタネーターはその構造から、常に冷却していなければならずオープンな造りになっているものが多いから、走行中に前輪が跳ね上げた水やオフロードでの泥水がオルタネーターにかかり、ベアリングやブラシをダメにする。
 そこでオルタネーターの下側にアルミ板などで簡単なガードを付けてやると長持ちする。因みに、ボクの55は20万キロ以上オルタネーターをオーバーホールしていないし、ジムニーも10万キロ以上走っているが今のところノン・トラブル。しかし、あまり泥水に漬けちゃダメだよ! 潜水艦じゃないんだから…。



● 排ガスはすごい改善

 今回のモデルからマフラーに触媒が追加され、上記のコモンレール式高圧噴射+ECU制御と併せてCO2が20%、PMが60%、NOxが35%低減された。新聞発表によれば、乗用車カテゴリーで日本初の長期排出ガス規制に適合しているとのこと。
 今日はみぞれ混じりの雨だったので加速時の黒煙は確認できなかったが、ほとんど気にならないレベルになっていると思われる。ただし、不思議なことにディーゼルエンジンは乗り始めには黒煙が出ていなくても、2〜3万キロ走ると黒煙が増えてくるから不思議だ。この点については誰か実際に購入して走り込んでみないと何とも言えない。Sのさ〜ん、そろそろ買い換え時じゃないですかぁ〜?
 マフラーの取り回しは効率が悪そうで(低速のトルクを稼ぐためかな?)、交換したら気持ちい〜だろ〜な〜。


● 足回りはそのまま?

 エンジンがパワーアップしたのでタイロッドも強化されているかと期待していたら、形状が若干変更になったのみで基本的には同じ物。資料がないので詳細は分からないが、ほとんど変更ないようだ。


● 試乗!

 天気の回復を待ったが、雨は小降りになったものの一向にやむ気配がないので店の近所を試乗してみた。グレードはプレジールのオートマ。同乗者は2名。走り出して直ぐ気が付いたのは、かなり静かになっているという事。同クラスの車種と比較した場合、今までは「ウルサイ」と言う人がいたそうだが(ボクはぜんぜん気にならないが)、これなら、かなりイイセンいってるんじゃないかなぁ?
 加速感の方は ・・・イマイチ。かなり大人しい味付けでトヨタ車的な感じ。オートマのせいだろうか? ブレーキの方は ・・・「ガツン!」 恐ろしくよく効く。ボクの通勤快速も燃調やって速くなったのは良いんだけど、足周り、特にブレーキが負けている感じ。これはおいしい。
 ここからが本題。人間の体感はアテにならないので前回紹介した加速度計で計ってみる。因みに、カタログスペックを紹介すると、エンジンスペックは馬力が160ps/3900rpm、トルクが34.0kgm/2000rm。ゼロヨンは4JG2 ATが18.9秒、4JX1 ATが18.9秒となっている。ボクの通勤快速が現状で18秒前後。ノーマルの時が20.5秒。路面が濡れているのでスリップしてしまうため4WDスイッチを押す。オートマでゼロヨンをやる場合、ニュートラルでエンジンの回転を上げておきドライブに放り込むとオートマを痛めるのでブレーキスタートとする。

 左でブレーキを踏みアクセルを踏み込んで最大トルク付近で一気に発進。

 「ウォォ〜ン」

 出足はまずまず。

 「ウォォ〜ン」

 ダラダラと加速していく。

 「ウォォ〜ン」

 さらに加速していく。

 結果、17秒96。えっ? 18秒を切ったの?。意外と早い。トルクがフラットなので体感的に速い気がしないのかも知れない。普段マニュアルに乗っているせいか、オートマだとレスポンスがイマイチな気がするのかも。何回か計測し店に戻る。
 これだけだとデータに信憑性が無い為(何しろ胡散臭い機械だから)、店からの帰りに同じ場所で、ボクの通勤快速でも測定してみる。同じ条件にするためハブをロックし四駆にシフトする。

 1速にシフトする。

 「ブォォォォ〜」

 2速。「ブォォォォ〜」

 3速。「ブォォォォ〜」

 かなりウルサイ。マフラーはディーゼルらしからぬサウンドだ。結果は18秒19。同じく何回か試す。実測結果と参考データとしてカタログ(PRODUCT GUIDE)のデータを併せて整理すると以下のようになった。

 

0-400m(Sec)

終速(Km/h)

馬力(PS)

4JX1 AT(今回実測)

17.96

125

140

通勤快速(今回実測)

18.19

120(?)

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通勤快速・ノーマル(晴天実測)

20.5

110

95

通勤快速・現状(晴天実測)
(イカサマチューニング仕様)

18.24

120

131

カタログデータ 4JG2 AT

19.6

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カタログデータ 4JG2 MT

19.9

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カタログデータ 4JX1 AT

18.9

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カタログデータ 4JX1 MT

18.2

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 注) 4JX1 ATの馬力は正確な重さが分からないため、かなり適当です。
    通勤快速の現状(晴天実測)データは、重さが実測のためある程度信頼できる。



● まとめ

 これを見る限りボクの通勤快速より速い。こうして並べてみると、加速度計のゼロヨンタイムはそこそこ正確なようだ。(馬力の方は参考程度だけどね) カタログデータを見る限りオートマもマニュアルもあまり変わらないという事は、最近の電子制御のATが如何に優秀だという事か。静かで煙が出なく速いのなら、当然その方が良いワケで、「う〜ん、悔しい!」 噴射タイミング変えようかな〜。
 ノーマルでこの感じだから、ちょこっとイジれば画期的なエンジンになるかも知れない。コモンレール式高圧噴射だから燃料系には余裕が有ると思うので、ブーストアップにECUがついてくれば、マフラーやって、エアクリーナー変えて、ちょこっとやれば、 ・・・ああ楽しい。Sまさん、早速マフラー作りましょう。キノコも付け易そうですし、ROMチューンなんていうのもどうですか?(イスズのROMは読めないけどね) ついでにレバースケジュールも変えて、ガバッと出るようにすれば、このクラスでは無敵!
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