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森川小屋

お年寄を大切に

「お年寄を大切にしましょう」ということを聞くことがある。これは、明らかに年長者支配にその起源を持っている。書き言葉を持たない時代には、年長者は文化の伝達者だった。年寄は知恵を持っている、とされていた。このために、体力もなく、仕事も若い人ほどできない年寄がコミュニティの中で自分の優越的立場を保持できたのだった。

だが、今は違う。知識を得るには数多くの方法がある。いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」がなくても何とでもなる。困ったことが在ったら、本を読めば良い。インターネットを見れば良い。一人で解決できなければ、専門家に聞いたり、周囲の人と話し合っても良い。

文化の伝達手段が多様化するにつれて、年寄の立場は形骸化してしまった。それでもなお、年寄は自分の立場を維持しなければならない。立場の維持には、システムを若者に埋め込むことが必要だ。教育だ。世の中にはヒエラルキーが必要だと思い込ませるのだ。考えるな。想像するな。読書をするな。テレビを見ろ。先生に従え。ご先祖様を大切にしろ。そうしなければ、呪われるぞ。

助けが必要な人なら手をかすが、年寄り一般なんか尊敬するものか。

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