メンバーの小屋

乱乱小屋

10. アナキズムの死体

 つまらない。
 そこかしこに転がっているアナキズムの死体。それをズルズルと引っぱってきては 並べ、死装束を新たにしてやる。手向けの線香は、長続きしているらしい。
 こんなもんがありがたいか!
 死体! 死体! 死体! 死体! だ。
 かさかさに乾き干からびた、ウジすらよりつかない冴えない死体。
 え? 聞こえている?
 誰一人生きてやしねえ。どうして声が聞こえるんだ。そいつらは何も言ってないぞ。
 天声か神の国かよ。
 「それは麗しい」「光輝くよう」「希望」「なつかしさ」「勇気が示される」
 なに寝言言っているんだ!
 おまえの腹話術じゃねえか。
 おまえがしゃべっているのになぜ気付かない。
 そいつ/死体がなきゃしゃべられんのか。
 いや。
 おまえも死体なんだな。
 だが気づけ、復活させるのはそいつじゃない。おまえ自身だ。
 そうすれば、少しは面白くなる。

 ー文献リストという墓碑銘を見て詠めりー

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