CD『レフトフライ/レノンさん
月の散歩道(おまけ)
AOZ-008 300円 

大槻ヒロノリ/ 唄、ギター
石坂 泰一 / ベース
土屋 貴司 / チンドン、マラカス
高野 裕 / ギター、オートハープ
大槻 智美 / ピアノ、コーラス、リコーダー
福永 幸平 / 三線、風のトランペット
平魚 泳 / ジャンベ、ウクレレ、コーラス
ジョー長岡/ アコーディオン、リコーダー    
矢口ヒサシ/ マーチングバリトン、リコーダー
井上 天晴 / ドラムス(1.のみ)
金子 玲子 / リコーダー(2.のみ)
伊藤さつき/ リコーダー(2.のみ)
 な こ / コーラス(2.のみ)
大槻 香苗 / コーラス(2.のみ)

録音:2005年12月10〜25日
場所;高円寺PALスタジオ/御徒町音楽館/青空レコード音楽室
録音技師:大槻ヒロノリ
*但し、「月の散歩道」は2000年に録音されたものです。

レフトフライ

僕らはただ 嘆きもせず 畦道を
口笛吹いて歩いた
まばらな風 ゆらめく声 友達が
川の向こうで手をふる
校舎の裏の金網抜けて
埃っぽいグラウンドへ
放課後に走りながら
あのコを横目で追いかけた
地区予選の組み合せが
掲示板ではためいていた
夢中でボールを追いかけた
夢中でグローブをのばした
目も眩むような青い空
レフトフライが飛んでくる

夢の旅は 夢の旅で いつの日か
大それた想いかくす
流れるまま 流されては あてもなく
川の向こうへ手をふる
市営球場 金網抜けて
埃っぽいグラウンドへ
夢中でボールを追いかけた
夢中でグローブをのばした
目も眩むような青い空
レフトフライが飛んでくる
歓声と溜め息の中で
無情にもボールはこぼれた
ランナーはホームを駆け抜け
あっけなく夏は終わってしまった
あのコの事が気になった
あのコに何も言えなかった
いつしか季節は巡りゆき
どこかで会えると信じてた今でも時々思い出す
暑くけだるく汗ばんだ季節
目も眩むような青い空
レフトフライが飛んでくる
今でも時々蘇る
祈るようにグローブをのばす
目も眩むような青い空
レフトフライが飛んでくる

レノンさん

利根川沿いの草ぼうぼうの道
その人はいつもよれたコート
子供達はみんなレノンさんって呼んでた
金髪に丸メガネ皺くちゃな笑顔
レノンさんの唄は調子っぱずれだ
レノンさんの唄は素頓狂だ
愛と夢と欲望と希望と平和と絶望と現実と
レノンさんはいつもロックンロールだ

暑くて眠れない夜 散歩をしてたら
レノンさんが川原でギター弾いてた
嬉しくって缶ビールいっぱい買いこんで
月明かりの下 一緒に唄ったのさ
レノンさんの唄は調子っぱずれだ
レノンさんの唄は素頓狂だ
愛と夢と欲望と希望と平和と絶望と現実と
レノンさんはいつも転がる石だ

枯れ葉を集めて焚き火をしながら
ぽつりぽつりレノンさんが話してくれた
バンドマンだったこと 会社がつぶれたこと
子供もいたけど今じゃ気楽なひとりぼっちだってこと
レノンさんの唄は調子っぱずれだ
レノンさんの唄は素頓狂だ
愛と夢と欲望と希望と平和と絶望と現実と
レノンさんはいつもロックンロールだ

最後に見たのは雪が舞う夕暮れ
レノンさんはぼんやり川面見てた
何だか横顔が泣いてるようで
ついに声をかけることができなかった
レノンさんの唄は調子っぱずれだ
レノンさんの唄は素頓狂だ
愛と夢と欲望と希望と平和と絶望と現実と
レノンさんはいつもロックンロールだ
もしも君が常磐線に乗ることがあったら
天王台あたりで途中下車してごらんよ
何にも無い利根川 大きな伸びをひとつ
ほらレノンさんが隣で笑ってる