築比地仲助


  革命の歌

ああ革命は近づけり   ああ革命は近づけり
起てよ白屋襤褸の児   目覚めよ市井の貧窮児
見よわが自由の楽園を  蹂躙したるはなに奴ぞ
見よわが正義の公道を  壊廃したるはなに奴ぞ
圧制横暴迫害に     われらはいつまで屈せんや
わが脈々の熱血は    あくまで自由を要求す
われらに自由なからずば むしろ墳墓をえらばんと
わが同胞はロシアにて  絶叫しつつあらざるか
春爛漫の花さえも    権門勢家のために咲き
秋玲瓏の月さえも    瑤台朱閣のために照る
わが児はかつて戦場に  彼らがために殺されき
老いたる父はいたわしや 彼らがために餓死したり
ああ積年のこの怨み   いかで霽さでおくべきか
われらは寒く飢えたれど なお団結の力あり
いざ起て友よ革命は   われらが前に近づけり
農夫は鋤鍬とりて起て  きこりは斧をとりて起て
工女は筬をとりて起て  坑夫はダイナマイトとりて起て
森も林も武装せよ    爆弾なにゆえ飛ばざるか
われらが屍血くだりては やがて染めなす赤色旗
高くかかげて惨虐に   反抗すべく絶叫せよ
ああ革命は近づけり   ああ革命は近づけり



  革命の歌 (改訂)

ああ革命は近づいた。  ああ革命は近づいた。
起てよ、すべての人々よ、目ざめよ兄弟姉妹たち。
見ろ、わが自由の楽園を、ふみにじったは何者だ。
見ろ、わが正義と平等を ふみつぶしたは何やつだ。
支配と搾取、迫害に、  われらいつまで屈しよう。
わが脈々の熱血は、   あくまで自由を要求す。
われらに自由なかったら、むしろ墓場を選ぼうと、
わが人類は万国に    絶叫しつつ戦闘す。
春らんまんの花さえも、 権力者どものために咲き
秋れいろうの月さえも、 資本家地主のために照る。
わが同朋は戦争に、   やつらのために殺された。
老いた人はいたましく、 やつらのために死に去った。
若い男女の青春も    やつらのために奪われる。
ああ長年のこの怨み、  どうして報いずおくものか。
われらは少く弱くとも、 自由連合の力あり。
ああ起て、君よ、革命は、われらの前に近づいた。
農夫はスキ・クワ取って起て、工夫はツルハシ取って起て、
木こりはオノを取って起て。 女工はオサを取って起て、
学徒は棒を取って起て、   森も林も武装しろ。
石は何ゆえ飛ばないか。 マイトは何を爆破する。
われらの熱血くだっては、やがて染めなす黒旗を、
高くかかげて圧制に、  反逆すべく決起しろ。
ああ革命は近づいた。  ああ革命は近づいた。
起てよ、すべての人々よ、目ざめよ兄弟姉妹たち。


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