2L


 TERA LOWを組んだ際に多少触れたが、今回は2Lポジションのお話し。

 実は、TERA LOWを組む際には是非試してみようと思い関係資料を色々と漁っていたのだが、サービスマニュアルに2L化のお話しなんて載っているハズもなく、資料から実現可能かどうかの判断をすることは出来なかった。
 しかし、UBS73系の場合、二駆←→四駆の切替は電子式(モーター駆動)、Hレンジ←→Lレンジの切替はマニュアルなので制御系は独立している。ノーマル状態だと、四駆にしないとLレンジへは物理的にロックされていて、超人ハルク(ふ古い!)でもLレンジへはシフトすることは出来ないが、裏を返せばこれを何とかすれば行けそうな気がする…。


 さて、UBSのトランスファの構造をもう一度おさらいしよう。

 まずは2Hポジション。インプットシャフトからの入力はスリーブ(シフトフォークに付いているリング)を介しリア・アウトプットシャフトに伝えられる。この時、中央のカウンターギア、左側のギアは空回り状態となっている。(注: 写真には無いが、リア・アウトプットシャフトにはスリープと勘合するギアとカウンターシャフトを駆動するギアが一体で付いている)

 次に、4Hポジション。左側(フロントドライブ用)のシフトフォークが(写真では)上へ移動することによって、空回りしている左側のギアとフロント・アウトプットシャフが接続される。シフトフォークのロッドはインパネのスイッチをトリガーにして、モーターで駆動される。

 次に、4Lポジション。右側(HL切替用)シフトフォークが(写真では)下へ移動することにより、インプットシャフトからの入力はカウンターギアへ伝えられ減速される。HLシフトフォークのロッドは、シフトレバー(パターンは直線のみ)で駆動される。

 つまり、何もなければノーマル状態でも、二駆←→四駆の切替とHレンジ←→Lレンジの切替は独立して操作可能っていうことだ!

 で、シフトロッドの根本にあるインターロックをバラしてみると、ロックピンが出てきた!

 こちらが2H状態。左側のシャフトがHLシフトロッド、右側のシャフトが二駆四駆シフトロッド。2H状態では、ピンが押されHLシフトロッドがロックされている。

 こちらが4H状態、ピンはスプリングの力で飛び出すので、HLシフトロッドはフリーとなる。因みに、ここから4Lにシフトすると、HLシフトロッドは(写真では)下へ移動するので、ピンは戻ることが出来なくなる。結果、二駆四駆シフトロッドはロックされるので、4Lからの二駆への操作も不可能となる。
 う〜ん! たったピン1本でよく考えられたものだ! これを考えた人って天才!

 という訳で、インターロックのピンを抜けば各シフトロッドは自由に動けるので、2L化は成功! 但し、これをやる場合、シフトロッドを抜かないとピンは抜けないから、トランスファをバラす必要がある。また、UBS73系以前のものは、各シフトロッドの操作を1本のシフトレバーで行っているので、それをクリアしないと難しいかな。


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