ベトナム反戦直接行動委員会


軍需工場の労働者のみなさん!!

あなたの工場では、アメリカのベトナム侵略に便乗して、恥知らずにも 米軍へ武器をうりこんでいることが明らかになっています。
 いうまでもなく、戦場でまっさきに死ぬのは、われわれ労働者、そして農民です。
 一人の人民が、血まみれになり、泥に沈む度に、焼けぶとり、自らの腹をこやしてはばからない”死の商人”がほかならぬ、われわれの眼前で、したり顔よろしく、ベトナム戦争の激化を、ひそかにほくそえんでながめているのを、われわれは見過ごすわけにはいきません。
いや、彼らは、単に”ながめて”いるばかりではありません。
 早い話が、アメリカにおいて、ベトナム戦争を拡大すべく政府に圧力をかけているのはほかならぬ、軍需産業の資本家達であり、そして日本でも、ベトナム特需はブルジョアジーの”景気回復”のかけ声を可能にした唯一の根拠であるといってさしつかえないのです。
 戦争こそは、ブルジョアジーにとっては自らの延命をはかるためのカンフル剤であり、さらに積極的な意味では帝国主義的な発展のための手段であり、どのような大義名分をふりかざそうとも、彼らにとってはそれ以外の何の意味ももたないのです。
 平和のため、国のため、はたまた”共産主義の脅威”彼等がこれらの種々を声高にさけべばさけぶほど、われわれに、血にまみれて死んでいく兵士の心情の切先があるかぎり、それらがいかに欺瞞にみちたものであるかは一目瞭然ではありませんか。
 現実が、このように戦争へとあみあげられた体系そのものであるならば、彼らブルジョアジーに、平和を”お願い”する、いわゆる”平和運動の不毛”もまた自明のはずです。
 われわれは、自らの実力をもって、武器のベトナムへの輸出を、完全に不可能にすべく生産点で戦うべく私たちと、ともに追求しようではありませんか。
 そして、それこそが、共に、帝国主義的資本主義の抑圧のもとに苦吟するベトナム人民とわれわれの共通のバリケードを創り出すものであるはずです。

 一九六六年一〇月一二日

ベトナム反戦直接行動委員会
渋谷区幡ヶ谷3−12
地六社内