UBS55クラッチ交換 その2

いや〜寒いですね〜! 早いもので、もう年末となってしまいました。こう寒いと野外作業はひじょ〜に厳し〜ぃ!! さて、前回はクラッチ交換を行い、滑りも直って、よっしゃ! よっしゃ!と、喜んだのも束の間、半年後また滑るようになってしまいました。 ・・・前回のクラッチ交換は完璧だったハズ。そこで、今回はその後の経過をお伝えしましょう。
症状としては、フル・ブーストをかけた時、ときどき滑る。このときどきというのがポイントだ。前回のクラッチ交換をもう一度よく思い出してみる・・・。ディスクやカバー等は全て新品だったし、作業も間違えないし・・・。クラッチが滑る原因を考えてみる。
1.エンジンやミッションのオイル漏れ。
2.マスターシリンダーやスレーブシリンダーの動きが悪く、レリーズ
フォークの戻りが悪い。
3.ディスクやカバーの不良。
4.フライホイールの不良。
5.エンジン・パワーの出しすぎ。
ま、ざっと思いつくのはこんなもんだと思うが、簡単にできる所からチェックしてみる。
1.のオイル漏れは下回りを確認したところ、これといって特にオイル漏れなどは見受けられない。確か前回のクラッチ交換の時、エンジンのクランクシャフトのオイルシールは交換しなかった。多少のニジミはあったものの、イスズ標準装備とばかり、あまり気にせず組んでしまった。オイル漏れかなぁ? クラッチが滑るくらいであれば、下回りにニジんでくると思うのだが・・・。
2.については、スレーブシリンダーのプッシュロッドを手で押して見る。スレーブシリンダーにはスプリングが入っているので、多少の抵抗はあるものの手で押し戻せるレベルだ。これは違うだろう。
3.ディスクやカバーの不良は考えにくい。交換する際に新旧比べた感じでは、特に違いは見受けられなかった。それとも、カバーの圧着力が足りないのか? そういえば、旧型ミューのカバーは圧着力が足りないなんていうことがあったけど、モデルチェンジになって部品もミューと共用になったのかなぁ? しかし、仮にミュー用だからといってそんなすぐに滑るハズもないし、どっちにしても圧着力なんて確認しようがない。(この可能性は大だ。調べた結果、どうやら品番は同じになったようだ)
4.フライホイールについては何とも言えない。前回の作業では未だ行けると思ったのだが・・・。これは開けてみないと確認できない。
5.これも関係ないだろう。燃調やブーストアップなど多少はいじってあるものの、基本的にはノーマル・エンジン。ブースト1.2Kg/cm2、タービン、燃調ポンプ容量限界まで持っていけばもっとパワーが出るだろうが、現状では30PSアップ程度。ノーマルタービンではたかが知れている。
以上、外見からは異常は見られなかった。とりあえず、休日を利用してミッションを降ろしてみることにする。(これがまた一仕事だぁ〜!!)
 ・・・ミッション降ろし中・・・  
さて、前回同様、ミッションが降りたところでクラッチをよく観察する。これといって特に問題は無さそうだ。ケース内に多少のオイルのニジミはあるものの、ディスクやカバーにオイルの付着した跡は無い。ちょっと気になるのが、フライホイールの段付き。ディスクの当たり面とそれ以外の部分で多少段付きができている。(ま、普通こんなもんだと思うが…) フライホイールの磨耗かな? 実測では使用限界範囲内。未だ(?)18万キロ程度でだし・・・。
一応、フライホイールを研磨屋さんに出すことにする。
  ・・・研磨中・・・  
研磨から上がったフライホイールは、新品以上にピカピカになっていた。段付きもきれいになっている。根本的な原因が分からないまま、ミッションを組み試走する。 ・・・やはり、ときどき滑る。う〜ん、クラッチ自体、比較的簡単な構造なのでこうなると原因がよく分からない。
原因が分からないまま、とりあえず様子を見る。相変わらずときどき滑る。翌週、再度下に潜り、再チェック。オイル漏れはない。スレーブシリンダーを外しプッシュロッドをガチャガチャといじっていると、動きの悪い場所を発見! 何と、プッシュロッドに段付き磨耗ができていて、これがちょうどレリーズフォークの穴にスッポリとハマルのだ。それも、力加減や位置によって、ハマったり、ハマらなかったりする。ハマってしまうと、当然そこが抵抗になるため、レリーズフォークがスムーズに戻らなくなってしまう。

とりあえず、プッシュロッドの段付きをヤスリで削り、早速試走する。お〜! バッチリ! バッチリ! 力一杯加速しても、クラッチは滑らない。これで、あと10万キロはいけるぞ!
さて、一見、直ったかの様なビッグホーンであったが、2月後、また、新たな局面を迎えるのであった…。

月まで走る(予定の)ビッグホーン
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