あなたのそばにはいつも
あのひとがいました
 
 
 
 
 

学校でも
街中でも
あなたのそばに
いつでも
 
 
 
 
 

あなたがそばにいるときは
やさしさあふれる瞳で
輝くような笑顔で
あなたをみつめていて
 
 

こうしてふたりでいるときでさえ
あのひとはあなたの向こうで
あなたの腕を抱きしめながら
 
 

見えない涙を瞳に
声にならない声を唇に
わたしをみつめている
 
 
 
 
 

そんな
気がして
 
 
 
 
 

このまま私が手を離さなければ
あなたの腕はちぎれてしまう
 
 

でもあなたはやさしいから
けして『離して』とは言わないでしょう
 
 
 
 
 

それが辛くて
あなたのやさしさが痛くて
 
 
 
 
 

だからわたしは
あなたの手を離すことにしました
 
 
 
 
 

あのひとよりもずっと
あなたを愛しています
 
 

それだけは自信があるけれど
 
 

わたしには
こんな愛し方しかできないのです
 
 
 
 
 

とても悲しいけれど
さびしいけれど
 
 

あなたの笑顔は
あのひとに向けてあげてください
 
 
 
 
 

ただひとつだけ
お願いがあるのです
 
 
 
 
 

目を閉ざせば
いつでもあなたに遇えるように
 
 

あなたのやさしさを
忘れないように
 
 

一度でいいから
一度だけでいいから
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

くちづけを
 
 

ください

 

 

 

 

 

 


管理人のコメント
 くぅっ、切ないっ、切ないっスよぉ。
 いや『切ない』と言葉にしてしまった瞬間
 それはなんだか違うものになってしまうような。
 もっとこう、なんてゆーか……
 ああ!<それでもFF書きか?>管理人
 
 ともかくっ。
 レイちゃんのココロが、ひしっと伝わってくる。
 そんな想い。受け取りました。
 map_sさん、ありがとうございました。m(_ _)m

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