メンバーの小屋

乱乱小屋

9. 猫盆栽

 ガキのころ、猫盆栽を作ろうと思った。いわゆる・・って誰も言っていないが動物盆栽である。
 子猫を捕まえて針金で縛る。例えば胴体を縛って、餌は与えていくと、頭だけデカイ猫が出来たら面白い。あるいは鉢植えにした猫をテーブルの上において食事をするのはどうだ。箸をねぶらせて掃除さすとか、加えてパブロフの実験とかも面白いぞ。拷問も試みるはずだった。仲間の家に泊り込んで、マタタビをまぶした魚を焼いて猫捕獲を謀ったけど失敗。猫捕り行脚も失敗。小動物イジメで憂さ晴らしをしようなんていう歪んだガキに捕まるほど猫もバカじゃなかったわけだ。計画は頓挫した。
 以来、盆栽は頭の片隅にある。動物のそれはやめたけどね。盆栽の異形さが好きだ。特に真柏といって、断崖絶壁に風雪に長年さらされてた樹木を山採りしたものが凄まじい。その捻れぶり。まさにバロックだ。明治から大正にかけて、一大ブームが巻き起こって、それこそ一山狙って命賭けで山採りが敢行された。滑落して命を落としたり、怪我した人も数知れず。真柏の捻れは人間の妄執がたくしこまれているためか。

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