ディーゼル車と排ガス汚染とは?




 健康に悪影響がある自動車排気ガス成分は、窒素酸化物(NOx)と排気微粒子(PM)ですが、東京では自動車から排出される窒素酸化物の67%、浮遊粒子状物質(SPM)のほとんどはディーゼル車から排出されており、まさにディーゼル車が大気汚染の「主犯」です(東京都調査から作成)。

 とくに、最近の裁判(尼崎公害裁判、名古屋南部公害裁判)で健康被害の主な原因と認定されたディーゼル車からの排気微粒子(DEP)は、名前の通りガソリン車からは排出されず、ディーゼル車だけから排出される汚染物質です。これは、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの根本的な違い(注1)に原因があり、これまではどんなに工夫してもディーゼルエンジンから排出される微粒子をゼロにする技術は実用化されていません。

 また、ディーゼル排気微粒子が健康に有害であることは、今から40年も前に明らかにされており、自動車メーカー関係者もそうした研究発表をしていました(注2)。 さらに現在では、花粉症の原因としてもディーゼル排気微粒子が強く疑われています(注3)。

 したがって、自動車メーカーは、できるだけディーゼル車の製造をさせてガソリン車を製造販売すべきだったのに、現実には1970年代後半以降、トラック分野で猛烈なディーゼルかを推し進め、大都市の大気汚染を一層深刻にしました。ここに、公害患者の被害と苦しみに対する、自動車メーカーの最大の責任があるといえます。



 注1: ガソリンは気化しやすく、空気と完全に混合させてから電気火花で着火します(ガソリン車)。 しかし、経由は気化しにくく、高温高圧の空気にポンプで噴射しながら自然着火させるため、燃え残りの燃料が『すす』となり、これに有害物質が染み付いてディーゼル排気微粒子(DEP)として排出されます(ディーゼル車)。

 注2: たとえば、1962年には、ディーゼル自動車協議会主催の座談会において、ディーゼル排気微粒子には、発ガン性のある化学物質が含まれていることが外山・慶応大学教授により報告されています。

 注3: 天気予報で見かけるように、東京は山間部よりも花粉飛散量は少ないですが、花粉症患者の発生率は全国平均の2倍と言われています。なぜでしょう?? これは、花粉だけで『花粉症』(これも呼吸器系の病気といえる)が起こるのではなく、排ガス汚染が発症に関与していることが明らかになっており、国(環境省)のディーゼル「リスク評価検討会」においても報告(2000年8月、など)されています。


 ※本頁の説明には、東京大気裁判弁護団・原告団編『Q&A 排ガス公害と自動車メーカーの責任』を参照しています。

 ※ディーゼル車の規制に関しては、東京都環境局も「ディーゼル車規制総合情報サイト」を設置して、詳しい情報公開を行っていますので参照ください。当該サイトにおけるディーゼル排ガスと大気汚染についての説明 (東京都ディーゼル車規制総合情報サイト(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/jidousya/diesel/)を参照下さい。)