クラッチ・マスターシリンダ修理


 今年は暖冬と言われているが、それでも朝夕はやっぱり寒い。寒くなるとエンジンが暖まるまではミッションの入りも渋く…。 いや、まてよ…。 そう、UBSのウィークポイント、クラッチマスターだ!



●原因

 UBSのクラッチマスターは他の車に比べ寿命が短い。これは、マスターシリンダーがタービンの真上に位置しており、遮熱板もタービン側だけにしかないため、熱害で寿命が短くなるのだと思う。55の時は狭いエンジンルームに無理矢理4JB1を納めたから仕方がない部分もあったが、69になってからはボディーは新設計なのだから、遮熱板のスペースを取るなど、もう少し他社を見習って欲しいものだ。(トヨタ車はこういった小技が非常に上手い)
 マスターシリンダーのトラブルは、冬の早朝やスキーに行った帰り、冬山などで起こり易く、これは寒くなってピストンのゴムが固くなるとか、タービンの熱でフルードにスラッジ状の物が溜まるなどといった原因によるものだと思うが、スキーの帰りやクロカンで冬山に行った帰りなどにこれが起こると最悪の事態となる。応急処置の方法は別の機会に譲るとして、今回は冬に備え対策を行うことにする。
69clutch-1.jpg (26462 バイト)

 

 

真ん中の小さい筒がクラッチのマスターシリンダー
その前にあるのがタービンの遮熱板

 

 

 

 



●基本方針


 さて、対策の方だが、本当は他車のようにマスターシリンダー側に遮熱板を設けるのが良いと思う。しかし、69も55と同様、マスターシリンダーとエンジン補記類の隙間は少なく、エンジンが動くことや整備性を考えるとイマイチである。69になってからはマスターシリンダーの材質が改善されたのか2年に1回の割合で液漏れすることは無くなったようなので、今回は、素直にマスターシリンダーとスレーブシリンダーの交換のみとし、2年後漏れるようであれば本格的な対策を考えることにしよう。


●交換

 作業の邪魔になる補記類は全て取っ払う。その方が、結局、早く確実な作業ができる。
69clutch-2.jpg (43921 バイト)

 スレーブシリンダー側のニップルを緩めフルードを抜く。か・な・り 汚れている。オイルが抜けたらスレーブシリンダーを外す。
69clutch-3.jpg (30395 バイト)

 プッシュロッド(正式名称不明)とクラッチペダルを切り離す。フルードが漏れた痕がある。
69clutch-4.jpg (45735 バイト)

 写真では分かりにくいが、フルードで塗料が侵され鉄板が剥き出しになっている。プッシュロッドとのリンク部分のゴムブッシュも一部千切れている。
69clutch-5.jpg (29957 バイト)

 因みに下の写真が正常なブッシュ。フルードに侵されたせいか、非分解のハズのブッシュがバラバラになっている。
clutch.jpg (33054 バイト)

 上がマスターシリンダー。下がスレーブシリンダ。右側がオーバーホールキット。UBSには状備品だ。
69clutch-6.jpg (41114 バイト)

 シリンダーをバラし、錆びやキズをチェックする。スレーブシリンダーはブーツの付け根が錆びている。水遊びが多かったからなぁ。ワイヤブラシで錆を落とし、ブーツを組む時にモリブデングリス等を塗ってやればOK! ピストンの交換は、ブレーキパーツクリーナー等でキレ〜、キレ〜にし、普通に組んでやればOK!
69clutch-7.jpg (48720 バイト)

 ピストンを交換したら、後は元通り組んでフルードを入れてエア抜きをすれば作業完了。ま、これといって難しいところはない。
69clutch-8.jpg (32998 バイト)



[TOP]