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乱乱小屋

16. 老人の死

 訃報あり、通夜に行く。兆しはあったのだ。齢に似合わず元気なその老人の姿が会合に見えなくなったのだ。 かっては、くたばっちまえ!だけどこういうのが長生きなんだよね。私と彼との関係 はそのようなものであった。しかし、その不吉な兆しを耳にした時。突然の寂寥が襲った。理解し会えぬ互いが、それでも同じ空間を住み分けている事実に諦めた矢先のことではあったが、決して同情とかではない。
 このようにして朽ち果てる。ただそれだけのことだ。この当り前のことが、我が身にせまったのだ。
 名も無き人の、浅き縁の人の故に、<死>のみが残った。
 やがていつの日か。

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