Dd復活プロジェクト その5



 前回まででフレームや足回りは直ったので、今回はボーディーの修正を行い、いよいよエンジン/ミッションの取り付けに入る。
 ボーディーの方は、大きなダメージは無いが、フレームの曲がりによりボディーマウントが押されたため、ドアの建て付けの狂いや運転席のフロアパネルの狂いなど、若干の狂いが生じている。

 エンジンルーム(インナーフェンダ)が若干、狂っていたのでポートバーで修正する。

 運転席下のボディーマウントが押されたことにより、ボディーも運転席側が持ち上げられ、かつ、左右の幅も若干詰まっていたので修正を行う。修正に使うアタッチメントは、ボルト穴を利用したもので、ボディーをキズ付けることなく、大変便利なツールだ。

 こちらは助手席側。アンカーポイントにアタッチメントをセットしボディーを固定する。写真のようにフロア側とフェンダー側のパネルにアタッチメントを取り付け、全体的にじわっと引くようにする。

 第一メンバ・マウント側も狂っていたため、こちらも修正を行う。上記と併せて、全体的に修正しながら、ハンマーと当て板で微調整していく。

 フロアパネルは、修正のため制振材が剥がれたので張り直した。

 ボディー全体の修正が完了したら、細かい所の手直しを行う。写真は、インナーフェンダーのミミの部分。(機能的には全く関係ないケドね)

 こちらが第一メンバ・ボディーマウント部。若干、押されている。

 修正が完了したら、チッピング・コートを塗って作業完了!

 さて、フレーム、ボディーとも修正が完了したので、いよいエンジンの取り付けにかかる。

 ジャンジャジャ〜ン!! エンジンくん登場!!

 オイルフィルタがフレームで押されて潰されていたので交換する。ボディ(オイルクーラ)は大丈夫そう。

 クラッチの焼き付き跡の残るフライホイルはペーパーで研磨し整える。段付きなどが発生した場合には、研磨屋さんに頼む必要があるだろう。

 修正後。

 さて、ここからが特に重要なポイント! Ddの場合、フライホイルでクランクポジションを検出しているので、適当に組むとエンジンがかからなくなる。(何と、サービスマニュアルには載ってな〜い!) 手順を簡単に紹介しよう。

  1. 1番、4番を圧縮上死点にする。クランクプーリーの白いマークを真上に向けるとその状態になる。
  2. クランクポジションセンサ(フライホイル・ハウジングに付いている。オイルクーラの後ろあたり)の位置をフライホイルを付けても目視で分かるように、フライホイル・ハウジングにマーキングする。
  3. フライホイルを裏返し切り欠きを真下にすると、クランクポジション・タイミングホイル(凸凹のリング)の切り欠きがほぼ真上に来るので、そこから15〜16歯目にマーキングする。
  4. フライホイルの切り欠きを真下にして、フライホイルを取り付ける。2で付けたマーキングと、3で付けたマーキングの位置がピッタリ合えばバッチリだ。(下の2枚目の写真)
    フライホイルの切り欠き部

 エンジンを載せようとしたら、ステアリング・ギアボックスのスプラインの掛かりが浅いのに気が付いた。・・・???

 取り付けは自体は問題なさそう。上から見てもフレームの狂いや取り付け位置の狂いは無さそうである。板金屋曰く、「もともと、こんなモンだったよ!」と。 >ホントかなぁ???

 ま、とりあえずエンジンを積む。手作業でチェーンブロックをガラガラやり、慎重〜に、慎重〜に、作業する。


 エンジンが載った!

 ミッション側から、干渉する箇所が無いかチェックする。普通は特に何も問題は無いが、事故車だとマウントやステーの変形などが考えられる。

 エンジンの取り付けに問題が無ければ、配管&配線を行う。配管は外す際に、ホコリの進入防止とタグを兼ねたテープを貼っておくと、組み付ける際には何も考えずに作業ができる。

 さて、ここでフライホイルの組付けが正しいか念のためチェックをする。(ミッションを組んでからじゃ手直しが大変だから)
 エンジンオイル、パワステオイルを入れ、チャージしたバッテリーを載せる。高圧噴射なので、燃料のエア抜きを十分に行う。

キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。
キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。

「おお、そうであった! Ddはエンジンオイルで燃料を吹いているので、オイルが十分に上がらないと、エンジンが掛からないのでああった。」

キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。

「燃料のエアが十分抜けていないのだろうか?」

キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。

「フライホイルの組み付け失敗か!?」

キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。

「・・・・・・・・・」

キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル、キュル・・・・。

ボッ・・・、ボッ・・・、ボッ、ボボボボ・・・・。
ブォ〜ン、ブォ〜ン。

油圧、電圧とも正常。吹け上がりもまずまず。
エンジン復活〜!!

 水温が上がるのを待って、サーモスタットが開くことを確認する。特に問題が無ければ、アイドリング学習を行う(必須!)
 アイドリング学習は、水温計が安定した(針がほぼ真ん中、約80℃)状態で、5分以上無負荷状態とするだけだ。

 エンジンに異常が見られなければ、次にミッションの組付けを行う。クラッチをセットし、センター出しをする。

 ジャンジャジャ〜ン!! ミッションくん登場!!
 Ddのミッションは、二駆←→四駆の切り替えがモーター駆動となり、モーターが出っ張っている上、ミッション自体も長いのでミッションジャッキが無いと結構難儀する。

 更に、クラッチがプルタイプに変更されたため、シフトフォークの合わせは、慎重に行う必要がある。あ〜! めんどくさ〜!!

 シフトフォークの合わせは、この窓から確認する。

 これで、エンジンとミッションが載ったので、後はマフラーやペラシャフ、外装パーツの取り付け、建て付け調整、アライメント調整、光軸調整などだ。


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