「葛城・・・・おい、葛城?」
「ん・・・・・・」
「着いたぞ?」
深夜、コンフォ−ト17マンション前
微かなモーター音を立てながら佇むフレンチ・ブルーのA310
ドライヴァーズ・シートに座った加持が、パッセンジャー・シート上のミサトに声を掛けた
眠そうな目を手で擦りながら、ミサトはゆっくりと身体を起こした
「あたし・・・・寝てたんだ」
「良いさ、疲れてるんだろ?」
「ゴメン、わざわざ・・・・」
「貸しにしとくよ。
帰りのアシがないから、このまま借りてくぜ?」
「どうせなら泊まっていけば?」
「いや、夜中にガタゴトやってシンジ君達を起こしちまったら可哀想だしな」
「そう・・・・わかったわ」
ミサトは身体を捻って後部座席に手を伸ばすと、足元に転がっていたバッグを手に取った
そして、ドアを開け放し車外へと降り立つ
ヘッドライトの灯かりが彼女の身体を闇夜に浮かび上がらせる
ドライヴァーズ・シート側に回り込んだ彼女は、ドアの淵に片手を掛けながら車内を覗き込むようにその身を屈めた
「ゴメンね・・・・ホントに」
「良いって、今夜は楽しんだから・・・・な」
「クルマは本部にでも止めておいて。キーだけ受け取れれば良いから」
「ああ」
「じゃ、オヤスミ」
身を離そうとするミサトの腕を、不意に加持が掴んだ
そして、強引に自分のほうへと引き寄せた
唇を重ねたのは、ほんの一瞬
「これでチャラにしとくよ」
「もう・・・・誰かに見られたらどうするつもり?」
「・・・・・こんな時間じゃ、月しか見てないさ」
ニヤっ、と笑う加持の唇へ、もう一度唇を重ねるミサト
ほんの少しだけ長い口付けを終えた彼女は、ゆっくりと一歩後ろへ下がった
「・・・・オヤスミ」
「ああ・・・・良い夢を、な」
小さく手を上げた加持は、穏やかにアクセルを踏み込んだ
次第に小さくなっていく、赤いブレーキ・ランプ
一瞬だけ明るく見えたそれは、カーブの向こうへと消えていった
見届けたミサトは、視線を空へと上げた
空高く浮かんだ満月が、淡い光を放っていた
なおのコメント
大変お待たせして申し訳ありません。(^^;;;
やっとのことで、map_sさんから頂いた15万ヒット記念KISSの掲載です♪
加持さん。さすが、ヲトナッす!(≧-≦)
こんなヲトナを、公私とも(?)目指しているなおにはぴったりの記念SSでしたぁ。
map_sさんありがとうございますっ♪