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SKI RESORT DATA |
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「スキーは早起きして行くもんだ」という先生がたをなんとかダンナが説得し、当日は、S先生の愛車にK親子が乗ってくる「先生チーム」とわれわれ「あねもねチーム」との待ち合わせを、関越自動車道の三芳PAに朝8時と決定した。
起きてみると、すがすがしいほどよく晴れていた。なんとか8時ちょい前に三芳PAに滑り込むと、ほぼ時間どおりに、先生チームのレガシーが到着するのが見えた。なかなか幸先のよい滑り出し。さっそく、K先生がビデオカメラを手にはりきっている。
と、思ったら、親子してSAの建物の中へ。朝ごはんを食べていないそうで、二人で饂飩なんぞすすっていらっしゃる。
K先生の息子Y君は、中学生には見えないほど大人びており、小さい頃から親にくっついて会社に出入りしたり、行事に参加したりしていたそうですっかり場慣れしている。大学生といっても充分通るだろう。なんと、今回は「熱が出て学校を休んだ」ことになっているらしい。お母さんまで共謀しての参加である。父親いわく、「高校に進学できたお祝い」なのだそうだ(Y君の通っているのは某大学付属中学で、このたび学内の進級試験に合格したらしい)。
気を取りなおして(?)三芳PAを出発、快晴の中順調に走りつづけて、塩沢石打ICを出、目指すは「塩沢江戸川荘」。ここは、江戸川区が持っている施設で、区民だと1部屋2名利用で1泊2食付き8,000円、ビジターでも9,000円と安い。到着してみると、ホテル並みに立派で新しく、きれいな建物で驚いた。
まずはここで着替えと、K先生親子の道具のレンタルを頼む。スキー場は、この宿で格安リフト券が購入できる「舞子後楽園」へ行くことに決まった(1月にも行っているけれど)。
再び道具を車に積むまでの間、ケータイを手に仕入先へ商品を発注している人間がひとり(ダンナだ)。旅先でも立派にモバイルで仕事できるじゃん。やっぱこれからの営業マンだね〜。
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江戸川荘からは車で5分の舞子後楽園。今回は、日帰り客(?)に便のいい「舞子フォレストハウス」というスキーセンターのある長峰側の駐車場へ。
ここからだと、舞子ゴンドラにもすぐ乗れるので便利便利。新潟育ちのS先生は、昔からホームゲレンデのように訪れていて馴染みの店も多いらしいが、去年ここをはじめて訪れたというK先生にとっては、舞子ゴンドラは今回初体験だ。なぜなら、昨年の先生ツアーでは「新幹線に乗ってGALAに行こう!」という計画だったのが、大荒れの天気であったためにGALAは営業停止、しかたなく振り替えで訪れたここ舞子スキー場も、リフトが動いていたのはメインの後楽園ゲレンデ(注:舞子2001年1月編参照)だけだったらしい。そのときのGALAスキーセンターは「巨大な更衣室」と化しており、K先生いわく「ガーラガーラ」だったそうだ(はい、ここ笑うところね)。
ゴンドラに乗ると、ガタイのわりといい男4人+厚みのある女1人が詰まってぎゅうぎゅうだ。
とくに、S先生は、こうしてスポーティ(死語)な服装になると体格のよさが災い(?) して、音楽関係の人には見えないと思う。
「あれ? ゴンドラ整備のおじさんは客と一緒に乗っちゃダメでしょ?」K先生がすかさず軽いジャブをカマす。「いや〜、山向こうのダムを見に来てほしいちゅう要請があったもんでね…」く、苦しい。
ゴンドラ山頂駅に着いて、まずは奥添地ボウルを軽くならす。きょうはこれだけのピーカンだから、たとえ舞子の中では標高が高く、ふだんはわりと雪質がいい奥添地も、溶けたところが少し凍った感じで雪面がカタい。エッジがあまり立てられず、どちらかというとずらしながら滑ってしまう私は、こういうカタい雪がニガテである。
1度長峰の中腹まで滑り降りてから、こんどはクワッドでまた山頂まで上る。このクワッドの存在には今まで気がつかなかったあねもね家。これだとなかなか効率よし。
中級チーム(S先生&ダンナ)と初級チーム(K先生親子&私)に分かれて、違うコースを降りてみることにした。
山頂で、K先生しばし「飯士山(はんしやま)」の撮影にふける。Y君もデジカメで撮りまくる。
そりゃそうだよね。私も、ここでこんなに飯士山がきれいに見えたことないもん。それにしてもマイペースなかたがた。私も、かなりトロいやつなので、これくらいのペースがありがたい。
初級チームの特権で、ビデオの被写体にも収まりながら下山。やはり、雪質がちょっと悪くなるとボーゲンに逆戻り。迂回コースを多く通ればかなり足にくる。
皆それぞれに撃沈していて、他人事のように滑っていたつもりの私も、だらだら斜面をやり過ごそうと、かなり前から直滑降・ノンストップで飛ばしていたら、コースを半分ふさいでいたチャラチャラボーダー女3人をよけきれずに、転びながら顔面を雪にしこたまぶつけてしまった。
こんな感じで、早くもくたくたになっていたわれわれは、中級チームと合流すると、お昼ごはんをとるためにレストランの多い後楽園ゲレンデ側へ移動したのだった。
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舞子常連のS先生の馴染みのラーメン屋さんへの期待があったが、店を出てからの都合により、前回私たちが入ったのと同じ「IIHO」になった。
ともあれ、先生がたは滑ることよりも何よりも、これが最大の目的…とばかり、ビールを買い込んでいる。どこにしまいこんでいたのか、ビニール袋にぎっしり入った皮付きのピーナッツがいつの間にかテーブルの上に出ている。
ちょうど空いているテーブルがあったので、そこを陣取るとS先生が、「窓際の眺めのいい席がいい」と頑張っている。数分後に窓際のテーブルが空いたので、お引っ越し…と、カンジンのS先生、なぜか窓を背中にして座ってしまった。なんだかな〜。
さてさて、ビールを注いで「カンパイ〜!」。ここからが先生がたの本領発揮であった。
いやいや、ここには書けないようなキワドイギャグが続々と…アルコールで舌が滑らかになったのか、出るわ出るわ。
「いや〜、なんだかさぁ、最近酒呑むと酔っぱらっちゃう癖があってさ〜」…癖だったのか。
きょうの宿の江戸川荘の話になり、S先生が「5月には菖蒲(しょうぶ)湯になるんだよ」と説明すればK先生「え? 菖蒲湯でショウブパンツぅ??」。
私がどう反応したらいいかとまどっていると、「え? オクサン、わからないかなぁ。菖蒲はショウブで勝負もショウブ、だから菖蒲湯で勝負パンツ…」と、こちらが笑うまで得意満面に延々と説明しつづける始末。
…どこ吹く風で未成年のY君、ひとり大盛りのカレーを黙々と食す。こうやって、彼はたくましく生き抜いてきたのね、と妙に感心。
小1時間も経とうという頃、ようやくごはんを頼むことに。
缶入りカクテルか何かで軽く酔う程度のつもりだった私も、いちどグラスを渡されたが最後、空になると見るや途切れなく注がれるビールでもうタプンタプンになっていた。そこで、ダンナとふたりでひとつの丼ものを頼む。先生ふたりも、ひと皿のたらこスパを仲良く分け合っていた…ははは。
その後のスキーは推して知るべし。少しなだらかな場所で、K先生がひとりひとりの滑りをビデオ撮影してくれることになったが、どんなカッコをして滑っているのか自分でもよくわからない。そんなことより、ト○レが近い。
ええい、もう上がってしまえ!ってな具合で、少し物足りなそうなY君をよそに、後先考えない大酒呑みの年寄り所帯である私たちは、そそくさとゲレンデを後にしたのだった。
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江戸川荘に戻り、チェックインして各部屋へ。われわれ夫婦と、残りの先生がたは別室となっていた。しばし休むと、お風呂に行こうとダンナが内線電話で先生ルームへ連絡をとると、さっぱり応答がない。あわてて様子を見に行き、戻ってきたダンナに聞くと、S先生はもうすでにひとり大浴場へ向かい、K先生は窓の外や館内を撮影しまくり、Y君は部屋の回線をわざわざ持ってきたキーライムのiBookにつないで、インターネットをやろうとしていたらしい(だから誰も電話に出なかったのか)。
いやはや、やはりマイペースなかたがたである。
それならばと、われわれも大浴場へと向かう。
ちょうどこのとき、江戸川荘には一般客は私たちのほかに1組しか泊まっていなかったのだが、区内の小学校でスキー合宿か何かだったらしく、団体さんでごったがえしていた。私たちがお風呂についたころは、もう宿の夕食時間(p.m.7:00)に近かったため、小学生は最後の数人がいそいで入っているという感じで、空いていた。それにしても、最近の小学生ったら、発育がおよろしいようで…オバサン、目のやり場に困っちまいましたよ。
洗い場に隣接して「ラドン泉」の小部屋があり、ちょっと興味があったので私ひとりになってから、扉を開けようとして…開かない。重くて、ビクともしない。少し淋しい気分で上がる。
部屋に戻ると、先生がたの部屋で夕食前のプチ宴会が催されており、1杯だけお相伴にあずかる。
やはり、皆さん上機嫌なご様子。なによりなにより。
夕食をとろうと大食堂に入ると、衝立の向こうで大騒ぎの小学生を尻目に、こんどは日本酒攻撃。ああ、いつまで続くか、この酒宴…。
夕食後、くつろぎを求めて、ロビーの方へ歩いていくと、小さく区切られた暖炉前のコーナーが目にとまる。なんと、ここには電子ピアノが置いてあって、S先生が気まぐれに流し弾きなぞ披露してくれたり。ここで、K先生がリクエストしたのが、「Misty」であった。
私たちのイデタチと、このスペースから漏れ聞こえる音楽とがどうしても結びつかないんであろう、食後、小グループに分かれて研究会か何かやっているらしい小学生に、なんどかのぞきこまれた。
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長い夜になるかと思われたが、意外や皆さんお疲れのせいか、早めに床に入った前日。
2日目のゲレンデをどこにするか議論した結果、宿に割引クーポンが置いてあった上越国際スキー場に決定。
八海山スキー場にも興味があったのだが(酒のせいじゃないよ)、ちょっと遠いということで却下。
道を知っているというS先生のレガシーにくっついて、15分ほど走ったろうか、だんだんと細い道に入り、ようやくスキーセンターの見える駐車場に出た。…と、S先生、あわてている様子。「やっべぇ〜。俺、道間違えちった」
上越国際スキー場とひと口に言っても、実はいくつかのゲレンデをリフトで連絡しながらつないでいる、日本有数の広大なスキーエリアである。そのいくつかのゲレンデの中のひとつ、大沢ゲレンデ下の駐車場につけるつもりが、どうやら当間(あてま)というゲレンデのほうへ来てしまったようだというのだ。でも、うちの車のナビで追ってきた限り、間違ってはいないはずなんだけど。当間って、山ひとつ越えたところだし、こんな近くないと思うんすけど…。
それでもS先生は「違うところへ来ちゃった」と言いはる。きのうからの付き合いで、なんとなく呑みこめてきた私。ときどき、この人たちは真顔で冗談を言っていることがあるのだ。
本気でそう思っていたのかどうかはいまだ不明だが、ようやく正しい場所にいるということに納得してくれたようだった。
リフト券を購入し、大沢のコースを1本滑ったあと、上越国際名物「おしるこ茶屋」を目指して移動。
上越国際では、すべてのコースを1日で巡るのは至難のワザ、とりあえず1本滑っては、リフトで移動、という行動パターンになる。どちらかといえばリフトに乗っている時間のほうが長い。
この点では、先生がたも私たちも、休み時間が多いということで喜んでいた。
![]() それでもやっぱり(笑) おしるこ茶屋前で1枚。 |
「おしるこ茶屋」はなんてことのない、小さい小屋で、周りにはさながら小原宿のようにレストランが並んでいる。きょうも暑いくらいの快晴なので、おしるこなぞ食べたくもない。周りにはボーダーがひしめき合い、コースでは接触事故が続出。んなわけで、そそくさとこのエリアを脱出し、最近できたばかりという「スキーヤー専用ゲレンデ」を求めて、当間方面へ移動した。お昼も食べたいしね。
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上越国際のつらいところ、それは平行移動やスキーを履いての登りが多いことだ。当間ゲレンデに行くにも、平行リフトに乗ったり、リフト乗り場まで逆ハの字で登ったり、へとへとになってしまった。
やっと着いた「スキーヤー専用ゲレンデ」はなかなかよかった。斜面が西向き(だったかな?)で比較的雪質もいいし、ガバガバガバ…と音をたてて迫りくるボーダーの恐怖とも無縁の、音のない世界だ。
でも、ここのレストランは谷間で景観はあまり期待できない。どうしても眺めのいいところで食べたいという先生の希望で、このコースも結局1本しか滑らず、当間のさらに奥地へと向かった。
![]() 当間第4クワッド上より。 これは見えないわなぁ〜。 |
上越国際スキー場内でもっとも標高が高いと思われる、「当間山(1,017m)」山頂にほど近い、展望レストラン「パウゼ」から滑り降りる「当間第4ゲレンデ」を2本ほど滑ってみた。途中に手ごわいコブコースがあって、かなり体力を消耗。K先生はもうすでにひとり板を外して、展望レストラン脇でデジカメを構えていたらしい。私たちがリフトで上ってきたところを、すかさず撮ってくれた。
さて、「パウゼ」で昼ごはん、という段になって、ハタと気づいた。
「トイレが故障中です。ふもとのレストランのトイレをご使用ください」。
ううううう。昨日の飲酒量を考えたら、まさか、もよおした人はすみやかに板を履いてふもとのレストランへ…というわけにもいくまい。
したがって、体力がまだあるうちにと、S先生・Y君と合流すると、ふもとのレストラン「ホルン」へと向かったわれわれなのだった。
きょうは無難に昼食をクリアしたわれわれは、食後のひと滑りへ。
とはいえ、もうK先生とわたくしあねもね妻には、ほとんど余力というものが残っていなかったのだ。
例の「スキーヤー専用ゲレンデ」を食後にもう一度、などという夢ははかなく消えた。
とにかく、たどり着けるうちにベースの大沢駐車場に戻らねば。
K先生と私の合言葉は「おのれの体力を自覚した滑りを!」だった。
その判断が間違っていなかったことは、ただちに証明された。
無理をせず、超初心者用迂回コースをとったK先生と私。それでも、足元を確認しながら、そろそろと滑っていく。
「迂回コースは距離が長いし、このスピードじゃやつらはとっくに駐車場に着いてるよなあ」。
K先生のことばに、私もうなずいた。
途中で中級コースに分かれたS先生の姿が見えた。まだ残りの2人は来ないという。
しかも、新潟出身のS先生も転ぶほどのくせもの斜面があったらしい。
5分過ぎ、10分ほどが経過。やっと、Y君とダンナが来た。
転んでしまったS先生を見て大笑いしていたY君も転び、ダンナも四苦八苦したそうな。
あ〜よかった。そっちに行かなくて。
そんな安堵の表情も次のシーンでは凍りついた。
「この先急斜面ですのでご注意ください」そんなカンバン初級者迂回コースの先にいまさら立てても遅いわいっ!
トイのように幅が細くなり、コブの貼りついた手ごわい斜面がわれわれを待ち受けていた!!
距離は短かったから、午前中の私たちならなんとかこなしていたと思う。でも…。
期待どおり、K先生も私もちょうど真ん中あたりで立ちつくしてしまった(というか転んでいたが)。
体力も限界を通り越した私たち2人をつき動かしているものは、もはや「絶対に…家に帰りついてやる…」という気力だけだった。
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疲れ果てて宿に入ったわれわれは、速攻大浴場へ。
きのうとうってかわって、誰もいない風呂につかりやっと生還(?)。
扉が固く閉まっていて入ることができなかった「ラドン泉」もきょうは開放されていて、試すことができた。密閉されていないせいで、有効成分が飛んでしまっていてあまり意味がなかったようだ。
風呂上りにロビーで休みながら、ホテル代や諸々の費用の精算に入る。
S先生、なにやらまた悪ふざけか。ロビーの片隅にしつらえられたバーカウンターの裏側から、窓の水取り用のワイパーを持ち出してきた。
こんどは掃除のおぢさん出没か。また妙にお似合いである。
続いてまた怪しげなアイテムを発見。天井の電球を交換するとき用の「電球つかみ棒」なのだが、男子全員妙にウケている。しゃーねえほっとくか。
![]() 愛車マリノの車窓より。 |
さんざはしゃいだあげく、思い残すこともなく(?)「江戸川荘」をあとにし、帰途に着いたわれわれだったが、最後に行きの朝落ち合った、三芳PAでさよならすることになった。
S先生のレガシーの中で、Y君がiBookを立ち上げていた。なにか見せてくれるらしい。
そこには、今回のツアーでの彼のゲージュツ作品である画像の数々が…。
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それにしても、さすがS先生。どんな風景にも溶け込んでみごとな一枚の絵になっている。
Y君の超大作が完成を見、 こうして、われわれの壮大なツアーも静かな幕切れを迎えたのだった。