2010年06月02日(水):「鈴音と美花、いっしょの報告(+画
像)」 2010年06月07日(月):「手術します」 2010年06月14日(月):「その後の鈴音、美花は散歩に出ました」 2010年06月16日(水):「手術の日」 2010年06月16日(水):「美花、2度目の散歩」 2010年06月19日(土):「鈴音がいない週末」 2010年06月20日(日):「美花、2回目のワクチン」 2010年06月21日(月):「連絡、面会」 2010年06月23日(水):「退院しました」 2010年06月27日(日):「2匹の様子」 2010年06月28日(月):「日獣での結果と抜糸」 |
2010年06月28日(月) 日獣での結果と抜糸 日獣の診察の結果です。簡単に書きます。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 十 二指腸の腫瘍はきれいに取れたのでよかった。脾臓(肥満細胞腫)は全摘出、肝臓の全体に肥満細胞腫がある。リンパ節のものも残っている。大きさは 3.5×2.86。径としては前回とは変わっていないが、ふくれて見えていたところははっきりしなくなっている。エコーで縦に切ったものを見 ると、若干腫瘍が縮小しているかほぼ同じという感じ。肝臓には何か病変があるが、これは単に前回ちゃんと写らなかっただけで今回写ったものかもしれない。 以上から、状態は横ばいと言える。 血液検査の数値。FDPは8.0から7.5、D-dimerは5.42から5.37で、ほとんど変化なし(正常値ではない)。血小板は48.5で正常。腎臓、肝臓の数値は悪くはない。貧血は、30とほぼ前回同様で貧血ぎみ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 腫瘍の状態がほとんど変わっていないので、グリベックの効果があると考えて、このまましばらく投薬を続けることにしました。他の薬は同じく、レスタミンとオメプラールです。 本 当は1週間後の診察がいいとのことですが、人間の体力が尽きそうなので2週間後にしました。その間に容体の変化があれば、予約をして診察を受けることにし ました。突然体調を崩す可能性がありますが、そしてそれはとても心配なことですが、1回の診察だけで3万をゆうに超えるので、その分を次の治療費にまわし たいと思います。グリベックが効いていることはうれしいことですが、それだけお金がかかるということを意味しています。その都度最良の選択をし続けると、 月額で20万くらいかかってしまいます。もちろん、これがいつまで続くのか分かりません。続かなくなるというのは、鈴音がいなくなるということです。 今 のところ心配なのは、すずがちゃんとフードを食べないこと。今日も朝はほとんど食べず、昼にも残りを少しだけ食べただけでした。結局、食パン1枚とゆで卵 をまぜたものをやり、夜は食パン1枚と鶏肉250gをまぜたものをやりました。こういうものはぺロリと食べます。しかたがないので、しばらくはこんな感じ で食べさせようと思っています。パンの代わりにごはんを食べてくれるといいんですが、どうもべたべたしたものがいやなんじゃないかなと思います。 お腹のステイプラーは30個ありましたが、きれいに取ってもらいました。 夕 方は久しぶりに2匹そろって散歩に出ました。遠雷が聞こえて、すずが怖がっていたので留守番をさせようと思ったのですが、準備を始めると、「私も行く」ん だそうですよ。「おいていかれるくらいなら、雷が鳴っても一緒に行く」んだそうですよ。歩きながら美花がふざけるので鈴音はいやがっていましたが、それで もまあまあの距離を元気に歩きました。仔犬の歩く距離と病み上がりの成犬の歩く距離はちょうど同じくらい。 うちは毎年、「夏は暑い、冬は 寒いのは当たり前」ということで、冷暖房は極力入れない生活をしています。外との温度差もよくないと思っているからです。でも今年は特別で、鈴音にこの蒸 し暑さをがまんさせるのはかわいそうなので、すでにドライか冷房を入れています。それでも、せっかくすずがいるところに冷房を入れているのにもかかわら ず、私たちがいる場所に団子状になってしまいます。どうして人間ふたりと着ぐるみ2匹で固まっていなければならないんでしょうね。人間にぴったり寄り添う バーニーズとの夏は、かわいいけど、暑苦しい。 ちなみに、日獣の病棟は23度の設定なんだそうです。どうりで寒いと思った。うちのような犬種には楽な温度ではあります。今年は電気代も覚悟しています。 鈴 音との生活がどうなるのかというひたひたした不安が押し寄せてきます。つれあいは「ぼくたちは、もうできるだけのことはしてやったよ。あとはすず自身の寿 命の問題」と言います。そうね、人間の自己満足にすぎませんが、できるだけのことはしたつもりです。もっと早く気づけばもっとよかったけど。今さらそんな ことを言っても仕方ないけど。 |
2010年06月27日(日) 2匹の様子 鈴 音は元気ですが、またまた偏食です。おじやをきちんと食べたのは2日間だけ。金曜日の朝からあまり食べなくなりました。ならば鶏肉を多めに とか、鶏肉だけやってみたり、鶏肉を大きく切ってみたり、少しだけ味をつけたりと、ああでもないこうでもないと工夫をするのですが、今ひとつぱくぱく食べ る感じではないんです。 ま たもやいろいろと原因を考えて、やっぱり腫瘍の影響だろうかとか、病み上がりだからとか、ほとんど散歩をしてい ないからだとか。医者からは、「流動食が飽きたようだから、フードをふやかして」と言われていたけれども、戒を破って、とにかく食べればよいと、ベビー フードをやってみましたが、これも食べませんでした。パンを牛乳にひたしたものはおいしそうに食べます。おやつ類はやれば食べそうな感 じ。ちなみに、チーズを指先でつぶしたものは食べましたし、薬を飲ませるときに(もう、大変なんですけど)ちいさなびっけをやると食べます。 そして今日の朝、ベビーフードを1杯だけ食べました。昼はフードを0.8と食パンを細かく細かくちぎったものとゆで卵をみじん切りにしたもの(食べるじゃないか)。 こ んなふうに、いろいろ考えて悩むのに疲れ切ってしまいました。だから、もういいやと思っています。体力の回復のためにもなんとか食べさせたいけれ ども、適当にすることにしました。体調のせいでなければ、単なる偏食でしょう。もしそうならフードしか出さなければいつ かはお腹がすくことでしょう。 ちなみにですね、猫のフードは相変わらず失敬しているんですよ。ってことは? お腹の傷はまったく気にする様子がありません。これは助かるね。だからエリザベスカラーをつけずに済んでいます。散歩は言いつけを守りつつ、ほんの少しだけ歩かせています。それでもせいぜい10分くらいでしょうか。 本人がのびをした姿勢から腹を出して寝ている姿を見ると、嬉しいけれども妙に腹立たしく、「あのさ、こっちがこんなに心配しているのに、どう思ってんのさ?」と言っています。本当に、何を考えているのか分かりませんね。困ったなあ。 こ の数日は、鈴音の散歩、美花の散歩、その後ごはんというパターンです。美花を散歩に連れ出すときは、すずは毎日騒ぎます。おとといは勝手に脱走して、呼んでも 戻ってきません。リードをつけて引き戻そうとしても踏ん張ってしまうんです。とにかく自分がおいていかれたり、優先的にかまってもらえなかったりす るのが耐えられないらしいです。どんな犬でも大なり小なりそういうことはあるでしょうけれども、バーニーズってこういうことに関してなかなかあきらめない というか、いつまでたっても仔犬というか。 ふと見下ろすと、2匹が体重をかけて座っているときがあります。これを待っていた、バーニーズの多頭飼いの醍醐味、喜び。 美花をかまっているとすずが走ってきて、美花を押しのけようとするときには、「すずちゃん、そういうことばっか りしないで、まずちゃんとごはんを食べなさい」と言います。美花には「一緒に遊びたいでしょう。すずちゃんに、ちゃんとごはんを食べて元気になってねって 言っときなさい」と言います。 鈴音が戻ってきて、美花がうるさくつきまとうと思ったので心配していましたが、ぜんぜんそんなことはありま せんでした。犬は様子をよく観察しているからかもしれませんが、美花は性格が穏やかで、状況判断がよくできる子なんだと思います。そういう意味で は賢いです。すずにかまってもらおうと、顔やお尻あたりに飛び乗ることもありますが、鈴音からいなされるとしつこくすることはありません。 気 づくとひとりでおもちゃで静かに遊んでいたり、おもちゃを持って来て隣で遊んでいたり、寝ていたりと、信じられないくらい自立した子です。4ヶ月に満たな いのに、まったく手がかかりません。鈴音がいない間、ケージから解放する時間を長くして慣れさせていました。それにしてもこんなに早く日中は放っておいて なんの問題も起きないなんて、まあ驚きです。 トイレもほとんど失敗なく、決まったトイレシーツの場所にしています。「あ、トイレしてる。 『はい、トイレー、トイレー』」とコマンドを出す間もなく、さっさとトイレをすませてから、遊んだり、かまってもらったりしているんです。「あら、トイレ してる」というはいつものことです。むしろケージの中に入れているときのほうが、「トイレしたから掃除してくれ」と静かに訴えています。だんだんからだが 大きくなっているので、逃げ場がなくなってきているんです。体重は14.8キロになりました。 悪さをすると言えばむしろ鈴音のほうです。美花の散歩のときや買い物のときにごみ箱を片づけるのを忘れたら、案の定、ひっくり返して中身をばらまいています。一体、どっちが仔犬なんだかなあ。 お昼寝の様子。2匹とも撮影に気が付きました。
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2010年06月23日(水) 退院しました 予定どおり、鈴音は退院しました。私がてきぱき帰りたいと伝えてあったので、日獣側も準備をしてありました。担当は執刀医です。すずはぐいぐい引っぱって診察室から出て来ました。「帰るんだけど、ちょっと待ってね」と執刀医。すずはこの先生にはすぐに慣れたみたいです。 確認したことは次のこと(順不同)。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 肝 臓のバイオプシーは次回に結果が分かるだろう。DICはおそらく正常になっていると思うが次回検査するであろう。 今日の朝ごはんはまだやっていない。どうやら流動食にあきたようだ。フードをふやかしてやるか、缶詰をやればよい。できるだけ1日3〜4回に分けてやる。野菜はだめ。かたいおやつ類もだめ。パンもだめ。リンゴならすりつぶすように。 散歩はトイレ出し程度。1日2回ほど。 薬はグリベックを1日3錠、レスタミン1日(朝夕)にそれぞれ5錠、オメプラール1日1錠、これは従来どおり。くわえて、術後の抗生物質を1日(朝夕)それぞれ3錠ずつ。 次の診察は28日(月)の予定。おそらく抜糸もできるであろう。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 鈴音は鈴音なりに「大変、嬉しい」の様子を見せていました。建物の外に出ると、空は晴れていました。退院日和。「さあ、すず、帰るよ」と私は言いました。「美花も待ってるぞー」と。 帰りの車の中では、しばらくはすり寄ってくるふうでしたが(とは言え、あなた、こちらは運転席ですぞ)、すぐにいつもどおりに伏せて寝ていました。 少しだけ家の周りを散歩させると、ゆるいうんこをしました。 美花との1週間ぶりの再会。美花はケージの中からじっと見つめていました。「みはー、すずちゃん戻ったよ」 鈴 音は朝から何も食べていないので、さっそくベビーフードをふやかして、レトルトとまぜてやってみましたが、食べません。「先生の、『飽きたみたい』という のは、本当に飽きたのか、それとも食べたくなかったのかなあ」またまた、扱いにくいすずの始まり。前日の夜から食べていないのに、食べないというのはどう いうことなんだろう? ならば、手作りをやりましょうかと、すりおろしたにんじんに、鶏肉、ごはんをまぜておじやにしたら、ぺろりと食べました。フードの感じがきらいなんでしょうか。残飯処理班がいますので、食べなかったものは、そちらに解決していただきました。 夕 方には再びおじや。鶏肉、ごはんに卵を落としました。いつものごはん容器に2杯くらい食べました。そして夜の21時ごろ、鶏肉、ごはんに細かくしたチーズ とレトルトを混ぜたら、どうもレトルトがいやらしく、よけて食べていました。それでも1杯ほどは食べたでしょうか。その後、食べすぎたらしく吐きました。 たぶん、食べすぎでしょう、たぶん。もう少し流動食じゃなければならないところに、一歩進んだおじやだったし、一気に食べさせ過ぎたんだと思います、たぶ ん。本人は、すごい食欲なんですけど、からだがついていってないって感じ。 散歩は、まず鈴音のトイレ出しをしました。こんなふうに歩くのは久しぶり。
美 花は2匹の成犬とあいさつをし、順調に社会化をしています。今日も、高校生らしき男の子たち、スーツで歩く若い女性、掃除をしていた女性、バックを背負っ た男性、通り過ぎる自転車などなどをじっと観察。つれあいは、立ち止まる美花を引っ張り、「こい」というのですが、「今はいろんなものを見たいんだから、 見せてやらないとだめだよ」と私。「納得するまで見せて、確認させたほうがいい」 夜になって、鈴音はいつもの場所におさまり、おなかを出 して寝ていました。術後1週間経っているからか、傷口にパッチは貼っていませんでした。つばめのときに借りた「救命胴衣(空気を入れるタイプのエリザベス カラー)」もなしです。「傷が開くということはありませんが、舐めないように気をつけてください」と言われています。これから引きちぎろうとするかもしれ ないので、あえて両前足の点滴のテープは貼ったままにしています。たぶん、こっちのほうが気になって取ってしまうから、それで気がまぎれれば、おなかの手 術跡は舐めないだろうと踏みました。 傷に止めてあるステイプラー(ホチキス)が見えます。人間とは違って、思い切って切るもんですね。毛が生えるからというのもあるでしょうけど、すごい傷。
美花には「土曜日までは鈴音と遊ぶのがまんしようね」と言ってあります。抜糸前日ならば、どっかん遊びもいいんじゃないでしょうか。今日はしきりに「遊ぼう」をやっていましたが、すずのほうが相手をしませんでした。「うるさい、近づくな」と吠えられていました。 そう言えば、すずはすでに私には「わざ」をかけました。今日のは普通の「わざ」と、前足を私の足に絡める「わざ」でした。バーニーズが前足をかけるのって、かわいいんだよなあ。 月曜までの5日間、無事に過ごせますように。大手術をしたんだから、このまま元気になりますように。そうでなければ手術をした意味がないでしょう。 |
2010年06月21日(月) 連絡、面会 09時に日獣に連絡をいれておいたので、美花の散歩に出ている10時すぎ、日獣の執刀医から電話がありました。「金曜日は(連絡せずに)すみませんでした」のあと、先生は早口で怒濤のように話しました(ひとの個性っておもしろい)。 18日(金)には水を飲ませ、19日(土)から流動食を開始。少しずつ食べてはいるが、まだすべてを食べているのではない。(消化管 の?)造影をとったが、順調。DICの数値はその後順調に回復しているが、まだ正常値ではない。退院は23日(水)の予定。その次の診察は28日(月)で大丈夫だろう。 私は水曜日は忙しいからてきぱきと帰りたい。だから必要なら今日のうちにグリベックを買っておきたいと言いました。 14時すぎに日獣に到着しました。待合室でちらと執刀医の姿を見たので、「来ました」とひと声かけました。その後、とても感じのよい看護師の誘導でICUまで 案内されました。「状態については医師のほうから連絡があったと思うんですが」と言われたので、「はい朝聞きました、でも、元気なのかどうかよく分からな いんです」と私が言うと、「元気ですよ。今日は朝、少しだけ散歩をしました」と言われて、そうかそんなに元気なのかと思いました。ICUの扉を開けます。 鈴 音は私たちの姿を見ても、状況がよく分からないようでした。不思議そうな顔をしていましたが、私たちが「すず!」と呼ぶと、ようやく意味が分かったふうで した。すずは大きなケージの中で静かに喜んでいました。「私たちは中に入れないのでしょうか。前のときには入れてもらったんですけど」とつばめのときのこ とを話しました。「じゃあ、リードをつけて外に出しましょう」と言ってくれました。「普段は飛びますか?」と聞かれたので、「ラブほどではありませんが、 飛びます」と答えました。 鈴音は前両足に点滴をつけていましたから、踏まないように、抜かないように気をつけて、「おいで、すずちゃん」 と言い、なでてやりました。すずはそれでもまだあまり状況が読めないようでしたが、次第に喜びが膨らんできたようで、だんだんさわがしくなってゆきまし た。つれあいのところにもあいさつに行き、いつもの股攻撃を繰り返していました。鼻の笛がぴっぴぴっぴ鳴り続け、のどがひゅんひゅん言っていました。看護 師さんから「やっぱりパパとママ(私らのことですかい?)が来てよかったね」と言われました。 「連絡がなかったので、どんな感じなのかぜ んぜんわからなくて。でも元気そうですね。ぐったりしているんじゃないかとか、いろいろ想像していたんですけど」と私。「散歩のときにはおしっこはしなく て、ケージの中でして、うんちはまだです」と看護師。「そりゃそうよね、まだあんまり食べてないんだもんね」と私はすずに向かって言いました。 流 動食は病院の缶詰をミキサーにかけたものを1日4回やっているんだそうです。今朝は自分ですべて食べたそうです。そうか、今日は全部食べたんだ。「すず ちゃん、手術がんばったねえ」とか「美花ちゃんがおうちで待ってるよ」とか、いろいろ話しかけました。すずはずっと、ふんふん、ひーひー言いながら、つれ あいの股に鼻をつっこんだり、しゃがんでいる私をお尻でぶっ倒したりしていました。途中、つれあいに飛びつこうと前足を上げましたが、看護師がリードを しっかり踏んづけていたので大丈夫でした。 「怖がったりしませんでしたか?」と私。「世話をしているときは、いやだなという感じで、目線 を合わせなかったりでしたね」と。「でも、噛まないから、まあましですよね」と私は冗談まじりに言いました。すずは、ICUに入っている他の子が出たり、 入ってきたりすると、しきりに気になる様子でした。「他の子に対しては大丈夫ですか?さっきも隣の子が(と、外で抱かれている子を指差して)気になってま したよ」と言われました。「そう、友好的なんです。でも、音に神経質で、すごくこわがりで」と、これまでの経緯を話しました。 鈴音が落ち 着くまでに30分以上かかったでしょうか。ちょうどそのころ、ドアのほうから「すみませーん。鈴音ちゃんにごはん、お願いします」の声。昼ごはんはまだだ ということだったので、遅い昼ごはんか。「ちょうどよかった。なんだか動物園のえさの時間に居合わせたみたい」と私。別の看護師さんがお皿を準備し始める と、すずの目がきらりとしました。「ごはん?」という様子。「おなかがすいてるんだ、すず」 どろどろのごはんが準備され、私たちは 「わー、すずちゃんおいしそう」と大げさに言った後、私は小声で「には、とても見えないけどね」と言って笑いました。それでもすずは背後にいる私の「おす わり」と「まて」、「よし」のコマンドにちゃんと従い、あっというまに平らげました。「もういい?」と言う看護師のことばに、見ると少し残していたので、 容器を手に持って「ほら、ちゃんと食べなさい」と私。看護師には「この子、アンダーショットなんで、ちょっと食べるのが下手なんです」とこれまた経緯を話 しました。 鈴音は食べ足りないという表情でした。本当に、元気になっているし、おなかもすいてるんだなあ。 その後鈴音は 台の上にあるものに興味をしめしたり、看護師さんに「おて」をしたり、お尻あたりの毛づくろいをしたりしていました。「毛づくろいなんてしていました か?」と尋ねると、「ケージの中ではずっと寝ていましたね」とのこと。そうだろうなあ。ようやく愛情充電完了、おなかもとりあえずいっぱいになって安心し たのでしょう。 15時近くになったので、「すずちゃん、明日は来られないけど、水曜日に迎えに来るからね」と言い、私も一緒にケージに入 るふりをして入れました。あー、なんて従順な子。もっと抵抗するかなと思ったんですが。扉を閉めている間、すずは頭を落としてじっと聞き入り、「閉じ込め られた」というあきらめた様子を見せました。ケージの表示を見ると、すずの名前と「体重 27.9キロ」、「病状 内臓型MCT」(Mast Cell Tumor=肥満細胞腫の意)とありました。体重は手術前と同じだなとか、本当に腫瘍の手術をしたんだとか思いました。「じゃあね。あとで」と、私たちは 病室を出ました。思った通り、背後ではワンワンという声。「ほーら、やっぱり。元気元気」 そこからウェルネスセンターに行き、準備しても らっていたグリベックを買いました。帰る途中、私のケイタイが鳴りました。退院の時間についてあとで電話するということだったからです。私は運転中だった ので、電話にはつれあいが出ました。「はい、けっこうです。分かりました」ということばの間に、「オブラートに包んで、普通に手でやっています、はい」と 言ったので、電話を切ったあと、「どうして薬のことを聞かれたの?」と言うと、「なんかさ、飲ませるのが大変なんだって。それでどうやって飲ませてるんで すか、って」電話は研修医からだったそうで、どうやら本人がグリベックを飲ませるのに悪戦苦闘しているらしかったのです。「ほらー、でしょ?すずは上手に 出すんだもん。なに、専門家なのに薬飲ませられないって?ははは・・・失敗しやがったなあ。まあ、日獣には薬がたくさんあるからいいけどさ」と私はおどけ て言いました。あいつ、げろげろって出してるんだ、おかしー、笑える。 つれあいが「すずが嬉しそうだったね。ぼくはめったに舐められたり しないのに、舐められたもん」と言いました(私はよく舐められる)。「そう?私はなんだかよく分からなかった。あれはすずなりに喜んでたってことなんだろ うね」「そうだよ、嬉しそうだったじゃない」「だって私にはずっとお尻しか向けてなかったもん」「お尻を向けて安心なんだよ」とつれあい。 私 は鈴音の不妊手術のときを思い出していました。すずは案外あっさりしていたんです。さっさと診察室の奥に消えてゆき、連れに行ったときも、さほど嬉しそう ではありませんでした。あのときはなんだかよく分からない性格に思えましたが、すずはそんなふうに表現する子なんだとあとになって分かったのです。決して 喜んでいないわけではないんだ。仔犬のころからそうだったよね。 なんだかんだいっても、とにかく今日は気分がいいです。鈴音は思っていた より10倍も元気でしたし、入院しているのでなければとても病気には見えなかったし、手術のあとも痛々しくなかったし(テープがびったり貼られていて見え なかった)、流動食だったけれどもとてもおいしそうに平らげたし。あんなに普通に股攻撃して、ふんふんして、よかったよかった。 私自身、 泣きませんでした。落ち着いて接することができましたし、ここまで読んでいただいた通り、ずっと冗談を言っていました。「なんか私、平気だったよ」と言う と、「平気じゃなければ、またつばめのときみたいになっちゃうじゃない。それでいいんじゃないの」とつれあいが言います。「やっぱり、すず、かわいかった なあ。美花のかわいさとはぜんぜん違う。美花とはまだつきあいが短いからね」とつれあいは続けました。「あいつ、絶対見捨てられたと思ったよ。これまでは 待てば必ずぼくらが戻ってくると思ってたわけだけど、今回は変だな、と。木曜日、金曜日、これは捨てられた、と。これまでで一番長く離れていたもんね」 と、つれあいはいつになく饒舌でした。 今後のことはたくさん心配がありますが、とりあえず水曜日の再会を待ちたいと思います。 |
2010年06月20日(日) 美花、2回目のワクチン 天 気予報で今日も暑いと聞き、朝一番で美花を病院に連れて行きました。この1週間、散歩で外を慣らしてきたので、病院までの道には何の問題もありませんでし た。ただ、横断歩道だけはとても気をつけて渡りました。これまでの経験だと、仔犬ってひらけた場所で突然ふざけることが多いのです。美花もちょっときょろ きょろして、走り出しそうになりました。 体重は13.6キロ。どんどん重くなっていますね。2週間ほど間を空けたら、ようやく狂犬病の予防注射です。そしてようやく自治体に届け出ます。 昨日からの掃除続きで、ごそごそ整理をしていたらフリスビーが出てきました。何かで買ったのか、どなたかにいただいたものだったのか。美花に投げたらちゃんと持って来ました。
曜日によって私の動ける時間帯が違うので、退院のときはてきぱき手続きをしたら、すぐに鈴音を連れて帰りたい。そのためにはいろいろ準備をしておかないといけません。すずの好きなふわふわパンとリンゴ、念のために鶏肉も買ってあります。 鈴 音がその後どんなふうなんだかぜんぜん分からないので、想像がつきません。もうきらきら元気なのか、思った以上に元気なのか、一応元気だけどぐったりした 感じがあるのか。もう流動食を取っていると思うのですが、予定通りなのかそうでもないのか。退院後は何を食べさせたらいいんだろうとか。医者にしてみれ ば、まだ先の話と思ったのかもしれませんけど、こちとらも仕事のある身、少し早目に教えてもらいたかった。っていうか、連絡くれるって言ったんだけど、と しつこく思っています。 明日朝、日獣に連絡をして、とりあえず薬のことをどうすればいいのか聞いてみます。 明日会ったら、すずは喜ぶでしょうけど、興奮しすぎないといいのですけどね。きっと「一緒に帰る」という顔をするんだろうなあ。帰れないと分かったらがっかりするんだろうなあ。どうなるんだろう、明日。 |
2010年06月19日(土) 鈴音がいない週末 鈴 音がいないので、家が広く感じられます。そのかわりに、おもちゃ屋さんで買ってきたようなサイズのぬいぐるみが1匹。美花はおだやかな性質なので(らしい ので)、部屋に開放してやっても、きらきらした目をして、じっと1ヶ所におすわりしていることがあります。ちゃかちゃか走り回ったりしないし、いるんだか いないんだかという感じ。 鈴音がいない間に、なんとなく部屋の掃除をしています。普段忙しいということもあって、なかなかきれいにできないでいました。すずはがたごと落ち着かないのがきらいだし、きれいな部屋ですずを迎えてやりたい。 ぞ うきんを片手に、気にいっている「ピリカレ」というせっけんを水溶液にしたものをシュッシュと吹きつけて拭いてゆきます。美花はもの珍しそうに私について きて、ぞうきんの端っこを噛んでじゃまをします。ぞうきんを洗いにゆくと洗面所までついてきますが、ドアから内側に入ることはまだできません。 雨 は午前中には上がったので、まずお昼に一度、散歩に出ました。外はむっとする暑さでした。大丈夫かなと思いましたが、そこは仔犬、元気に歩きました。でも こんな炎天下にお散歩に出ている子はいないので、誰にもあいさつできませんでした。夕方には知っている子と会いましたが、その子はとてもシャイなので、美 花とのあいさつをいやがりました。なんとはなしに、「上の子は今入院しているんです」と言ってしまいます。 美 花は、今日は初めて外でうん こをしました。なかなかよいですね。公園にも行ってみました。幅の広い階段は上手に上り下りができました。行き交う人をじっと目で追ったりもしています。 昨日はペットボトルをパコパコたたきながら歩く男性を不思議そうな様子で見ていました。男性がそれに気付き、ちょっとおどけた表情をしたので「すみませ ん、まだ3ヶ月なんです。何でも興味津々で」と言いました。今日は、ジョギングをしている女性を見つめていました。こういうときは、その人が不愉快でない ように配慮したら、あとはじっくり観察させてやります。「みはちゃん、大丈夫だよ。走っているんだよ」と声をかけます。女性が視界から消えたら、「みは ちゃん、もういい?行くよ」と言いました。美花は私の顔を見て、「うん、いいよ。分かった」という表情で答えます。 美花にとってはゆったりたっぷりの数日間です。確かに、時間がゆっくり流れている気がします。日獣に鈴音を預けているので、心配ではあるけれども心配がないという奇妙な感覚があります。
鈴 音はどうしているんだろうと思います。「ICUに入っているって(ということは)、夜は電気消してるのかなあ」と私。「そうなんじゃない」「でも真っ暗 じゃなくて、どこかに明かりがついてて、誰かが24時間見てくれてるんでしょ」「コンピュータかなにかの監視かもしれないけど、見てるんでしょ」「ただ単 に、ICUに入れてるってことないよね」「そんなことはないよ」と、ばかげた話をしました。つばめのときに見たICUのことをぼんやり思い出しているとこ ろです。「もしかしたら、もう一般病棟にいるかもね。連絡がないから、ぜんぜん分かんないよ」 明日は美花の2度目のワクチンに行く予定です。かかりつけの先生も心配しているだろうから、鈴音の報告もしようと思います。 |
2010年06月16日(水) 美花、2度目の散歩 鈴音を日獣に預け、家は妙にしーんとなりました。夕方、美花を散歩に連れ出すことにしました。すずがいないとつまらないけど、そういう意味では気兼ねなく美花のことをかまってやれます。 今日は真夏のような暑さ。湿度も高かった。仔犬の美花に耐えられるか? 玄 関口からなんの躊躇もなく廊下へ。美花は境界を越える恐怖がありません。鈴音はこれができなくて大変でした(大変です)。美花はそのまますたすたと階段ま で行きましたが、さすがに下りるのは無理でしょう。よっこらしょと抱き上げました。体重は現在12.8キロです。本当に、計ったように鈴音と同じような成長 ぶり。うほうほ。 しばらく歩いていると、初めて他の犬と遭遇しました。前回は鈴音がいたので難しかったのですが、今回はちゃんと会わせることができました。初め、吠えられて逃げていましたが、無事あいさつができました。散歩に出るのは、社会化をさせるためでもあります。その子は8ヶ月だそうですが、うーん、ちっちゃい。美花の三分の一くらい。「またよろしくお願いします」と言って別れました。
家に戻ると、この前と同じように、思い出したようにケージに走っていき、今度はうんこをしました。仔犬め、まだまだだな。 美花はすずのように初めから茶色がはっきりとしていません。今ようやく顔は濃くなってきましたが、おしりまわりはまだ薄茶です。 そ れにしても、静かな子。ケージの中に入れておいても、静かにしていられます。「わー、帰ってきた、かまってくれー、わー、うれしー」という ようなのはまったくありません。「わー、帰ってきた、うれしいけど、待つか」とおすわりしてずっと待っています。こんな仔犬いるのか?(あんずがそんな感じでし た)で、気づけば熱視線攻撃です。なんか熱いなと思うと、じーっと私の動きをまばたきもせずに目で追っていますバーニーズのこの感じ。まとわりつくような感じ。魂がからめとられてゆく感じ。 美花には「すずちゃんいなくてさびしいね。元気になって帰ってくるから、また遊んでもらおうね」と言っています。 |
2010年06月16日(水) 手術の日 少し長くなりますが、まずは手術前日の15日(火)のお話から。 この日、私が帰っても鈴音は出迎えませんでした。朝からベビーフードを0.8カップしか食べていませんでした。でも、おやつはなんでも食べていました。朝におやつの骨をやったらガリガリ食べていたので、突然食欲がなくなったらしいのです。 夕方の散歩のときには、おしっこはしたものの、うんこはしたそうにするんだけども出ないのか、後ずさりするような妙な足踏みをして、からだをよじったらしいのです。 小さなレトルトパウチのフードをやってみたら、半分しか食べませんでした。その後ゆで卵はぺロリと食べました。また、食(べる)欲はあるんだけれども食べられないという感じ。 その後も鈴音はせわしなく部屋を歩き回り、ひとところにおさまりつつも立ち上がり、またうろうろしていました。息づかいがとても荒くなりました。つれあいは、私が帰ってきたら急におかしくなったと、それまではそんなにひどくなかったのにと言いました。私は心配で心配で、つれあいに「どうしよう」と言いました。つれあいは「どうしようって、どうしようもないじゃない。どうしたいの?」と言いました。私は、「日獣に電話する」と言い、電話をし、守衛さんに説明し、担当医につないでもらいました。 突 然様子がおかしくなったことに担当医は驚いていましたが、吐いていないか、下痢をしていないかなど聞きました。歯茎をめくって白くなければ大丈夫だという ことを暗に伝えてくれ(大丈夫です、とは言い切れないから)、「明日、検査の結果を見ないと分かりませんね」と言いました。 その後、2時間くらいたったころ、すずは食べたものを全部吐き、すぐ後でもう一度泡のようなものを吐きました。やっぱり吐きたかったんですね。その後は、少しずつ落ち着きを取り戻し、なんとか一晩眠れたようでした。 16日(水)、09時30分ごろには来てくださいと言われていました。今日は腫瘍の担当医と、手術の執刀医から説明がありました。検査のために鈴音を一旦預けました。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 結果。消化管にできているらしい腫瘍は若干大きくなっている(3.14×2.37)。副腎かリンパ節あたりの腫瘍が少し大きくなっている。血液 中に肥満細胞はなし。貧血は改善されている。ただFDPが10.2、D-dimer6.67とDIC病態に近づいている。心配はあるが、むしろ手術をする のならば今のほうがいい。 腫瘍のこうした状況から、食欲が落ちたのではないかと思われる。 グリベックをやめてたった2日 だが、グリベック休薬のために腫瘍が大きくなったのかどうかは分からない。ただ、前回、効き目が悪くなったと思ったが、むしろグリベックが腫瘍の増殖をき ちんと抑えていたともいえる。手術後は、一般の抗がん剤は使えないし、グリベックの治療を続けたほうがいい。グリベックは術後2日目から飲ませたい。 手 術について。消化管は、腫瘍の部分を切り取って、両方をつなげることになる。おそらく腸管の内壁に腫瘍があるのではないか。手術中に腫瘍を刺激することに よって、ヒスタミンを放出してしまう可能性がある。その時は抗ヒスタミン剤、ステロイド剤を使うが、急激なヒスタミンショックが起きると死ぬこともある。 (これ、アレルギーと読み換えると分かりやすいですね) ---------‐ 手術の同意書にサインをして、鈴音は日獣が用意した首輪と リードをつけました(革でとげとげがついてる原色の首輪。合理的だけど、入院が作業っぽくて悲しい。なんとかならんかなー)。私が大事に抱いてきた(にお いをつけてきた)バスタオルも一緒に預けました。そして「どんな子も同じだとは思うんですが、この子はとても臆病なので、ちょっと気をつけてやってくれま せんか」と言いました。「他の犬が近づくとだめですか」と言うので、「犬は大丈夫ですが、とにかくおびえるので。工事の音とか、そういうのがだめなんで す」と説明をしておきました。 「すず、がんばっておいでね」と私はすずに顔をよせて言いました。つれあいは頭をなでていました。「それではお預かりします」と先生たち。いつも通り、私は「さ、すず一緒に行こう」と言って、だまして、すずは処置室に姿を消しました。とても辛い瞬間です。 私は午後から仕事だったので、急いでAWSに行ってグリベックをもらい、日獣に預け、帰宅しました。 私 は仕事中には動物たちのことを考えないことにしているのですが、今日は時計を見るたびに、「そろそろ手術かな」とか「終わったかな」と思っていました。夕 方になっても、夜になっても日獣から連絡がないので、なんとなく気分がめいりました。つばめのときは夕方には連絡があって、すぐに日獣にかけつけて面会で きたんですが。 友人のTさんから「手術どうだった?」のメールをもらったのが19時すぎ。その直後日獣の執刀医から連絡がありました。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 手術は順調に終わった。出血も最低限だった。様子を見ながら必要なら輸血をする(お金がかかります、の意)。心配していたショックもなし。麻酔からも順調に覚めている。 消 化管の腫瘍は十二指腸の近くだった。予定通り腫瘍を切り取り両方をつないだ。脾臓は取った。肝臓は全体としてざらつきがあったので、もしかしたら腫瘍の浸 潤かもしれない。組織はバイオプシー(生検)に出した(腫瘍の種類を確定するため)。肝臓の右葉に4cm大のしこり、取る。胆のうの近くにあった大きな腫瘍1個、取る。盲腸近くのリンパ節の腫瘍は取れなかった(取らなかった)。これはおそらく同じ肥満細胞腫であろう。 順調にゆけば、この2日は絶食して、19日から流動食、その後固形物を食べさせる。退院は22日(火)以降になる。詳細は18日(金)に連絡する。 面会は(執刀医の考えでは)今週は避けてほしい。興奮させないため。21日(月)には可能だと思う。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 執刀医は早口なので、メモが追いつきませんでした。容赦なく専門用語が出てきました(不親切というのではありません。手短に、って感じでした)。以上の報告の中に間違いがあるかもしれませんが、だいたいそんなふうでした。詳しくはまた今度聞いてきます。 と りあえず無事に手術が終わって安心しました。一応、最悪のことを考えていました。ヒスタミンショックを起こすんじゃないかとか、開腹したけれどもそのまま 閉じるしかなかったとか。でも、今のところは、リンパ節の腫瘍は取れなかったにせよ、あとはうまくいったと言えるのではないでしょうか。肝臓のことは心配 だけれども。それにしても、たくさん腫瘍ができていたんですね。いったいいつからできていたんでしょう。少しずつ増えたのか、一気に増えたのか。 私は先生に「なんかすごいですね。ガンがっていうか、グリベックがっていうか」と言いました。「なんかさ、ガンとグリベックが戦っているって感じするよね」と、これはあとでつれあいに言いました。 私 は冷静にしているつもりですが、やっぱり食欲が落ちました。心配が募るとのど元がしめつけられるような感じがして、胃が縮んでしまうんですね。まあぼちぼ ちやって行くつもりです。つれあいはいつもながら淡々と日々を過ごしていましたが、さすがに今日は日獣からの連絡後はほっとした様子で、「よかった、よ かった」を繰り返していました。 |
2010年06月14日(月) その後の鈴音、美花は散歩に出ました 鉄 剤を2日間飲ませた09日(水)の朝、鈴音が吐きました。朝には便には黒いものが混じっていました。予定通り?日獣の担当医に連絡を取り、手術まで 鉄剤は中止することになりました。「飲ませるのをやめてみて、吐くのが止まり、便の色が戻れば、鉄剤のせいだということになりますね」と、非常に分かりや すいご説明。様子を見ていましたが、どうやら鉄剤の副作用のようでした。それはそれとしてよかった。 鼻の色が若干黒くなっているような気がするのですが、鉄剤の効果か?それとも自然と貧血が治っているのでしょうか。 10日(木)だったか、またフードを残すようになりました。気持ちが悪かったのかな。ベビーフードを混ぜたところ少しは食欲が戻りました。12日(土)の朝 はひと口も食べませんでしたが、最終的には1日で3カップくらいは食べました。やっぱり本調子ではないんだなあ。残したフードに牛乳 をかけてやると食べることがあります。それでも残したときには美花にやります。美花は食欲旺盛。あっという間に平らげます。これぞ大型犬だ。 そうは言 うものの、鈴音はフード以外のものは何でも食べます。骨もばりばり、ローハイドガムもはにょはにょ、ジャーキー類、びっけ類。そうそう、手術前なので、もしかし たら何かあるかもしれないので、とにかく好きなものを食べさせておこうと思いました。この際、何でもいいんだ。ふわふわの菓子パンが好きなので、それをい くつか買って、みんなで分けて食べます(美花だけはだめー)。リンゴとかさつまいもとか。 結 局のところ、フードが食べにくいのか、それとも他のおいしいものを待っているのかぜんぜん分からないんです。仔犬のころからすずは大型犬にもかかわらず、 食が細かった。遊び喰いもよくしていましたし、食べるものにそんなに執着がなかった。三つ子の魂なのかなあ。この数日のなんとなく喰いつきが悪い感じも、 腫瘍のせいなのか、鉄剤のせいなのか。 こうしてみると、つばめよりも鈴音のほうが線が細くて扱いにくいです。ぴりぴりしているというのではありませんが、こわがりだし、ちょっとでも何かあると変な行動をするし、原因を特定しにくい。これまでもそういうことばかりだったので、腫瘍の発見も遅れました。 さて美花です。 09日(水)に病院に行き、「もうコクシジウムはいませんが、あと1週間は薬を飲ませてください」ということで、もう数日投薬が続きます。「そうめん」は1週間前に薬を飲ませた次の日にちょろちょろいました(運よく、担当、つれあい)。「また出るかもしれませんから」と先生。 美 花は病院でも本当に落ち着いています。怖がらない、騒がない、はしゃがない、いやがらない。しっかり四足で踏ん張って、周囲をうかがっている感じ。女先生 が体温を測ろうとしたら、首を後ろに向けてじーっと見つめるので、「なーに?いいじゃない、熱を測るんだから」と言われていました。 診察料と検便、薬代で、計3,360円 3ヶ月を過ぎて、只今体重が12.4キロ。鈴音とほとんど同じ感じで成長しています。と、仔犬のときのすずの様子を「日誌」で見ていて気づきました。「あれ?もうこの時期、すずは散歩に出てるじゃない」 突然ですが、昨日お散歩デビューとなりました。デジカメ、デジカメ!私たちの興奮が伝わるのか、鈴音が落ち着かない様子を見せました。「何かが起こる!」そうです、一緒にお散歩ですよ。どうせほんのそこまでしか行けないからね。 玄関から一歩踏み出すのには30秒ほどかかりましたが、まったくこわがりませんでした。そこからは安全なところまで抱いて行きました。首には、すずのときと同じ、カチッと止まる首輪。美花は見事に歩きました。途中、走っていましたよ。まあ仔犬なので怖いものなしですね。 すずの担当はつれあい、美花は私。
始めての散歩は2つ分の角を進んで戻ってきて終了。家に戻って足を拭いてやると、美花は自分のケージのトイレシーツにかけ込んでおしっこをしました。うふふ・・・仔犬め、外ではできぬとな。すずは夕方にもう一度散歩に連れ出しました。 鈴 音は美花を受け入れて仲良くしてはいますが、案外、こいつくせものです。バーニーズなので、「仔犬?はい、いいよ〜」というような穏やかな受け入れ方は絶 対しません。これは美花にも言えるのですが、どちらも独占欲が強い。だから私たちを奪い合うことになります。私たちはとにかく鈴音のことを立てて、ほめち ぎってやるのですが、あまりに美花が遊ぼうといって吠え続けると、うにょうにょ言いながら「私が吠えてるんじゃない。私は悪くない。これ(=美花)なんとかしてくれ」と嘆願します。そんなときは「すずちゃんは悪くないよ。がまんできてえらい」と言ってやります。 鈴音のくせものぶりを画像に収めました。いじわるーい。
関東も梅雨入りしました。今日は雨です。美花の散歩はまた数日後になるでしょう。 |
2010年06月07日(月) 手 術します 今日は2週間ぶりの日獣の日でした。鈴音は来 週手術をすることになりました。 -------------------- 消化管にできているであろう腫瘍は、2週間前の2.85×2.48から2.82×1.87と小さくなりはしたも のの、若干小さくなっている程度。それでも腫瘍を抑え込んではいる。グリベックではもう小さくならないかもしれない。これ から耐性がつく可能性もある。消化管にできているらしいので、増殖すればまた吐き気などを引き起こすことになる。 治療の選択肢として、別の抗がん剤を使うことも考えられるが、消 化管の病巣、脾臓(の病巣)、それと奥にあるおそらくリンパ節と思われるところの病巣を外科的に取ってしまったほうがいいのではないか。(初め「リン パ節」と聞いていたつもりでしたが、先生は「副腎」か「リンパ節」か判断できかねていたようです。それくらい画像では手前の腫瘍が大きかっ たということ) 背中のしこりはすでに検査していて(こちらには伝わっていなかった)、肥満細胞が入ってはいるが、炎症だと思われる。組織の形態からして腫瘍とは言 えない。 手術をするなら、全身状態がよいときに。今、体調は悪くないので、すぐに手術してはどうか。ただし手術にはリスクがある。すでに 腫瘍が他の部位・組織に癒着しているときは、切除ができないかもしれない。また傷口の治りが悪いということもある(ICU管理)。 またグリベックを服用していることによる手術への影響は、特に、内臓器にできた肥満細胞腫の場合のデータがなく、よく分からない。 手術費用は20〜30万円。 血液検査の結果:白血球の数値はOK。貧血が治っていない(25→26)、たんぱくは上がってきている(2.3)。 手術後の追加治療が必要で、選択肢はふたつ。ひとつはグリベックを使ってゆく。もうひとつは一般の抗がん剤に切り替え、それが効かなくなったらグリベックを再度試 す。ただし、これがうまくいった場合とうまくいかなかった場合が報告されている。 -------------------- 私たちの気持ちは決まっていましたが、先生は「予約を取っておきますので、家で十分話をしてキャンセルしてもかまいません」と言いました。確かに、手術を しないでこのままグリベックを飲ませて、その後一般の抗がん剤治療をするということもできなくはないのです。ただ、私が「それが一番よい方法とお考えです ね」と先生に尋ねたら「そう思います」と言うので、ということは、そのほうが1日でも鈴音と一緒に過ごせる時間が延ばせるというこ と。 それで、来週に手術の予約を入れておきました。どうなるのかは全然分かりません。なぜだか、初めに先生から説明を受けた通りにこと が運んでゆきます。そうすると、やっぱり予後は1年ということなのかな。 グリベックは手術の2日前に一旦中止します。その他の薬と、今回は貧血改善のために鉄剤(知る人は知っている、あの赤い錠剤)を毎日、手術の前日まで飲ませます。鉄剤は消化管を痛 める副作用があるので、もし吐き気などが出たら連絡してほしいとのこと。 手術のことをどうとらえるべきなのか。医者が予測したまさにそのままの状況になっていると言えるのですが、それは対処ができるからよいことなのでしょうか。少なくとも私は表すことので きない不安でいっぱいです。つれあいは「そう高望みするもんじゃないさ。初めは、もうだめだって言われて、それでここまで回復したんだから、これでよし としないと」と言いました。確かに、私は連休の旅行中、そして医者に診せた後も、「すずが私に『わざ』をかける姿がもう一度見られますように」と祈って いたんです。そして実際見事な回復ぶりだったのです。でもここが人間の欲深いところ。元気になったらなったで、今度は腫瘍を消してしまおうと思うのです、それも簡単な方法で。今回の受診で「完全寛解です」なんて言われたら嬉しい、などと。 「しかし、バーニーズはさ、とってもかわいいんだけどね、その副作用がとんでもないねぇ」と、つれあいは「とっても」の部分を強調して、おどけて言いました。まだ3ヶ月の美花を見ても思うのです。「あなたも人生を駆け抜けてしまうの?」と。 手術なんて何でもないかもしれない。でもそうでもないかもしれない。つばめが元気に戻ってくるまでの辛い数日間がよみがえってきました。「見てよ、すずは 『私は幸せだよ、って、今楽しいよ』って言ってるじゃない。ね、すずちゃん」とつれあいはすずの顔を見て言います。 イマチブ(グリベック)10,500円、処方量700円、消費税、合計11,760円(アニマル・ウェルネス・センター) 診察料2,760円、投薬料14,340円*、 検体検査料16,170円、合計33,270円(日獣) *投薬料は、前回日獣の処方ミスのため(薬が足りなかった)、その分が加算されています |
2010年06月02日(水) 鈴 音と美花、いっしょの報告(+画像) 鈴音 白血球の百分率の結果がでました。Seg(好中球)72%、Lym(リンパ球)10%、Mon(単球)15%、Eos(好酸球)3%。しろうと目には大丈 夫な数値だと思うんですけど(かかりつけの先生、何も言わないんだよね・・・ってことは大丈夫ってことでしょう。なかなかコミュニケーションがうまくとれ ないなあ、つきあい長いんだけど)。 美花を病院に連れてゆくのに準備をしていると、「どこ行くの?」とまた騒ぎました。「私を連れて行かないのか?」とお怒りのご様子ですが、あんたを連れて くとめんどくさいよ。ストレス発散のためのごみ箱は撤去。おやつをやるとばりばり食べていました。正常、正常。 フー ドも1日カップ4杯、散歩後の牛乳、いつものおやつなどなど、ごく普通に食べています。散歩もほぼ健康時と同じくらい歩いています。突然、耳の汚れが目立 ち始めました。からだが元気になった分、菌が繁殖しはじめたらしいです。やさしく掃除しました。そう言えば、鼻の色が濃いピンク色になっています。貧血が 続いているからでしょうね。 美花 朝予約を取って、再び検便です。体重は10.3キロでした。重いよ〜。 おかげさまで・・・今度は回虫がいました(涙)。「今どき回虫はいないんですけどね」と男先生。「ブリーダーさんの場所はどこですか?」と。「山梨です。 自然の中だし、仔犬でもある程度過ぎれば外です」 コクシジウムはいなかったらしいですが、3週間は駆除してほしいとのことで(はい、覚悟してました)、薬を1週間、回虫の虫下しは2日分。あー、「そうめ ん」出るのかなあ。 診察料と検便、薬代で、計5,880円 --------------- こ の前の月曜日、ジョディプリのMさんから「豪華おもちゃセット」が届きました。いつものことですが、宅配便の人が「鈴音さん宛てですが」と私の顔をじっと 見て言いました。 私は鈴音って顔じゃないってことでしょうね。「あー、すみません、犬です、犬」。よく見ると差出人が「ジョディ」になってる。 鈴 音が仔犬だったときにくれた「モジャモジャ」(Mさん命名)が「出てきた」んだそうです。このモジャモジャは2代目も食いちぎって、これで3代目です。覚 えていてくれてるー、嬉しい。美花には、私が「日誌」にアップしている画像から気にいってくれるだろうと、同じおもちゃのライオン版。それと仔犬のときに しか遊べそうにないからと、ピンクの「ぴよ」(私、命名)も入っていました。他、いろいろ。最低限の仔犬の準備しかできなかった今回、ぬいぐるみタイプの おもちゃはぜんぜんなかったんです。ありがとうございます!
明日03日で、鈴音は4歳2ヶ月になります。美花はもう少しで3ヶ月です。 |
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