東京大気汚染公害裁判とは・・


 一向に改善しない東京の空気の汚れ。この原因の多くを占めるのが、東京中を網の目のように走り回るディーゼル車の排ガスであることは明白な事実となっています。 ディーゼル車は、2t車でもガソリン乗用車の十数倍の汚染物質(窒素酸化物、浮遊粒子状物質)を排出しています。

 1990年代後半に至るまで、国はディーゼル車に対してほとんど有効な排ガス規制を行わず、自動車メーカーも、その排ガス被害を知りながら、トラックなどのディーゼル化を押し進めてきました。それにより、現在ではトラックのほとんどがディーゼル車、また、乗用のRV車などにもディーゼル車が増加し、東京の大気汚染は深刻なものになっています。さらに国や東京都による大型幹線道路の相次ぐ建設により、車の数はうなぎ登りに増加しています。
 日本のディーゼル車メーカーは、規制の厳しい海外に輸出するときにはその排ガス規制に見合った車を輸出し、日本で販売するときには規制の緩い、排ガスのひどいディーゼル車を販売してきたという“ダブル・スタンダード”の姿勢が批判を受けています。

 深刻な排ガス汚染により、喘息などの被害を被った被害者らは、1996年5月、「もはや裁判で責任をはっきりさせるしかない」と、道路の管理や排ガス規制の責任を負う国・東京都・首都高速道路公団、そして、ディーゼル車を製造・販売している自動車メーカー7社(トヨタ・日産・三菱・いすゞ・日野・日産ディーゼル・マツダ)を被告として、東京地方裁判所に提訴しました。
 2003年5月には第5次の提訴を行い、原告の総数は600余名もの大原告団となります。

 
 <概要>

 ・原告= 東京に居住または勤務して、気管支喘息・慢性気管支炎・肺気腫にかかった患者または遺族

 ・被告= 国、東京都、首都高速道路公団、ディーゼル自動車メーカー7社(トヨタ、日産、三菱、いすゞ、日野、日産ディーゼル、マツダ)

 ・求める内容=@被害者の救済(損害賠償金の支払い、被害者救済制度の創設)
           A自動車、ないし道路からの大気汚染物質の排出「差し止め」


 <裁判の目的>
 @原告患者に対し謝罪と損害賠償をさせること
 Aすべての大気汚染被害者に医療費と生活費を補償する救済制度を作らせること
 Bこれ以上公害被害者を生み出さないよう大気汚染をなくさせること

 <裁判の請求内容>
 @損害賠償金の支払い
 A自動車や道路からの大気汚染物質の排出差し止め

 <東京大気裁判のこれまでの提訴日・原告数・損害賠償額>

東京地裁 提訴日 認定原告数 未認定原告数 合計原告数 賠償請求額
第1次訴訟 平成8(1996)年5月31日 87人 12人 99人 約20億円
第2次訴訟 平成9(1997)年6月3日 94人 16人 110人 約21億円
第3次訴訟 平成10(1998)年10月16日 51人 64人 115人 約29億円
第4次訴訟 平成12(2000)年11月16日 92人 99人 191人 約47億円
第5次訴訟 平成14(2002)年5月20日 30人 45人 75人 約18億円

※2005年中に第6次訴訟提訴予定