単なる観戦記です。
観戦
記憶






2001年12月5日
タイ国王生誕記念ムエタイ興行
第2部“ムエタイVSカンフー”


  12月5日はタイ国王誕生日。と、いうわけで今年もやって

きたきたサナームルアン(王宮前広場)ムエタイ興行。

巨大な広場で料金無料。毎年10万人ともいわれる観客が

集まるビッグイベントである。

昨年は金メダリストのソムラックや人気キックボクサーの

魔裟斗が出場して日本でもちょこっと話題に。



さて。今年の目玉はなんと「ムエタイVSカンフー」。

観戦記で変なボクサーを形容するのに「謎の拳法使い」と

ついつい称してしまうが、本場中国のカンフーマスターが

ムエタイと闘うとは驚きである。



獅子舞先導。京劇風音楽に乗って中国チーム入場。中国国

旗を振る観客が写される。ついでタイチーム入場。先頭は

タイ古典舞踊でよく登場する仮面&キンキラの衣装の人物

だが、最後尾はタイの世界戦でおなじみの旗振りのお兄さ

ん(おじさん?)。髪を真っ赤に染め気合いが入る。



両国国家吹奏、VIP紹介&挨拶とセレモニーが進む。この日

王宮前広場ではコンサートも行われているらしく、BGMが

演歌なのが妙におかしい。試合が盛り上がっているとこ

ろにふにゃけたタイポップスが大音響で流れたりとか緊張

感いまひとつ。お祭りムード満点。




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▲ボウイー(右)にタックルするヂョー・ヨン・チン


ボウイー・ソーウドムソン(タイ)
判定
ヂョー・ヨン・チン(中国)
愛称「ランボー」。パンチでとにかく攻めまくるスタイル

で人気のボウイー登場とあってリング周辺過密ぎみ。

各コーナーから花火がたかれ、火の粉かぶった人はかなり

いそう。ボウイー見たさかそれでも下がる人は皆無。



ワイクルーを踊るボウイー。ヂョーは勿論踊らず緊張ぎみ。

両選手とも肘当てを着用。アナウンスによるとレフェリー

は中国。ジャッジはタイ2人。中国1人。以降の試合は聞

き漏らしたが。全試合同じジャッジ国構成のようだ。

1R2分x5Rの特別ルール。



1R。いつものように左ジャブから前進するボウイー。ヂョ

ーは前蹴りからボウイーを高々と抱え上げ、真下に叩きつ

けた。なんだこりゃ〜〜〜 ! ムエタイにこんなのない !

中国人はこの技と低い体勢からのタックルでロープ際まで

押す。こればっかり。アマレスじゃないんだから。でも

パンチや蹴りも多少は出すので。シュートボクシングと試

合しろ〜〜〜とツッコミ。



ボウイーは最初は面喰らったものの、タックルをはずして

ローキック&パンチとか、投げられそうになるところに膝

とか徐々に対応。



2R。ヂョーは右フックから前蹴りも見せるが、低い体勢

でタックルを多用。ボウイーはパンチと左膝蹴りで前進。

お互い自分のルールで闘っているという感じでちぐはぐ

な印象が。



3R。ヂョーが持ち上げようとするが、ボウイーは重心を

落として防ぎ、膝蹴り。カンフーにはない技なのか、右

膝蹴りが面白いように決まる。ゴング直前右フック右ミ

ドルキックでコーナーにつめ、観客の90%?をしめる、

タイ人大いに盛り上がる。



4R。ヂョー前半は前蹴り、あとはタックル。ボウイーの

膝ヒット。それでもタックルで倒す。見上げた根性。

30秒前。ボウイー前蹴りをつかんでローキックで倒す。



5R。ヂョー前蹴りとタックル。ボウイー右膝。こればっ

かりでちとダレる。膝は相当効いているようであったが。



採点基準が不明だが、ムエタイだと膝でポイントを稼い

だボウイー文句なく判定勝ちってとこだけど。。。。




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▲アタチャイ(左)のミドルキックはキャッチされる


アタチャイ・ポーサムラーンチャイ(タイ) 
2R KO
ワン・ジン・フン(中国)
「ムエテーワダー(神のボクサー)」なんてアナウンサー

に紹介されたアタチャイ。鈴木秀明との対戦で日本のキッ

クファンにもおなじみ。初来日時のパンフレットには

「ムエタイの天才児」「500年に一人と逸材」と記載。



1R。ワンいきなりパンチ連打。タックルで倒す。なかなか

速い。アタチャイ得意の左ミドルキックは何度もキャッチ

され、前に倒されてしまう。アタチャイの左脚を抱えた状

態で、右脚をローキックで払うなどという、ムエタイでよ

くある技も披露。タイ人じゃないのにうますぎ。



得意の左ミドルをタイナーされ、ムカついたのか。いつも

の無表情ながら目が本気になったアタチャイ。左ローキッ

ク、左フックで前進。



2R。アタチャイ左ミドルはつかまれるが、密着したとこ

ろをみはからって左膝蹴り。先のヂョー・ヨン・チン同様

ムエタイ独特のボディにピンポイントで決まる膝蹴りは相

当つらそう。アタチャイ左ローキックから左膝で前進。



威圧感が凄いのかワンあせりぎみに後退。アタチャイコー

ナー付近で左ボディストレート3発、左膝蹴り、左ボディ

ストレートでダウンをとる。ワンなんとかおきあがろうと

するものの、カウント10数えたところで力つき倒れこんだ。



相手がボディ弱いと見るとすかさず攻撃を集中。倒しにか

かるアタチャイって初めて見た。滅茶苦茶怖い。ムエタイ

をなめんなよ。ってことか。トップ選手のプライドを感じ

た。ワンもアタチャイを怒らせただけあり、凄いスピード

と勘である。



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▲ヨーデーチャー(右)の豪快なハイキック


ヨーデーチャー・シットヨートング(タイ)
判定 
ラールー・ルートゥー(中国)
ムエタイでは選手数が少ないウェルター級、しかも首相撲が

苦手で賭けの対象になりにくいのか試合数が極端に少ない

ヨーデーチャー。しかし対外国人選手がお約束のこの興行で

は常連。来日試合ではパワフルなロー&ハイキックと筋肉美

でファンを魅了した。



1R。先の2試合では「中国選手はくっつきたい」とう感じだ

ったが、両者距離をとって攻撃している場面が多い。ヨーデ

ーチャーは右ロー&ミドルキック、右フック(&肘)など。

ラールーはパンチと左サイドキック。組んで左膝など、ムエ

タイ寄りの攻撃を見せるも、やはりタックルはある。日本で

桁違いのパワーを見せつけたヨーデーチャーがタックルで倒

されたり投げられるシーンは衝撃的。



2R。ヨーデーチャー左ハイキックから強烈な右フックがクリ

ーンヒットし、ダウンを奪う。立ち上がり、自分のコーナー

に戻ったラールーに、中国セコンドロープごしに肩をもんだ

りとか思いっきり介入。タイ側もヨーデーチャーの腕をつか

んで何やらアドバイス。ど〜〜〜〜〜〜なってんの?



ヨーデーチャー左ストレートをよけカウンターで右ストレー

トヒットと危ない場面は続くが無事ゴング。



3R。ヨーデーチャー右ローキック。右ストレート、左ミドル

キック。パワーで圧倒。ラールーはそれでもあきらめずパンチ

とタックル。



4R。ヨーデーチャー右&左ハイキック。右ローキック。5月

の松浦戦を思い出してしまう攻撃パターン。ラールーはサイド

キックとパンチで応戦するもかなり疲れ、ラウンド後半には2、

3度後ろを振りかえる。もうやりたくなさそう。



5R。両者攻撃単発ぎみ。



終始ヨーデーチャーがパワーで圧倒。2Rのダウンで試合終ら

せるべきだったのでは。とまで思わせる内容。後半のラウンド

は試合内容を追う気力がなくなり、ついヨーデーチャー鑑賞に

走ってしまった(笑)。カッコいいな〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

モデルの照英とか好きな人にはおすすめ。



ワン・サン・チュン(中国)
判定
カノンサクレック・ケーティージム(タイ)
1R。お互いローキックで牽制しあう。ワンのハイキックは

よけられてロープの外に出そうになるシーンも。なんか

ムエタイっぽい出だし。



あとは。右ミドルキックばっかり出すカノンサクレック。

当然つかまれてろくに攻撃できず。ワンは相手の蹴り脚を

パンチ&投げとか、左サイドキック&右ストレートとか。

3Rには後ろ回し蹴りとか後ろ回し肘とかも飛びだし。な

められてるぞーカノンサクレック。何やっとんじゃー !

少しは頭使えよー。試合後控室でアタチャイにシカトされ

たに違いない。そういうわけでタイマニア&タイ人客萎え。

中国人客大喜び。



クンデート・チョーシーパサー(タイ)
2R KO
ヤン・パオ・イー(中国)
ラールー・ルートゥーと同様前髪だけパツキンのヤン。流行

っているのか。クンデートは日本でおなじみのオーローノー・

ポームアンウボンをゴムまりみたいにポンポン投げてしまった

脅威のパワーの持ち主。カンフーの投げには投げで対抗するに

違いないと期待。



1R。クンデート強烈な左ローキックでヤンダウン。ジョムポ

ップ戦でじん帯を切った押川を彷彿させる危なっかしい倒れ

かた。ヤンは左ハイキックや左サイドキックで持ち直そうと

するがクンデート組んで強烈に右膝蹴り。パワー全開。



2R。開始早々ヤンがクンデートを軽々投げたところで・・・

・・・・番組終了〜〜〜〜〜(号泣)。。。

そのままニュースが始まり王様誕生日の儀式が。。。

クンデート〜〜〜〜〜〜〜〜もっと見たかった〜〜〜〜!

試合はこのままパワーで圧倒して判定勝ちだと思った。



・・・が「ムエサイアム」で結果を確認したところ2R KO。

もうちょっと流してくれれば見られたのに(涙)。



カンフーというとジャッキー・チェンの映画みたいな派手な

技の応酬を思い浮かべる。が、競技としてのカンフーは意外

に地味。タックルや投げも有効な攻撃と認められているよう

で、思ったより総合格闘技だ。ムエタイ独特の膝蹴りにはと

まどったものの、スピードがあり、キックに対するディフェ

ンスもしっかりしていたので、本国でもトップクラスの選手

を揃えたのではないだろうか。両国とも慣れない異種格闘技

戦ながら、はじめて受ける技の慣れは素早く、格闘家として

の力量を感じた。



・・・で、でもボウイー怒涛のラッシュが見たい、とかアタ

チャイの華麗な左ミドルが見たいといったムエタイファンの

希望はかなわず。不完全燃焼。各選手とも自分の持ち味がい

まひとつ出ず不本意だったのでは。やはりムエタイはムエタ

イと闘った方が面白いと痛感。






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